秋元康総合プロデュース・Rain Tree、デビュー曲歌唱メンバー7名決定 セレクション最終審査会で見せた未来

Rain Tree、デビュー曲歌唱メンバー決定

 秋元康が総合プロデュースを手がけるRain Treeが、2025年1月にキングレコードよりデビューする。その1stデジタルシングルのセレクション最終審査会が、11月11日にTOKYO FMホールにて開かれた。

 昨年4月より約半年間にわたってオーディションが行われたアイドルプロジェクト「IDOL3.0 PROJECT」に合格した11名が、同年12月にWHITE SCORPIONとしてデビュー。最終審査に残った候補者17名がFINALISTの名義で下積みを重ねていたが、今年10月の記者発表会でRain Treeとしてデビューすることがアナウンスされた。

 1stデジタルシングルの楽曲歌唱メンバーは、セレクションシステムでの選抜となる。歌、ダンス、自己表現の3つをセレクション審査項目とし、運営/各専門スタッフにより審査。歌とダンスは課題曲を設け、10月より約3週間のレッスン期間を経て、その技術と成長具合を総合的に評価し、運営/各専門スタッフによる最終評価を終えたうえで、メンバーはセレクション最終審査会に臨んでいる。この最終審査会では、自己表現の審査を実施。SNSを含めた数字による成長度、デビューするタレントとして相応しいかの運営による行動評価、ファンのNIDT(『Nippon Idol Token』)投票が加点され、1stデジタルシングルのメインメンバーが決定した。

Rain Tree ©OVERSE

 メインメンバーに選ばれたのは綾瀬ことり(旧:コトリ)、遠藤莉乃(旧:イチゴ)、加藤柊(旧:キナコ)、佐藤莉華(旧:サナ)、鈴野みお(旧:リンリン)、新野楓果(旧:ニイ)、橋本真希(旧:マキ)の7名。体調不良のため一時休養中の黒澤禾恋(旧:ミラン)を含む、残る10名はカップリング曲への参加となる。

 今回、評価のポイントとなったのは、1分間の自己PRだ(セレクション終了後にメンバーの活動名が変更になったため、ここでは旧名で表記する)。コトリは事前に作成してきたVTRをスクリーンに写し自身を紹介。乃木坂46「インフルエンサー」を踊ったイチゴに、変わりたい思いを大声に乗せたキナコ。ラテを作りながら歌を歌い優雅な1分間を届けたサナ、美味しそうなおにぎりを握ったニイ。最年少15歳のリンリンは、早口言葉「炙りカルビ」で喜怒哀楽を表現し、最年長のマキはトゥシューズできれいなバレエのターンを披露した。

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 筆者が審査会を観ていて印象的だったのは、選抜メンバー7名をはじめ、残るメンバーを含めた全員が堂々としたパフォーマンスだったこと。Leminoで配信中の『Documentary of another IDOL3.0 ~不合格者17名の再挑戦の物語~』で描かれているように、スタートはWHITE SCORPIONと一緒だったはずが差がどんどん広がっていったRain Tree。ライブステージでの経験もまだ数えられるほどであるが、自己PRだけでなく、Rain Treeとしての唯一のオリジナル楽曲「命しか捧げるものがない」の全員での歌唱披露、さらに課題ダンスのパフォーマンスと、レッスン期間での血の滲むような努力が透けて見えたような気がした。

 特筆に値するのは、メインメンバーにも選抜されたリンリンの存在。最年少ながらまだあどけさが残るものの、ダンスのキレは光るものがあった。なかでもメインメンバーとして選ばれた際のコメントでは感極まる場面から、しっかりと切り替えを見せ話し始める姿は、逸材の可能性を感じさせる。

 審査会でメンバーの素が見えたのは、ボーカル/ダンス講師からのコメントを受けての場面。朝宮日向(旧:チャイ)がレッスン期間を思い出し涙ぐむと、ほかメンバーへとその涙が伝播していく。先述した過酷なレッスン期間を経て生まれた17名の絆を感じた瞬間だ。同時に、多くのメインメンバーがコメントで触れていたのは、どこかで17名で表題曲が歌えるではないかという思いがあったということ。それでもメインメンバーは選ばれなかった10人の思いを背負い、その先に17人で立つ大きなステージがあることを信じて進んでいくことを誓っていた。

 Rain Treeは、シングルごとにセレクションを行い、常に「進化・変化・成長するグループ」を目指していく。メインメンバーとして最初に呼ばれたサナが、次にステージに上がってきたイチゴを強く抱きしめ、ラストは最年少のリンリンが最年長のマキを迎える形で強くハグしていた。嬉しさと悔しさ、明暗の分かれる結果となった今回のセレクション。Rain Treeの由来でもある、“涙”を流しながら成長していくグループであることをあらためて印象付けた審査会だった。

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