連載「lit!」第131回:BE:FIRST、King & Prince、INI……一際個性が輝いた2024年のボーイズグループ
昨年に引き続き、ボーイズグループが盛り上がりを見せていた2024年。まだ“若手”と言えるフェーズにいるグループでもダンスや歌などのパフォーマンス力が高くなっており、プラスαの魅力や個性が見えるグループに人気が集まっている印象だ。少し前まで「ボーイズグループ戦国時代」と言われていたが、今や「より多くのファンを獲得するために競う」のではなく、自分たちの個性や魅力を表現して「共感者を増やす」という在り方が主流になりつつあるのではないだろうか。そこで今回は、個性がキラリと輝く若手グループのなかから、2024年を代表する楽曲をそれぞれチョイスしてみた。
BE:FIRST「Masterplan」
昨今のボーイズグループシーンを象徴するような「上り詰める、だけど蹴落とさない。媚びない、だけど誰も否定しない。自分である、だから人を愛する」というテーマのもと、躍進を続けているBE:FIRST。その成長は目覚しく、デビュー後早い段階で登竜門的存在の音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演をしたり、ヨーロッパ最大級の音楽アワード『2023 MTV EMA』で日本人初のベスト・アジア・アクト賞を受賞したりと、アイコニックな活躍を見せてきた。その勢いは2024年も止まらず、現在も4都市9公演を行なうドームツアー『BE:FIRST DOME TOUR 2024-2025 “2:BE”』の真っ最中だ。そんな彼らの今年を象徴する楽曲といえば、やはり「Masterplan」ではないだろうか。同曲は「Boom Boom Back」、「Mainstream」の続編と銘打たれており、「BE:FIRSTのデビューからこれまでの快進撃が、偶然ではなく、実は全て計画通りだった」ことが表されている。世界への意思表明となる1曲でもあり、デビューから2年4カ月という速さで今年3月に開催された東京ドーム公演で初披露。楽曲はもちろん、パフォーマンスやMVのいたるところに彼らの覚悟とここまでの計画が緻密に組み込まれている。すでに2025年にワールドツアーの開催を発表し、いよいよ世界に飛び出す彼らの第一章を締めくくる楽曲でもある同曲は、何度でも繰り返し聴きたい一曲だ。
King & Prince「moooove!!」
2023年から新しいスタートを切り、二人三脚で活躍を見せているKing & Prince。2023年6月21日リリースの『なにもの』以降も新しい自分たちらしさを見せてきた。その上で、髙橋海人は『halfmoon / moooove!!』以降から今のKing & Princeの方向性が見えたという話をインタビューで語っていたことがある。特に髙橋は、昨今ダンスで注目される機会が多く、ガシガシ踊れる「moooove!!」は必聴の一曲だ。歌詞も「ルールや雑音にとらわれずに自分らしく前進していこう」ということが書かれており、この先のKing & Princeの決意を表明するかのようなエネルギッシュさを感じることができる。ちなみに、振り付けは髙橋の旧友であるKAITAが担当。MVをチェックして、パフォーマンスとともに味わいたい楽曲だ。
INI「HI-DE-HO」
6月26日にリリースした6thシングル『THE FRAME』が初週売上81万枚(※1)を越えて、自己最高記録を叩き出し、その後ミリオン認定もされるという勢いを見せたINI。そんな彼らは、メンバーが楽曲制作に携わることも今まで以上に増えてきている。特に作詞においては多くのメンバーが携わっており、とりわけ西洸人は作曲にまで携わっている。その西がオリジナリティを発揮して作詞に参加したのが、7thシングル『THE VIEW』収録曲の「HI-DE-HO」だ。西は「みんなで騒ぎながら口ずさみたくなるように歌詞を書いた」(※2)と話していたことがあったが、一方で爽やかさも感じられる、INIにとって新しいタイプの楽曲になっている。西のセンスがキラリと光りつつ、彼が影響を受けてきたであろう音楽も伝わってくる同曲は要チェックだ。