BMSG注目株 REIKO×ダンサー UNO、『SSDW2024』で伝えるダンスを自由に楽しむコツ「正解、不正解がないことを感じて」

REIKO&UNOが伝えたい、「正解、不正解のないダンス」

ーーREIKOさんは今はダンスがとても好きだと思うのですが、オーディション参加時は未経験でしたよね? そこから今に至るまで、ダンスの印象はどう変化していったのですか?

REIKO:先ほども言った通り、オーディション中は審査される立場だったので「ダンスは正解がある」という状態でダンスに接していました。なので、視野が狭くて自分の持っている良さに全然フォーカスできていなくて。その後、BMSGのトレーニーとして2年間ダンスレッスンを受けながら、自分のダンスの魅力を学んでいきました。僕はグルーヴを褒めてもらうことが多いのですが、はじめは「なんだそれ?」と思っていたんです(笑)。でも、しっかりレッスンを積んでダンスとの距離を縮めていくうちに、「なるほど。僕はこれが得意なんだ」とわかるようになりました。いろんな先生……、とくにUNOさんは「ダンスはなんでもいいんだよ」って言うんです。

UNO:そうそう、出たもの全部が正解っていう。

REIKO:うん。UNOさんがきっかけで正解、不正解がないことを知って、自分の魅力を知って。「So Good」以降から、めちゃくちゃダンスが上手くなったんですよ。力が抜けました。力が抜けると体が柔らかくなって上手くなるんです。なので、UNOさんありがとうございます!

UNO:いいえ(笑)!

REIKO:同じソロアーティストのAile The Shotaくんにも褒められましたもん。「『So Good』以降、ダンスが上手くなってるね?」って。

UNO:イエーイ! 嬉しい!

ーー「正解があるダンス」からスタートしたとなると、UNOさんの「出たもの全部が正解」という言葉を受け入れられるまでに時間がかかりましたか?

REIKO:どうなんだろう。2年間のトレーニー期間でずっと自分の体と動きと向き合ってきたことで自分の魅力を知っていたのでスムーズに受け入れられたかもしれません。僕、「なんでもいいよ」という言葉に対して、最初は「なんでもよくないでしょ!」と思っていたんです。でも、踊っていくうちにその言葉の意味が理解できました。それは自分のダンスの魅力を知っていなかったら、噛み締められなかったと思います。僕は仕事としてもダンスをやっていますが、趣味でダンスをやっている人にはもっとそれを感じてほしいですね。

ーー私も趣味でダンスを習っていますが、まだ感じられていないかもしれません……。

REIKO・UNO:あはは(笑)!

UNO:じゃあ、遊びましょう!

REIKO:それ大事! 僕もステージ上で遊べるようになりましたもん。

ーー素敵な変化です! UNOさんは演出や振付をする際、ダンス歴が浅い方にもレクチャーする機会があると思います。その場合はどんなことを重視するのですか?

UNO:対話かなぁ。よく料理で説明をするのですが、私が具材なわけではなく、アーティストそれぞれが具材なわけじゃないですか。例えば私が今日フランス料理を作りたい気分だからと、具材を無視して料理をすると、80点は出せるかもしれないけど100点は出せない。100点を出すために対話するんです。フランス料理のレシピを持ってきたけど対話してみたら、「あら! 今日は和食を作るのが正解っぽい」となることも多々あります。なので対話はサボらない。

REIKO:僕、どんな具材でした?

UNO:えー、なんだろう。料理で言ったらごちゃ混ぜのバーベキューみたいな感じかな(笑)。「So Good」のロケ日が曇りだったんですよ。晴れの日ってすごく派手でわかりやすいアイコニックな映像が撮れますけど、曇の日もニコニコ、ふらふら、ウキウキしていたら悪くないよねという解釈をして。「これもいいじゃん」、「こっちもいいじゃん」というような会話をしながら作っていきました。

REIKO:確かにバーベキューっぽい! 「これも焼いちゃおうぜ!」みたいな。

UNO:そうそう。REIちゃんは以前から会いたいと思うアーティストだったんですね。実際会った時に大体ギャップってあるじゃないですか。でもREIちゃんは誤差が1mmもなかった。自分と似たようなハートだなって思った。自分に近しい存在だからこそ、作る時に「この具材は……」と考え込まなかったですね。

SSDW2024【DANCE WITH music】レクチャー映像

ーーそんなお二人が今回一緒のステージに立つのが楽しみです。『SSDW2024』で踊る「So Good」のレクチャー映像も出ていますが、ポイントを教えてください。

UNO:振付自体は原曲のシンプルバージョンですね。さっきREIちゃんが言ったように、間違えても合流できるポイントを作っていて。きっちり踊らなくても、みんなで楽しくふわふわできるのがいいところだなと思っています。

REIKO:それこそ、UNOさんが僕に教えてくれた「なんでもいいんだよ」を体現したような振付ですよね。それに僕がアンバサダーとして広げたい「正解、不正解のないダンス」でもあるなと思って、すぐに好きになりました。この間、Instagramのリールでこのダンスを投稿したんですけど、座りながらでも踊れるんですよ。自分色に変えられる振付なんですよね。ジュースとかお酒を持っていても踊れるし、ヒット(ダンスの技法)を入れてもいいし。

ーーREIKOさんのダンス愛が伝わってきました。ちなみに、BMSGにはREIKOさんと同じくらいダンス愛がある仲間がたくさんいらっしゃいますが、刺激を受けることがあったりも?

