LINKL PLANET 荒井芽依×高柳光花インタビュー メンバー総入れ替えの危機から再起した彼女たちの“今”

 2022年に結成された「LINKL PLANET」。“ガンプラ”などのプラモデル事業で知られる「BANDAI SPIRITS」が仕掛けた「PLAMO GIRLS PROJECT」で誕生したアイドルグループで、“プラモデルと世界をつなぐアイドル”を目指し活動中だ。

 そんなグループが、この夏に「人生下剋上オーディション」を開催した。観客を1000人集めなければいけなかったライブで目標を達成できなかったことなどから行われたもので、メンバー候補生に加えて現メンバーも参加。「メンバー総入れ替えの可能性もある」というグループを再組み立てするシステムのなか、新メンバー4人が加入。 “新生LINKL PLANET”が始動することになった。そこで、現メンバーである1期生・荒井芽依と、新メンバーの3期生・高柳光花にインタビュー。オーディションを経た今の心境や再起を図るニューシングル『Color me Happy』について話を聞いた。(松本まゆげ)【最終ページに読者プレゼントあり】

「強化合宿は悔しさをバネにして頑張れました」(荒井)

荒井芽依

ーー「人生下剋上オーディション」は、1クールかけてテレビでも放送されていました。私も観たのですが、改めて心身ともに過酷な期間でしたね。

荒井芽依(以下、荒井):最初にこのオーディションの話を聞いたとき、今までにない形式すぎて、ちょうどいい言葉が見つからないくらい衝撃を受けました。でも、味わったことのない経験をたくさんさせてもらえたなと思っています。特に、パフォーマンス強化が目的だった3日間の合宿はすごく印象に残っていますね。

ーー振付師・WARNERさん指導のもと、厳しいレッスンが行われていましたね。「基礎ができていない」「まだまだ練習が足りない」など、はっきり言われる場面も多々ありました。

荒井:グループに足りていないものが補えたり、スキルアップできたりした期間だったと思っています。自分は振り覚えが遅いので正直辛かったし、新メンバー(候補生)が自分のポジションに入ったときは、「このままだととられちゃう!」と頭がパンクして泣いてしまったんですが、その悔しさをバネに頑張れました。

ーーオーディションを経て、一番成長できた部分は?

荒井:パフォーマンス面で言うと、メリハリの付け方ですかね。全体的に、ダンスの技術は上がったんじゃないかなと思っています。表情の見せ方も、以前から意識してはいましたけど、さらに意識できるようになりました。

ーー一方、高柳さんは新メンバー候補としてオーディションに参加していました。

高柳光花(以下、高柳):昔から、どんなことも結構全力で頑張るタイプなんですけど、それでもうまくいかないことが重なって……人生に行き詰まっていたどん底の時期にこのオーディションに出会いました。「このグループがいい」「ここに絶対に入りたい!」と心に決めて取り組んでいたので、私も成長できたと思っています。

ーー番組内では、「もともとメンタルが弱い」と言われていました。

高柳:メンタルが弱いしネガティブなので、「自分にはできないな……」と思いがちです。でも、強化合宿の3日間で「これを乗り越えないと合格できないんだ」と思い、腹を括ってさらに頑張れました。そのおかげで、メンタルが強くなったのかなって。どこまで自分をどこまで追い込めるか、しっかり考えられるようになった3日間でしたね。

ーー高柳さんは、これまでにもアイドル活動をしていたんですよね。

高柳:はい。1年間活動していました。そこでいろんな挫折を味わったので、次こそは任務を全うしたいと思っています。

ーー当時の自分と今の自分は、明確に違うと。

高柳:そうですね。そもそも、1年前の自分はこんなに喋れなかったです。MCも、変な言い方になってしまうんですけど人任せでしたし。「このオーディションを受けたい」と行動したから、今の変われた自分がいます。

「オーディションを機に出会ったプラモ、すごく楽しいです」(高柳)

高柳光花

ーーお互いの第一印象はいかがでしたか?

