WILD BLUE「Bubbles」、ファンと掴んだバイラル首位 5人の声質を活かす軽やかな一曲

WILD BLUE 'Bubbles' Official MV

 「Bubbles」は11月18日付デイリーバイラルチャートで初登場40位にランクインすると、その3日後から30位以内をキープ。12月2日付の同チャートでいきなりジャンプアップし、4位に。12月4日付の同チャートで1位を獲得すると、以降4日連続首位の座を守っている。このチャートアクションは、11月11日に横浜パシフィコで開催された彼らの初のショーケース『WILD BLUE DEBUT SHOWCASE[The First Light]』にも起因しているだろう。この日、“STARRY”というファンネームが発表されたことに加え、山下がWILD BLUEのデビューまでの心情を声を震わせながら吐露する場面も。葛藤する自分の目の前にいたのが他のメンバーだったことに触れ、「夢中になって歌って踊っているメンバーを見て、俺はこれがやりたいんだって、改めて思った」と言葉を結んでいた。STARRYへの感謝をしっかり伝えたWILD BLUEのメンバーたち。その彼らの言葉にSTARRYは、楽曲をシェアしバイラルチャート1位という形で応えたのだ。今回のバイラルチャートは、ファンとアーティストが作り上げたドラマであり、これからの新しい物語を期待するに十分な実績になった。

 「Bubbles」はバウンシーで爽やかなミドルナンバー。歌詞(JUNとの共作)、作曲、編曲を担ったのは、BTSを手掛けたことでも知られるHYBE LABELS JAPANとプロデューサー契約をしたUTAである。緻密でありながら、大胆な音数の抜き差しでみせる緩急あるバックトラックは、5人の声質に合わせたかのように、軽やかな音色をメインに構成されている。サビでは、R&Bやソウルミュージックを彷彿とさせるグルーヴもあり、ミドルテンポながら、ダンサブルな印象の1曲に仕上がっている。

 5人が歌い紡ぐボーカルは、決してレンジは広くないが、爽やかさとメロウさが同居したグッドメロディで、5人の歌声を最大限に活かしているUTAの手腕はさすが。5人が順番に歌い紡ぐスタイルで、最低音、最高音とも無理なく発音して歌っていること、全員が喉に力を入れずにリズミカルに歌うことで、洒脱なメロディラインをしっかり自分たちのものにしている。ファルセットも綺麗で、歌い出す前のニュアンスの入れ方、母音の扱いなどに光る部分もあり、これから多彩な曲を歌っていけばいくほど、歌のスキルもどんどんステップアップしていく未来像が見えてくる。

 本稿でWILD BLUE「Bubbles」を知った方は、ぜひSpotifyなどの音楽配信サブスクリプションサービスで再生してみてほしい。バックに流れる映像は、ステージ上でのリハーサル風景だが、それぞれの名前が書かれたゼッケンをつけたメンバーの姿を見ることができる。眼鏡をかけているメンバーもいて、眺めていてなんとも微笑ましい。“素”の姿も隠さず、活動していこうという意志が感じられる。2025年春には全国ツアーも決定しているWILD BLUE。ボーイズグループのニュースタイルとなるのだろうか。

※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2024-12-04

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