ハンブレッダーズ、バンドに対する純粋な想いを再確認 怒涛の結成15周年イヤーに得たもの

大阪城ホール&武道館ワンマン開催までの舞台裏

――今年のハンブレッダーズは結成15周年ということで、様々な活動を行っています。2月に4thフルアルバム『はじめから自由だった』をリリース。3月に大阪城ホールワンマン『ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Jタイム ~15th Special~』を開催。4~6月に『はじめから自由だった』の全国ツアーをまわり、7月に配信シングル「⚡」をリリースしました。そして10月には日本武道館ワンマン『ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Bタイム ~15th Special~』、さらに「フィードバックを鳴らして」「アクション!」のリリースがあると。

ムツムロ:こないだ「今年は『⚡』『フィードバックを鳴らして』『アクション!』と3曲もリリースできたから上出来かも」「……いや、アルバムも出してない?」みたいな会話をしたんですよ。アルバムが今年だったことを忘れるくらい、めちゃくちゃ詰まっている1年で。

でらし:この半年間で3日以上メンバーと会ってない日、なくない?

ムツムロ:ないと思う。

でらし:城ホールが終わって、その1週間後にツアーが始まって、ツアーが終わったら夏フェスシーズンに入って、今という感じなんですよ。俺は一つひとつを噛み締めている余裕がなかったな。

ukicaster:多分みんなそう。

木島:ずっとフルスロットで走ってきたからね。「フィードバックを鳴らして」と「アクション!」は、城ホールの前後に作っていたんですよ。大きなライブに本気で向き合いつつも、裏では新曲の制作をしている……というふうに、今のことと未来のことを同時に進めている状態がずっと続いていて。今も、武道館の準備をしつつ、その次のことも始まっていますし。

でらし:好きなことをやってるから楽しいし、つらいと思ったことはないけど、ずっと何かしらやっているんですよね。先輩たちも、みんなこうなのかな?

ムツムロ:そう考えると、(9月7・8日に静岡エコパアリーナで対バンした)back numberってヤバいよね。俺たち以上にタイアップを抱えた状態で、アリーナツアーをまわっていて。

ukicaster:しかも2日とも、ツアーファイナルみたいなライブをしてたんですよ。

でらし:エネルギーが溢れていたよね。

ムツムロ:化け物やなと思いました。先輩にはもうちょっと休んでほしいです。俺たちがサボれなくなるので。……正直、もうちょっと楽できるようになると思ってたんですよ(笑)。

ukicaster:今まで培ったノウハウを流用するとか、もう少し楽にやる方法はあると思うんです。だけどそうじゃなくて、毎日顔を合わせて話し合いをして、「120%出しきります!」みたいなテンションで全部に対して向き合って……そりゃ大変ですよ(笑)。

ムツムロ:確かに(笑)。

ukicaster:でも、これはハンブレッダーズのいいところでもあると思う。

――今は振り返る暇がないかもしれないけど、傍から見ていると、いつも、いいライブをしているなと思いますよ。城ホール公演も夏フェスも、素晴らしかったです。

ukicaster:ライブのやり方が変わった気がするんですよ。4人とも成長して、若さや熱量だけではない戦い方ができるようになったことを、俺は実感していて。

木島:そういえば、そんなこと言ってたな。

ukicaster:『ギター』(2021年リリースの2ndフルアルバム)や『ヤバすぎるスピード』(2022年リリースの3rdフルアルバム)のツアーはライブハウスイズム100%という感じだったけど、『はじめから自由だった』のツアーは、それだけじゃなかったというか。城ホールを経たことによって、広く、全方位に向けたライブをより意識できるようになったように思うんです。

ムツムロ:城ホールに関しては、「こんなにミーティングすることある?」というくらいミーティングを重ねて、時間をかけて準備していったんですよ。「照明も映像もいろんな演出ができるけど、どうする?」という話もあったし、セットリストも、今までにないぐらいたくさんの人たちと一緒に考えて。そこからマインドが変わった……わけではないけど、視野が広くなった感じは確かにする。

ukicaster:ツアーのあとの夏フェスも全箇所手応えがあったし、back numberとの対バンもよかったし、武道館に向かって、一歩一歩着実に進めているように思いますね。