REIKO:刺激を受けまくっています。僕、BE:FIRSTのSOTAくんに言われてすごく嬉しかったことがあって。彼はダンスの世界大会でチームを優勝に導いたリーダーだったんですけど、そんなSOTAくんの褒め方がめちゃくちゃ好きなんです。「ヤバいね」っていう。

UNO:いいね。ダンサーの反応だ。

REIKO:「あそこヤバいね」、「グルーヴがヤバいね」ってすごくラフに言ってくれて、SOTAくんみたいな世界大会で優勝しているダンサーが「ヤバい」で褒めてくれるのってリアルな感じがしてすごく嬉しいです。でも、よく考えるとうちの事務所のみんな、「ヤバい」しか言ってない気がしてきた(笑)。

UNO:会社のカラーが出てる(笑)。

ーーアドバイスのやり取りもあるのですか?

REIKO:アドバイスというよりも、社長のSKY-HIさんもそうなんですけど、みんな長所をたくさん教えてくれます。だから短所にばかり目線を向けていたのは自分だけだったんだなって気がついて。それが最初に「なんでもいいんだよ」を受け入れられなかった視野の狭さの理由だったかもしれないですね。なので、アドバイスよりも褒めばっかりです(笑)。

UNO:頑張るんだったらポジティブな空気の中の方がいいもんね。私も教える時はその雰囲気を作るように心がけています。

ーー素敵な環境です。そんなお二人が今、気になっているダンサーを教えてください。

REIKO:僕は、『SSDW2024』のダンスアンバサダーでもあるMacotoくん! 彼のワンマンライブを見に行ったのですが、アーティスト性にヤバさを感じました。僕、2023年の10月にメジャーデビューをして、そこからの1年はアーティストとしての自我や自分の表現を見つける期間でした。探しているタイミングでMacotoくんのワンマンライブを見に行ったのですが、芯のある表現を見てめちゃくちゃ感化されました。自分は芯が通せていなかったなって。「僕の表現はこれでいいのかな」という状態だったのですが、Macotoくんを見て「あとは胸を張ればいいだけなんだ」と学びました。

UNO:彼は自分の人生をクリエイティブに投影してるもんね。私は「So Good」のMVにも出てもらっているKarimかな。すごく好きなタイプの表現者。彼そのものが素敵なすっぴん美人なんです。すっぴんがもっと磨かれていったらどんなふうになるんだろうと、楽しみで。あと、Karimはバトルで活躍しているイメージだったので、MVのバックダンサーにどう取り組むんだろうという興味があって「So Good」で声を掛けました。でも、すっぴん美人だからこそすぐに溶け込んでいて、REIちゃんとの相性も良かったもんね。

REIKO:めちゃくちゃ良かったです。兄弟みたいだった。

UNO:曲との相性も良かった。彼がこの先どんな顔になっていくんだろうと、楽しみに見守っています。

REIKO:Karimくんはソウルがありますよね。

UNO:ある! 自分の軸が強くありつつも、しなるのも上手だから。そこが一番の魅力かな。ヤシの木みたいに「自分の軸はここだけど、あっちに傾くのも楽しそう」ってやっているさまが魅力的だと思います。

ーーお2人の推しダンサーも要チェックですね。では最後に、この先より多くの人とダンスの距離を近づけるためにやってみたいことを教えてください。

REIKO:まずは『SSDW』をしっかり発信していきたいです!

UNO:私、盆踊りのリーダーをしている方とたまたまお会いしたことがあって。その方が、「盆踊りをもっと盛り上げたい」と言っていたんです。人口がどんどん少なくなってきていて、櫓にいる先生たちも少なくなっているんですって。私は下町育ちなので、それが悲しくて。なので、地域のお祭り団体などと一緒に何かできたらいいなと思っています。楽曲を作ってみたり、櫓にDJを入れてみたり、そんな話ができたら嬉しいですよね。皆、自分の地域のお祭りってあるじゃないですか。そこにお邪魔して、盛り上げるお手伝いをやってみたいという気持ちはあります。

REIKO:素敵! あとは渋谷は海外の観光客の方も増えているから、国境を超えて代々木公園に集まってくれたら面白いかも。

UNO:来てほしいね! 今年のアンバサダーをアサインする時に、ミックスの人やジェンダーレスなダンサーなど、私なりのアベンジャーズを集めたんです。いろんなパレットを持つ人がいるので、本当に楽しいと思う。もっとみんなでグニャッとなって、まるっと輪になっていきたいですね。

REIKO:それが東京・渋谷ですもんね!

■開催概要
開催日 2024年11月23日(土・祝)
会場 代々木公園
主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
Shibuya StreetDance Week 実行委員会(渋谷区商店会連合会、渋谷道玄坂商店街振
興組合、一般社団法人渋谷未来デザイン、東急株式会社、株式会社パルコ)

共催 渋谷区
助成・協力 東京都
事務局 Shibuya StreetDance Week 事務局 (ファイブメディット株式会社内)

TEL: 03-6450-3670(平日 10:00~17:00)
Mail: ssdw_info@streetdanceweek.jp
公式ウェブサイト https://www.streetdanceweek.jp
公式 X https://x.com/SSDW_official
公式 Instagram https://www.instagram.com/shibuyastreetdanceweek/

■Shibuya StreetDance Week (SSDW)について
SSDWは、幅広い層に支持される新しい芸術文化としてのストリートダンスの確立と、ストリートダンサーの聖地である渋谷から良質なエンターテインメントを発信し、渋谷をより活力に溢れた街にすることを目的に、2015年にスタートし、国内最大級のダンスイベントへと成長してきました。ステージパフォーマンス、ダンスバトル、ワークショップなどで構成し、参加、鑑賞、体験、地域連携など多様な切り口でダンスの魅力を発信します。

関連記事