JIN「幸せにさせる覚悟をしてきました」 ARMYとの絆、『Happy』に込めた思い……すべてを伝えた特別な時間
歌唱パートに戻り、ネオンライトの光る街並みのような世界のなか、ONE OK ROCKのTaka(Vo)とToru(Gt)がプロデュースに参加した「Falling」で感情を込めて歌を聴かせたJIN。続く「Heart on the Window (with WENDY)」ではデュエット相手であるRed VelvetのWENDYがサプライズ登場し、ふたりの美しい歌声が会場に響きわたる。WENDYは、「レコーディングもすごく楽しかったです」「今すごく緊張しています。ARMYのみなさんの前で歌うとなると再デビューしたような気分です」とコメント。これに対しJINが「デビュー何年目ですか?」と尋ね、「11年目なんですが」「僕は12年目なんですが……」「先輩……!」という掛け合いも見ることができた。「アルバムに参加できて光栄です」と感謝を述べたWENDYにJINが「いつでもヘルプコールをください」と言うと、WENDYは「Falling」にちなみ、「人見知りをされる先輩なので私からお声がけします」と機転を利かせて返答していた。
WENDYがステージを後にすると、JINは「僕が聞いたんです。ショーケースをする時に時間は空いているかと」「WENDYさんがいらっしゃらなかったら歌えなかった歌なので」と再びマイクを握る。「今日お会いするのが二回目です。実は会話もあんまりしたことがありません。曲作業をするとなったらたくさん会話すると思ったんですが……」と話し、まだそれほど言葉を交わしていないことを明かしたのも驚きだった。
次のコーナーは『HAPPY WORLD CUP』(幸せワールドカップ)。AとBの2択から、JINをいちばん幸せにしてくれる一瞬をひとつ選んでみる企画である。さまざまな2択があったなかでも、決勝では「60歳になっても『No More Dream』を完璧に歌える」VS「24時間鏡のなかの自分を鑑賞する」の2択が対峙し、ARMYからの圧倒的希望で前者が優勝に輝いた。これを受けてJINは、「みなさんはステージが見たいんだ」「ARMYのみなさんが選んだ“A”を選びます」とまた新たな学びを得たようだ。
まだまだ続くステージパートでは、白のニットに着替え、「I will come to you」を歌い上げる。直後、雰囲気が一転。暗がりのなか、クールな視線で「音源で聴くのとはまた違う魅力を感じられることを願って準備した」という「Another Level」を熱唱した。最後に準備したのは、JINが思う幸せを歌った曲「I’ll Be There」。再び響く「キムソクジン」コールを経て、デニムの上下セットアップで登場したJINは、時折両手を大きく広げながら、スタンドマイクでのびのびと歌唱した。室内なのに星空の下でライブを観ているかのような、テーマパークにも似たステージは、まさに「Happy」を具現化するように観る者をポジディブな気持ちにさせてくれる。
「みなさんありがとう、楽しかったよ!」という声に鈍い反応を返す会場を見て、「もう聞いてもくれないんだね」と悟りモードのJIN。ここでお待ちかねの「슈퍼 참치 (Super Tuna)」がラストスパートのゴングを鳴らす。「ほかに聴きたい歌はありますか?」「家に帰りましょうか?」と問いかけるJINに、ステージに華を添えたバンドメンバーも到底ここで終わるつもりはない様子で、続けてJIN自身も作詞作曲に携わった「Moon」を奏で始めた。JINは「大変だ」と呟きながらも、途中でイヤモニを外し、「みんなで!」とARMYの歌声を求めながら歌い切った。「この曲は次から歌わないほうがいいかもしれない。高すぎる」と笑って見せる。11年の歴が物語る、さすがのアーティスト魂で締め括った。
「ARMYのみなさんが見たがっていた衣装です」とカーキのジャケットで再び登場し、この日2度目の「Running Wild」を披露。愛が与える温かさや明るさをふんだんに表現したメロディに、ARMYからは大きな歓声が贈られる。最後には「いつも幸せに過ごしてください! 『Happy』たくさん愛してくださいね!」と互いの幸せを願い合い、ステージをあとにした。
JINは11月15日に掲載されたBillboardのインタビュー記事で、「このアルバムを作ることで、ARMYが僕にとってどれほどの意味を持つのか、立ち止まって考えることができた」(※1)と話している。さらに、メンバー全員が交代で兵役に就いている今こそ、ずっと応援してくれているARMYと個人的なことを分かち合うのにいいタイミングだとも。離れていた1年半という年月は、きっと彼らに「お互いの存在について深く考え合う時間」を与えたのではないだろうか。そして、確かめ合ったARMYとの絆を大切にしつつ、「Happy=幸福」という普遍的なメッセージを大衆にも届け、誰しもを勇気づける作品に仕上がったのが今作『Happy』なのだと思う。
今後は『Venue101』のスピンオフ番組『Venue101 Presents JIN SPECIAL』(いずれもNHK総合)への出演も決まっており、日本のARMYも国内で再開できる日を首を長くして待ち望んでいることだろう。将来的には「Spring Day」のようなエモーショナルな曲調を追求することも考えているという彼のソロ活動に、よりいっそう期待が膨らむ。
※1:https://www.billboard.com/music/pop/bts-jin-right-time-solo-album-happy-1235828976/
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