荒井:それこそ「アイドルやっていたんだろうな」と思いました。その時はまだアイドル経験があるかどうか知らなかったんですけど、漂うオーラにアイドルっぽさを感じたので。で、実際にパフォーマンスを見たら人一倍頑張っていて、目を引かれましたね。

高柳:うれしい! はじめて言われました!

荒井:普段は恥ずかしくてあまり言わないからね(笑)。

高柳:そういう芽依ちゃんは、YouTubeやテレビでしか見たことがなかったので、最初は「受け入れてもらえるかな」と不安だったんですが、強化合宿の期間中はお弁当を選んでいるときにちょっと話せることがあって。そのたびに優しくてうれしかったです。

荒井:へへっ(笑)。

ーーでは、現在に至るまでに印象が変わった部分はありますか?

荒井:それでいうと、プラモかな。3期生の中でも一番ジオラマとかに力を入れてくれているんです。オーディションのときからずっと前向きに取り組んでくれているんだなと思うと、うれしいですね。

ーー荒井さんといえば、グループのなかでもプラモの経験値が特に高いメンバー。そんな方に褒められるのはうれしいことですね。

高柳:本当に! オーディションには30秒動画を応募する事になっていたんですけど、そこで組み立てたものが私にとっての初プラモで、以来いろいろ作っているところです。芽依ちゃんにはこの前、“片刃”っていう道具を教えてもらったんですよ。

荒井:そうだったね! ニッパーの種類のひとつなんですけど、その説明というかアドバイスをさせてもらったことがあります。おこがましいけどね。

高柳:いやいや! とってもありがたいです。

ーープラモデルは楽しいですか?

高柳:楽しいです。自分はアイディア力があるほうだと思っているので、「プラモデルでそういう一面を活かせていけたらいいな」と思ったのもオーディションを受けた理由なんですよ。だから、実践できているのが本当に楽しい。今は夢中です。

荒井:うれしいなぁ……! オーディション番組のなかで、自分はすごく怖いことを言っている人になっていたんですよ。「本当にプラモに興味を持ってくれるなら教えたい」「興味がない子に教えても何にもならへんから」って(苦笑)。それを聞いて、プレッシャーになっていないかなと不安だったんですけど、こうやって純粋に取り組んでくれている姿を見たら安心しました。

ーー道具についてアドバイスしたという話はありましたが、作り方をいちからレクチャーしたことはあるのでしょうか?

荒井:今のところはないですね。自分はコミュ障なので……(笑)。(高柳は)話しかけてくれるので喋れるんですけどね。ここからは、しっかりコミュ障を改善して気軽にアドバイスできるようになれたらいいなと思っています。

高柳:それは芽依ちゃんが優しいからですよ。オーディション直後は、グループ内が殺伐とした雰囲気になるんだろうなと思っていたんですけど、変わらず温かく接してくれています。それがうれしいです。

ーーでは、現時点での2人の共通点は?

荒井:さっき「ネガティブ」って言っていたでしょ? 自分もネガティブだから似ているかもなと思いました。

高柳:えっ、芽依ちゃんがネガティブだなんて思ったことないです。

荒井:ほんと? よかった、隠せてた!

高柳:強化合宿のとき、先生に厳しい言葉をかけられたときも、ちゃんと向き合って直して、次に挑んでいる姿を見ていたんです。きっと、ネガティブだったらそこで「もう無理だ」となってしまいそうですけど、そうじゃなかったので。

荒井:なるほどね。

ーー合宿のときも、「負けず嫌いなので」と言っていましたよね。

荒井:そうですね。強化合宿のときは、WARNERさんが「これで人生が決まるんだったら、死ぬ気でやれる」と言っていたんですが、その言葉がすごく響いたんです。だから頑張れていたのかもしれないです。

ーーネガティブでもありながら、強さも秘めているんですね。

荒井:オーディションが始まったばかりの頃は、すごくゆるく考えていたんですよ。「とはいえ、今のメンバーに1人加わるくらいだよね」って。今思うと本当に甘い考なんですけど、オーディションが本格化するにつれて「そんな状況じゃないんだ」と危機感を持つようになっていって、すごく焦ったんです。だから強くなったというか、やるしかない精神が芽生えたんだと思います。合宿を通して、変わることができました。

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