ムツムロ:大阪城ホールの日程が決まったのはライブの1年くらい前なので、ライブ当日までに城ホールにふさわしいバンドになれているのか、正直、自分たちでは分からなかったんですよ。だけど、ライブ制作の人や事務所のスタッフが「いけると思うよ」と言ってくれたから、「嘘やろ?」と思いつつ、「チャレンジしてみよう」という気持ちになって。それで蓋を開けてみたら、大成功だった。「1年後この舞台に立ちます」「この舞台にふさわしいバンドになっています」という目標をあらかじめ設定して、全力でそこに向かっていって、なんとか達成できているという状態が、今のところ続いているんですよね。

――ある意味チーム技というか。

ムツムロ:本当にそうですね。周りの人たちに助けてもらっていることをめちゃめちゃ実感してます。城ホールとか大きい場所でライブをやると、スタッフさんが300人くらいいるから、「自分たちだけじゃ何もできないな」ってマジで思うし。

ukicaster:俺はライブのケータリングでホットミールが出るたびに、「俺たちのために、こんな……!」ってテンションが上がってたんですよ。だけど、そういうことじゃないんだなと最近肌で分かった。あれだけの人数にちゃんとごはんを食べてもらうなら、これが一番合理的なんやなと気づけたんですよね。

でらし:(笑)。マネージャーからもずっとそう言われてたよね。

ukicaster:その意味をやっとちゃんと理解できた(笑)。ライブはチームプレイなので、今度の武道館でも、スタッフさんにとってやりやすい環境を作りたいです。

ハンブレッダーズ「ワールドイズマイン」from “ワンマンライブ 放課後Jタイム 〜15th Special〜” at 大阪城ホール

――それにしても、城ホールのわずか半年後に武道館とは思い切りましたね。

ムツムロ:実は武道館をやりましょう、という決意のほうが先だったんですよ。だけど僕らは大阪出身のバンドだから、大阪城ホールのほうが目指すべき場所としてのイメージが湧きやすくて。ライブ制作の人やマネージャーと話し合って、「だったら武道館よりも前に大阪城ホールをやりましょう」という流れになったんです。1年にどっちもやるバンドがあんまりいないことを、そもそも知らなくて。

木島:まあ多分、やるんならアリーナツアーの一環でとかが多いのかな?

でらし:でも、結果的に道筋はすごくきれいに作れたよね。

ムツムロ:ね。先に城ホールを経験したことで、「武道館もいいものにできそうだな」と思えているし、どんなライブにしたいかもはっきり見えていて。

でらし:10月31日がバンドの結成記念日なので、10月は15周年の締めの月で。最後の月に武道館があるのは、しっかり締まる感じがしていいよね。

木島:うんうん。城ホールでは俺もMCしたし、集大成的なことはやりきったから、武道館は今の自分たちを届けるライブにしたい。

ukicaster:城ホールの時は、オリジナルメンバーの2人(ムツムロ、木島)に手綱を渡したようなところがあったけど、武道館では「ここから4人で続けていくぞ」という感じで、未来に向けた決意を見せられればと思っています。

――『放課後Jタイム』『放課後Bタイム』というライブタイトルは、アニメ『けいおん!』の劇中バンド・放課後ティータイムが由来かと思います。ということは、いつか『放課後Tタイム』というタイトルでライブを開催する日も来るのかなと。Tといえば、やっぱり東京ドームですか?

ムツムロ:ああ! 今言われて気づきました。

ukicaster:でも、ドームやったらDタイムの方がいいかも。

ムツムロ:じゃあ、 TOKYO DOME CITY HALL?

ukicaster:そこはもうやったやん?

ムツムロ:豊洲PIT? 立川ステージガーデン?

