LITTLE TOY’S FACTORY コンピEP『KNOW THE FUTURE』リリース記念イベント ニューカマー5組が未来へ繋げた熱演

 TOY’S FACTORYがインディーズレーベル「LITTLE TOY’S FACTORY」を発足し、第一弾作品として若手アーティスト5組の楽曲を収録したコンピレーションEP『KNOW THE FUTURE』を8月7日に配信リリースした。それを記念したイベントが9月6日に渋谷チェルシーホテルにて行われ、EPに参加したマイナスジジョウ、halogen、メトロワ、まおた、おもかげが出演。未来の音楽シーンでの活躍が期待されるアーティストたちが集ったライブの模様を振り返る。

マイナスジジョウ

 最初に登場したのは、東京都世田谷区発の4人組ロックバンド、マイナスジジョウ。先日、無期限の活動休止を発表した彼女たちにとって、今回は活動休止前最後のライブとなった。

 ラストライブとはいえ、「いつも通り、私たちの爆音で25分やっていきます」と宣言した彼女たち。「甘い追憶」「知らないふり」といった人を想う切なさや苦しさを綴った楽曲が、さとみん(Gt/Vo)の感傷的なボーカルと、それを最大限に引き立てるレンムラオカ(Gt)、おーつか(Ba)、宝(Dr)の瑞々しいアンサンブルによって届けられた。

 最後の曲に入る前、さとみんは「私はまださよならする気は全然ないです」「ずっとずっと、みんなのことを救ってたいです」と呟くように語る。そして、『KNOW THE FUTURE』収録の「グッバイ」へ。最後のリリース作品が別れを意味するものになったのは、意図したわけではなく偶然だったという。一度演奏し切った後、「もう一回やります」と別れを惜しむように再度演奏を繰り返す4人。〈私はバンド好きだったの〉と歌詞をアレンジするさとみんからも、この時間を終わらせたくない気持ちがひしひしと伝わってきた。またこの4人がステージに並ぶ未来があることを願わずにはいられないラストライブだった。

■セットリスト
1.甘い追憶
2.知らないふり
3.しあわせとじかん
4.ムーンサーチライト
5.TIMEOUT
6.グッバイ

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halogen

 続いて、宮城県出身の4人組バンド・halogenがステージイン。彼らは、若手アーティストの登竜門とも言われる10代限定の夏フェス『閃光ライオット』において、2023年・2024年と2年連続でファイナリストに選ばれたことも記憶に新しい。多彩な楽曲群で自分たちの魅力を最大限に届け、会場の一体感を高めた25分間だった。

 「4」で疾走感たっぷりにライブをスタートさせると、加藤颯太(Dr)に続いて佐久間裕一朗(Ba)がリズムを刻み、最後に大槻歩夢(Gt)と小野汀太(Vo/Gt)がギターを重ねて「Masterpiece」へ。そんな4人の息の合ったバンドアンサンブルがオーディエンスの心を掴んでいき、拳を突き上げる人、音に体を揺らす人がフロアにあふれていく。「本日は最後までよろしくお願いします!」と軽く挨拶し、4人の爽やかなバンドアンサンブルが響いた「炎天」では夏の情景が会場に広がった。

 「透明な鎧」に続いて最後に披露されたのは、『KNOW THE FUTURE』収録の「糸電話」。“糸電話”という糸を通じて相手と繋がれるアイテムを題材に、誰かが近くにいることを感じられるような、聴き手に寄り添ってくれるバラードだ。冒頭は静かに始まり、小野の温もりのある歌声が会場を優しく包む。曲が進むにつれて音が厚みを増し、壮大になっていく様子が本当にドラマチックだった。

■セットリスト
1.4
2.Masterpiece
3.炎天
4.透明な鎧
5.糸電話

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メトロワ

 3番手は、2023年結成の4人組バンド、メトロワ。MCで自らを“縁や恋や愛を歌うバンド”と称していたように、今日出会った縁を大切にして未来へ繋げていく気持ちが込められたような、熱いステージを繰り広げた。

 SEが流れるなか、メンバーが一人ずつ丁寧にお辞儀をしながら登場すると、相手への揺るぎない愛情を歌った「Bouquet」でライブはスタート。続く「ありがちな恋愛」では、感傷的なメロディが会場を包み込んだ。

 今回参加したアルバム名は『KNOW THE FUTURE』だが、未来を知るのが怖い時もあると川原采己(Vo/Gt)は語った。そんな時に書いた楽曲だという「アカツキ」は、先の見えないことへの不安、それでも自分を信じて明日へ進む決意が込められているようだった。自分たちに言い聞かせるように、オーディエンスに語り掛けるように、彼らは真っ直ぐな演奏を響かせていく。

 こうして同じ場所に集まったことを「これも縁です」と言い切ると、運命の恋を綴った『KNOW THE FUTURE』収録曲「彼岸花」へ。「これが合ってんのか間違ってんのか、正直分からない」「でも、あなたの前でライブができていることで報われている気がする」と川原が胸の内を明かすと、ずっとバンドを続けていくことを宣言するように、最後は〈この町で息をしていく〉と歌う「東京」でライブを締めくくった。

■セットリスト
1.Bouquet
2.ありがちな恋愛
3.アカツキ
4.彼岸花
5.東京

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