韓国国民的歌手 ソン・シギョン「日本でイチから挑戦してみたい」 海外活動の真意と年末コンサートを語る

YouTubeで重ねる試行錯誤「登録者数200万人で満足してはいけない」

ーーYouTubeといえば、つい先日シギョンさんの公式チャンネルの登録者数が200万人を突破したそうですね。

ソン・シギョン:ありがとうございます。登録者数200万人突破はとてもありがたくて、嬉しいです。でも、僕としてはその数字にあまり大きな意味を持たせてはいけないと考えています。

ーーそれはどうして?

ソン・シギョン:200万人の登録者数がいたって、公開した1本の動画を誰も観てくれなかったら意味がないでしょう? 一つひとつの映像コンテンツをいかに観てもらえるか。そこで勝負をしないといけないなと思います。でも、それがとても難しいことでもあります。料理やトークは観てもらえても、僕の本業である音楽のコンテンツが観てもらえないこともあるんですよ。試行錯誤を重ねながら、もっとさらに面白くたくさんの視聴者に喜んでもらえるチャンネルを作れたらなと思います。登録者数200万人で満足してはいけないな、と。

ーーシギョンさんは、YouTubeでも歌のコンテンツがいちばん強いのかと思っていました。

ソン・シギョン:僕もYouTubeを始めた当初は、歌を歌う動画が最も強いコンテンツになるかと思っていたのですけどね(笑)。今はどのプラットフォームでも自分が観たいものを観にいく時代なので、なかなか難しいなと感じます。ただ、表現者として自分の放送局を持っているということはとても大事だと思っています。

[성시경 노래] 21. 희재 l Sung Si Kyung Music

ーーシギョンさんは、YouTubeの再生回数は気にされるほうですか?

ソン・シギョン:再生回数に関しては、最近特に意識していることがあります。人気コンテンツはすぐに100万、200万回の再生数に達しますから、100万回再生の動画を生み出すことはとても簡単に思えてしまうのですが、現実の数字に置き換えてみると、本当にすごいことだと思うんですよ。だって、現実世界で100万人の人間を目の前にしたことがありますか?

ーーいえ、ないです。100万人がひとつの場所に集まったらどんな感じになるのか、想像もつかないです。

ソン・シギョン:そうでしょう? たとえば、僕の動画でも再生数が7万回というものもあるのですが、それで落ち込んではいけないなと思っていて。7万人に視聴してもらえたことは、本当にすごいことです。1985年にQUEENが開催した『Live Aid』は、観客数が7万人だったと言われています。

ーーたしかに、7万回再生の動画は『Live Aid』の観客数と同じ規模の人に観てもらえているということなんですね。

ソン・シギョン:そうなんです。だから、公開したMVの再生数が30万回、40万回だったとしても、それを無視してはいけないなと思います。自分のチャンネルで何十万人もの人にアプローチできるのなら、テレビで歌うのと同じぐらいの影響が生まれるわけですからね。YouTubeでは、とにかくいいコンテンツを作って発信していくことが大事だと思っています。

自身プロデュースのマッコリは韓国で爆発的人気「いつかぜひ日本でも」

ーーちなみに、10月頭には日本のファン向けの専用Instagramも開設されましたよね。これはなぜ始めようと思ったのですか?

ソン・シギョン:日本のスタッフさんに「やってください」と言われたからです(笑)。日本のファンに日々の想いや私生活の一部、日本で訪れた場所、美味しかったお店などを、日本語で伝える発信する場所として新たに始めました。日本に僕のファンがどれぐらいいらっしゃるかも気になりますしね。(スマートフォンを見て)今はフォロワー数が4168人(10月11日時点)ですね。Instagramも頑張らないと。

ーーそろそろ年末に差し掛かってきたので、シギョンさんの来年の活動計画についてもお聞きしたいです。

ソン・シギョン:僕はとにかく目の前のことだけを考えるタイプなので、来年の日本での計画は明確には立てていません。今は、12月に開催する日本での年末コンサートを、成功させてそこから新しい何かが始まればいいなと考えています。おそらく、2025年もいい音楽を作って、日本でアルバムを出して、大なり小なりツアーをやると思います。逆に言えば、来年の活動として考えていることはそれくらいなんです。でも、来年はどこかで機会があれば、僕が作ったマッコリ「璄濁酒(キョンタクジュ)12度」を日本に持っていきたいですね。20回以上も試作を繰り返して、本当にいいお酒が完成したので(笑)。

ーーシギョンさんのマッコリは、韓国で大人気のようですね。オンラインストアでは即日完売が相次いだという記事も拝見しました。

ソン・シギョン:ありがたいことに韓国ではたくさんの方に買っていただいて、10月末に増産することが決まりました。僕はもう歌を歌わなくても、マッコリの売り上げだけで生活できるんじゃないかな(笑)。それはまあ冗談ですけれども、なぜ僕のマッコリを日本で発売したいかというと、日本で暮らす方々に韓国のマッコリのおいしさをもっと知ってもらえたらいいなと思ったからです。先日、日本のお店でマッコリを飲んだのですが、値段がものすごく高いうえに、韓国のマッコリとは全然味が違っていて残念に感じたことがありました。僕のマッコリは、日本の方々も好きな味に仕上がっていると思います。本当に自信があるので、いつかぜひ日本でも発売できたらいいな、と。

ーーシギョンさんのプロデュースされたマッコリ、早く飲んでみたいです。

ソン・シギョン:もしかしたら、日本では僕のコンサートよりもマッコリのほうが売れるんじゃない(笑)?

ーー(笑)。

ソン・シギョン:僕はマッコリが先に売れるのでもいいと思ってるんですよ、「このマッコリを作った人の本業は歌手なんだって!」というふうに宣伝できるじゃないですか。できれば、歌手としての僕が有名になったあとにマッコリが売れてくれるのが理想ですけどね(笑)。でも、僕は歌には本当に自信がありますから。ほかのコンテンツが先に売れても、しっかりと歌で魅せることができるから問題ありません。日本では、なんでも挑戦してみたい気持ちでいっぱいです。

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