でらし:なんでサイズダウンすんねん(笑)。

ムツムロ:豊洲や立川でもライブできるように、頑張りたいですね。

木島:その2カ所は、すぐにやろうや(笑)。

バンドを楽しくやるためにやるべきことをこれからもやっていく

――アニバーサリーの終わりも見えてきましたが、今後どのようにバンドを続けていきたいと思っていますか?

ムツムロ:「バンドを楽しくやりたい」という気持ちはずっと根底にあるので、そのためにやるべきことをやろうという感じですかね。15周年での動きもすべてその延長線上にあったものだし、今後もそれは変わらない。15周年が終わったあとに何をするのか、正直ずっとふわふわしていたんですよ、だけど、こないだ1つ目標が決まって。どんな目標かはまだ言えないですけど、これを達成できたら次の1年は大丈夫だと思っています。

ukicaster:今年はいいライブがたくさんできたけど、「もっとすごいライブする人おるな」と思う瞬間もめっちゃ多かったんですよ。それで、「ライブが一番強いバンドになりたい」とマジで思ったんですよね。レッチリ(Red Hot Chili Peppers)が来日する時、昔から「最強バンド、来日!」みたいな煽りが使われていて。「そんなわけないやん」と思っていたけど、去年初めてライブを観た時、「あっ、最強かも」と思ったんですよ(笑)。俺は日本のあれになりたい。来年も、再来年も、ずっとアホなこと言ってたいです。

木島:僕は今年30歳になったので、「30代も頑張ろ」と思っているくらいですかね。15年バンドやって、20代はずっとムツムロと過ごしていたという訳の分からない状態なんですよ。でらしとも、ほぼ10年一緒。いつ喧嘩してもおかしくないと思っていたし、急に誰かが「ソロ活動やりたいんだ」と言い始める可能性もあったのに、15年普通に続いたのが自分でも怖いと思ってます。30代もこんな感じで、フランクに過ごしていくのかな。「みんなバンド好きなんやな」「楽器好きなんやな」と思いながら、これからも過ごしていければと思います。

でらし:僕、城ホールも武道館も、開催が決まった時にめっちゃワクワクしたんですよ。自分たちがワクワクすることに対して、お客さんも一緒にワクワクしてくれていることをこの1年で肌で感じて。この感覚はずっと持っていたいですね。back numberも「アリーナで対バンを」と考えた時、きっと「これめっちゃ面白いな」って思ったはずだし、先輩の姿を見ていても、「この感覚は絶対に忘れちゃダメだ」と思います。これからも変に大人にならず、常にワクワクすることを考えていたい。そうやってバンドを続けていきたいですね。

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■リリース情報
「フィードバックを鳴らして」
2024年10月9日(水)配信リリース
https://lnk.to/hmbr_feedback

■主催ライブ情報
『ハンブレッダーズ「秋のグーパンまつりZ 2024」』
2024年11月13日(水)福岡県 Zepp Fukuoka
OPEN 18:00/START 19:00
出演:ハンブレッダーズ / 04 Limited Sazabys

2024年11月20日(水)北海道 Zepp Sapporo
OPEN 18:00 / START 19:00
出演:ハンブレッダーズ / UNISON SQUARE GARDEN

2024年11月26日 (火)愛知県 Zepp Nagoya
OPEN 18:00 / START 19:00
出演:ハンブレッダーズ / サンボマスター

2024年11月27日(水)大阪府 Zepp Osaka Bayside
OPEN 18:00 / START 19:00
出演:ハンブレッダーズ / マカロニえんぴつ

2024年12月5日(木)東京都 Zepp Haneda
OPEN 18:00 / START 19:00
出演:ハンブレッダーズ / 凛として時雨

チケット
前売1F(スタンディング)5,800円、2F(全席指定)6,300円(いずれもドリンク代別途要) 一般発売:2024年10月20日(日)10:00

■関連リンク
ハンブレッダーズオフィシャルサイト:http://humbreaders.com/
ハンブレッダーズ | TOY'S FACTORY:https://www.toysfactory.co.jp/artist/humbreaders/

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