S.A.R.×新東京、豊かな音楽を繋いだBillboard Live公演 新進気鋭の2組が繰り広げた無二のグルーヴ
「ナノ・ユニバース」の創立25周年を記念し、ファッションと音楽のクロスオーバーをテーマとしたライブイベント『music from NANO universe』が始動した。その第1弾として、S.A.R.と新東京によるツーマン公演『S.A.R.×新東京 at Billboard Live YOKOHAMA 2024』が、9月10日にBillboard Live YOKOHAMAにて開催。本稿では、2ndステージの模様をレポートする。
まず登場したのは、santa(Vo)、Attie(Gt)、Imu Sam(Gt/MC)、Eno(Ba)、may_chang(Dr)、Taro(Key)からなる6人組オルタナティブクルー S.A.R.。ソウル、HIPHOP、R&Bなどをベースに、メンバーのルーツや嗜好性を反映した楽曲を手掛けている。彼らが生み出す独自のグルーヴは、ほかのライブハウスとはまた違うビルボードライブという非日常的な空間によく似合っていた。
「You be Kool」でライブをスタートさせ、「payrent」「POOL」「guano」と次々に楽曲が披露されていく。santaの伸びやかに響く歌声と、それを引き立てる豊かなバンドサウンドが会場を満たしていった。
MCでは「こんなところで踊ったり騒いだりしちゃいけないと思っていませんか?」とImu Samが冗談交じりに観客を煽る。メンバーの衣装は、「ナノ・ユニバース」なのだという。その後は変則的なビートをドラムが刻み、キーボード、ギター、ベースと音が重なっていって「Kaminari」へ。
「CAP」では、曲が繰り返しのフレーズに入ったところでsantaがクラップを求め、ステージと客席の一体感が増していく。途中、キーボードとボーカルだけになったかと思いきや、終盤にかけてぐっとアンサンブルが盛り上がっていき、そのまま「3AMBLACKCAT」へ繋げるなどライブならではのアレンジも際立っていた。「Cannonball (feat. 寺久保伶矢)」は冒頭、イントロ的にBPMを落として演奏し、音源通りに戻した後はImu Samの力強いラップも炸裂。会場を心地好くあたためて次へとバトンを渡した。