倉木麻衣、歌・ダンス・ラップ……多彩な表現でファンを魅了 “百花繚乱”のデビュー25周年記念ライブ
しっとりと聴かせるステージを展開した前半戦から一転、後半戦は、ゴールドのラメの衣装を身に纏い、ダンサーと共にダンスパフォーマンスを繰り広げるなど、ゴージャスなステージで会場が一体になった。
ダンサーとヒップホップダンスを繰り広げた「NEVER GONNA GIVE YOU UP」。「Everything's All Right」では「Clap your hands!」と声をかけ、〈for you〉の歌詞で観客を指さして歌う。スペシャルゲストとしてギタリストの大賀好修が紹介され、軽快なカッティングやソロ演奏で彩った「Stand Up」では、会場に〈ヘイ!〉とかけ声が響き、間奏では紹介を兼ねてダンサーが次々とテクニカルなダンスを披露。また情熱的なラテンのリズムが印象的な「ベロニカ」では、トーチと赤のペンライトが灯されて会場一面が真っ赤に。その中で倉木は、時にひざまづくなどしながら、熱くエモーショナルに歌い上げた。またEP『forever for YOU』に収録の「Unraveling Love ~少しの勇気~」では、楽曲の途中で演奏が少しストップするという演出で驚かせ、会場に響く「麻衣ちゃーん!」と名前を呼ぶ声で楽曲が再開し、最後は後ろ向きでかわいく腰を振るポーズをキメた。
身一つでド派手に魅せた終盤戦。ワイルドにラップを繰り出した「PUZZLE」ではステージ上でカラフルな衣装に早着替えする演出。「薔薇色の人生」ではダンサーが管楽器を持ってダンスして、ミュージックビデオを再現したかたち。そして本編ラストの「Feel fine!」では、アッパーのリズムに乗せてダンサーと共に椅子を使ったパフォーマンスを繰り広げ、サビではタオルを回して会場の一体感は最高潮に。曲の最後を全員でジャンプして締めくくった。
アンコールではデビュー曲「Love, Day After Tomorrow」、「Y☺︎u & I」、そして「always」を披露した倉木。会場の大合唱となった「Love, Day After Tomorrow」は、客席にファンサービスを送りながらステージを歩き回り、最後にLOVEのポーズ。「ネガティブな時もポジティブな時も、全てを愛して“Be alright !”して行こう」と、ツアータイトルになぞらえてメッセージを送った彼女。穏やかな心地よさが広がる「Y☺︎u & I」では会場に手拍子が広がり、ラストの「always」では金テープが発射された。
「always」の曲中で会場が明転し客席が明るく照らされたのは、きっと彼女のみんなの顔が見たいという思いからだろう。ビジョンには25周年をお祝いする花火の映像が映し出され、ファンから募集したLOVEが詰まった写真が集まって大きなハートを描いた。
立ち去りがたいといった様子で、愛犬ベニートくんを連れて再びステージに現れた倉木。愛犬とのプライベートを感じさせる微笑ましい様子に、胸が温かくなったファンも多かっただろう。また、宙に大きなハートを描いて客席に投げる、エア・ハート投げでもファンを喜ばせた。
「今日は最後まで受け止めてくれてありがとう」
25年で数多くの作品をリリースしてきた倉木麻衣。約2時間半でその全てを網羅することは不可能だが、実に端的に分かりやすく魅せて聴かせてくれた。みんなが聴きたかった曲はもちろん、現在進行形の彼女も感じさせ、今もなお最前線を走り続けていることに、改めて驚くばかりだ。25年経っても変わらない、美しく透明感あふれる歌声。シャイである分、一つひとつに心が込められた言葉と仕草。倉木麻衣という存在の特別さに歓喜し、感謝したステージだった。
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