タイからやってきた貴公子 NuNew、初の来日公演 国内外から集まったファンと祝った新たな一歩

 コンサートは早くも後半戦に突入。今度はタイで発表したオリジナルソングをメインにしたコーナーで、自分らしさを強烈にアピールする。ハイライトとなったのは、やはり彼をスターダムへと導いたドラマ『Cutie Pie』の関連曲だ。同ドラマで共演したZee(プルック・パーニ)と出したシングル「Tidtidid」をはじめ、「JA RAKCHAN YU MAI」「AI KON NA RAK」などの関連曲を気持ち良さそうに歌う様子は、観ている側も幸せな気分になる。

 そして本編が終わる時間が近づくと、NuNewは初の海外コンサートが順調に進んだことに対する感謝の言葉を述べた。「今回の公演は楽しかったです。海外にひとりで歌いに来るのは初めてだったので、緊張したし、不安もありました。しかも日本語の歌詞って覚えにくいでしょ? でも、みなさんが微笑んでくれて、応援の声もあげてくれて、全然静かじゃなかったのが嬉しかったです。ここに来る前はもっと静かになると思っていたから(笑)。今日はみなさん、すごく良かったです。最高でした!」。彼のひと言ひと言にうなずくファンたちの顔は、いずれも喜びに満ちていた。

 本編のラストはサム・スミスの「Lay Me Down」のカバーで締めくくり、客席の要望に応えて再び登場した後は「渋谷のBARで初めてのデイト」を会場にいるすべての人たちと合唱したNuNew。「バイバイ!」と明るく爽やかにステージを去っていくのは、日本のファンとすぐにまた会えると信じているからなのだろう。

 約2時間の舞台で強く印象に残ったのは、歌の充実ぶりと彼の人柄の良さがストレートに伝わってくるトークだった。客席とのコミュニケーションを大切にしながら、飽きさせない工夫も凝らされていた今回の公演は、NuNewの魅力を存分に味わえたのはもちろんのこと、“T-POP”と呼ばれるタイの大衆音楽の急速な発展を実感させるものだったと言えよう。

“アジアの真珠” NuNew、日本デビューに大反響 タイが生んだグローバルスター、音楽活動の歩み

“アジアの真珠”と呼ばれるタイの俳優・シンガーNuNewが日本デビューを果たした。本稿では彼の音楽活動の歩みを辿る。

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