=LOVE、7周年コンサートで示した8年目への力強い一歩 涙と笑顔で魅せた“アイドル”の姿を振り返る

 =LOVEが、=LOVE 7周年コンサート『=LOVE 7th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』を9月7日、8日に神奈川県・Kアリーナ横浜にて開催した。本記事では2日目の公演の模様をレポートする。

 今年7月にリリースした17thシングル表題曲「絶対アイドル辞めないで」の歌詞が=LOVEのファンだけでなく、様々なアイドルグループのファン層にリーチ。TikTokでの楽曲再生数1.5億回突破、さらにメンバー全員でのYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」での歌唱といったように、「絶対アイドル辞めないで」はグループ全体をさらなるブレイクへと押し上げる推進力となっている。そんな絶好のタイミングで、=LOVEにとって過去最大規模での開催となったKアリーナ横浜公演は、追い風を真っ向から帆で受け止め、8年目へと力強く踏み出すような、「アイドルとは何か?」を考えさせられるコンサートだったように思う。

 大谷映美里はアンコールのMCで「衣装とコンセプトが可愛すぎて早く見せたかった」と話していたが、オープニングブロックでメンバーが着用していた衣装のコンセプトは「魔法少女」。9月10日放送の『DayDay.』(日本テレビ系)に生出演した=LOVE・プロデューサーの指原莉乃が、1年以上前から考えていたコンセプトであったことを明かしている。

『=LOVE 7th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』

 「絶対アイドル辞めないで」で幕を開けると、「アイカツハッピーエンド」「ヒロインズ」「わたし、魔法使い」「お姫様にしてよ!」までの5曲は特にその衣装とコンセプトを強く押し出したライブ冒頭のブロックだ。かぼちゃの馬車をイメージさせる巨大なステージで、メンバーは十人十色、それぞれ個性の異なる“ヒロインズ”であり続ける。佐々木舞香の「秘密の話があるんだけど、わたし、魔法使いなんだ」という囁き声から、メンバーは「わたし、魔法使い」でハート型ペンライトを持って登場。選曲、衣装、ハート型ペンライトが見事にマッチしていただけでなく、終盤の銀テープの特効がメンバー一人ひとりの動きに合わせつつズレながら飛んでいたのも、メンバーそれぞれが魔法をかけているということを視覚化したこだわりを感じさせる演出だった。

 先の魔法少女ブロックが終わった後の2曲は、いわゆる日替わり曲。初日の「24/7」「お姉さんじゃダメですか?」に対して、2日目では「知らんけど」と、齋藤樹愛羅がセンターを務める「セノビーインラブ」が披露された。特に「知らんけど」は野口衣織の「可愛いだけかは知らんけど」というセリフが示す通りに、佐々木、諸橋沙夏とのユニット曲であり、妖艶かつ和洋折衷な雰囲気が前後のブロックを引き立てる役割を担っていたように思う。

 諸橋と齋藤が、“クロシマ”くんことシロクマくんによる「さなきあクッキング」の幕間映像での“可愛い警報”発令後、メンバーは猫に扮した衣装で登場。ところどころ歌詞を猫語で歌った「しゅきぴ」を皮切りに、“いきなり妄想ドライブデート”と題して萌ゼリフが炸裂した「『ドライブ デート 都内』」、ありったけのピンクの風船が会場に降り注いだ「Want you!Want you!」(筆者の席の近くの通路が風船で埋もれていたほど)など、あらゆる可愛いで会場を包み込んだのがこの猫ブロックだった。

 周年コンサートでは恒例となっているイコラブバンドはさらにパワーアップして、ビッグバンド編成に。本編のおよそ半分の曲数を生演奏で披露し、さらにそこにはバンド演奏にも負けないメンバー10人の歌声が前面に表れていた。ストリングス隊を迎えての佐々木、野口、諸橋による「ズルいよ ズルいね」は、改めて3人の歌唱力の高さを知らしめるパフォーマンスとなっていた。

 「The 5th」「ようこそ!イコラブ沼」といったビッグバンドと相性のいいサウンドの楽曲や17thシングル『絶対アイドル辞めないで』収録の大場花菜センター楽曲「海とレモンティー」、「夏祭り恋慕う」「この空がトリガー」「青春"サブリミナル"」といった=LOVEにとってのライブチューンまで(「夏祭り恋慕う」では佐々木が野口と唇を近づけるパートで、ファンに向けてひょこっと顔をのぞかせる一幕があった)、多種多様な楽曲が披露されていく中で、一際ファンを驚かせたのが「呪って呪って」での野口のベース演奏である。

 野口がベースを披露したのは今回が初めて。自身のセンター曲であり、ジャジーなナンバーの「呪って呪って」という選曲も見事だが、何よりもベースボーカルとしての堂々としたパフォーマンスが素晴らしかった。グループ活動と並行しての練習は大変だとは思うものの、今後も「呪って呪って」、もしくは他の楽曲でも見せてほしいベース演奏である。

関連記事