韓国国民的歌手 ソン・シギョン「日本でイチから挑戦してみたい」 海外活動の真意と年末コンサートを語る

 落ち着きのある甘いルックスと、心にじんわりと沁みわたる深みのある歌声で、多数のヒット曲を生み出してきた、韓国の国民的歌手 ソン・シギョン。「バラードの皇帝」「鼓膜彼氏」「韓ドラOSTの帝王」など数々の異名を持つ彼が今年、12月11日と12日に立川ステージガーデンで、年末コンサート『2024ソン・シギョン年末コンサート〈SUNG SI KYUNG〉 in Japan』を開催する。

 韓国で毎年のように開催してきた年末コンサートを、なぜ日本でも開催することに決めたのか。また、『こんなに君を』をリリースした昨年11月から今日まで、日本での活動、韓国での活動を通して何を思い、どのようなことを感じてきたのか。ソン・シギョンならではの深い内省に満ちた言葉で、たっぷりと語ってくれた。(市岡光子)

日本での活動をもっと積極的にやっていきたい

ーーソン・シギョンさんは昨年11月、キングレコード移籍後初となるミニアルバム『こんなに君を』をリリースされました。

ソン・シギョン:『こんなに君を』では、久しぶりに日本でオリジナル曲を発表することができ、意味のある作品になりました。でも、これに満足せず、これからも頑張って作品をリリースし続けたいと思っています。『こんなに君を』も含めて、これまでは韓国で作った楽曲を日本に持ってきましたが、これからは日本のプロデューサーと組んで作品作りをしたいと思っていて。今、どなたにプロデュースをお願いできそうか、キングレコードのスタッフさんといろいろと考えているところです。

ーー日本のプロデューサーと組もうと考えたのは、どうしてですか?

ソン・シギョン:日本で歌を歌うのなら、韓国で日本市場向けの曲を作るというスタイルは難しいように感じたからです。日本のファンに共感いただく曲を作るにはは、やはり日本のプロデューサーのほうが詳しい。僕の声に興味を持ってくださる方がいて、その方とともにアルバムを作れたら、韓国の歌手としてすごく楽しい経験ができるのではないかと思いました。なので、次にリリースするアルバムは、日本のプロデューサーとご一緒した作品にしたいと思っています。

ソン・シギョン「こんなに君を」ハイライトメドレー/SUNG SI KYUNG Highlight Medley

ーー今年4月には、福岡、大阪、東京など6都市を巡る日本ツアー『SUNG SI KYUNG LIVE TOUR 2024』を5年ぶりに開催されました。

ソン・シギョン:今年のツアーは楽しかったですが、体力的にはキツかったですね……。10日間で7公演を詰め込んだので、僕の年齢を考えるとかなりチャレンジングな日程でした。今後はこういう短期決戦でのツアー開催は難しいかもしれませんね。でも、日本の各地を訪れてファンの皆さんとお会いできたことは、とても楽しく新鮮な経験でした。

ーー日本の三大都市圏以外にも、京都や広島などもまわったツアーとなりましたが、開催都市はシギョンさんの意見も反映されているのですか?

ソン・シギョン:実はコンサート企画会社の方からは、東京と大阪だけでツアーを開催することを勧められていたんですね。でも、僕が「京都や福岡、広島、名古屋でもやりたい」と言って、最終的に6都市で会場を手配してもらいました。京都には初めて訪れることができましたし、とても意味のあるツアーになったと思います。

ーーツアーでのお客さんの反応はいかがでしたか?

ソン・シギョン:お客さんの表情まではステージ上からは見えにくく、ステージ上で照明が当たると、舞台に立つ人はひとりで暗闇のなかに浮かんでいるような感じになります。でも、不思議なことに、歌に集中して目を閉じて歌っていても、コンサートがうまくいっているかどうかは体全体で感じられるものです。うまくいっていると、会場全体に僕のエネルギーが流れていく感覚があります。

ーーツアーでは、いいエネルギーの流れを感じられましたか?

ソン・シギョン:そうですね。(現在のコンサート規模から考えると)韓国ではもう開催することがなかなかできない、マイクなしでも後ろまで声が届くような小規模の会場で、歌に集中してコンサートを行うという、歌手としてまたいい経験をすることができています。

韓国では恒例の『年末コンサート』を日本初開催

ーーシギョンさんが韓国で毎年開催している年末コンサートを、今年は12月11日と12日に立川ステージガーデンでも『2024 ソン・シギョン年末コンサート〈SUNG SI KYUNG〉In Japan』と題して開催しますが、なぜ今年は日本でも年末コンサートを開こうと思ったのですか?

ソン・シギョン:日本で開催できるコンサートの規模を、これから少しずつ大きくしていきたいという想いがあります。今回の年末コンサートを成功させることができれば、来年はもう少し大きな規模でコンサートを企画できます、Instagramでの発信やCDリリースなども頑張って、これからさらに大きな舞台に立ってみたいと思っています。

ーー日本での年末コンサートも、恒例行事にしていくのでしょうか?

ソン・シギョン:そうしていきたいですよね。コンサート企画会社とも来年のプランについて話し合いを進めているところです。もし今回のコンサートがうまくいけば、そこからまた新しい何かが始まると思うので、こういうインタビューも含めて、日本での活動をもっと積極的にやっていきたいと思います。

ーー今回の年末コンサートについて、ファンの皆さんにお伝えしたい言葉は何かありますか?

ソン・シギョン:まずは、チケットがたくさんあるのでぜひ会場に遊びにいらしてください、ということでしょうか(笑)。あとは、僕の歌を一度聴きにきていただけたら嬉しいです。歌には自信がありますから。とにかく皆さんによい時間をお届けすることをお約束します。ご興味を持っていただけたら、ぜひいらしてみてください――ということを記事に書いておいてください(笑)。

ーー(笑)。コンサートと言えば、韓国の有名歌手が大勢出演する合同コンサート『2024ソン・シギョン with friends [さあ、今日は]』も、9月7日と8日にソウル・オリンピック公園 体操競技場で開催されましたよね。パク・ジニョン(J․Y․Park)さんなど豪華出演陣が集まったステージでしたが、出演者はすべてシギョンさんが声をかけたのですか?

ソン・シギョン:僕のYouTubeチャンネルで、コロナ禍をきっかけに始めた人気歌手と一緒に歌を歌うコンテンツ「성시경 노래」(「ソン・シギョンの歌」)に出演していただいた歌手の方たちと合同でコンサートを開催した形です。

 今はアイドルの時代で、ソロの歌手は誰かが企画して出演者を集めないと大規模なコンサートを開くことはなかなか難しいので、韓国ではその役回りを僕が担っているのかなと思います。この合同コンサートは3回目の開催になりましたが、出演者も観客も、みんなが喜ぶイベントに成長しました。これからも続いていくイベントになると思います。

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