Superfly「Charade」で辿り着いた新境地 Ryo‘LEFTY’Miyataや木﨑賢治も驚愕した楽曲制作の裏側

Superfly 越智志帆インタビュー

Superfly –『Charade』 MV Behind the Scenes (日テレ系ドラ10「マル秘の密子さん」主題歌)

 リアルサウンドでは番組収録を終えた志帆にインタビューをする機会を得た。まずは「Charade」という楽曲に対する率直な感想を聞いてみた。

志帆:こういう曲を自分が作るんだなっていう驚きがありましたね。17年くらい活動してきて、また新しいタイプの曲ができたことがすごく嬉しいし、大きな手応えというか、ここからどうなるんだろうっていうワクワク感もあったりして。ちょっと今までとは感触が違う曲になった気がします。

 ラジオで語られていたエピソードをもっと深掘りもしてみよう。「サビメロと逆の雰囲気を平メロに持ってきた」という発想に至るまでには何かきっかけはあったのだろうか。

志帆:制作にあたってドラマサイドからは“アンビバレンス”という言葉をもらっていました。“全然違うものを組み合わせていく”というコンセプト。それがヒントになったところはありました。私はそもそもそういう違ったものを組み合わせることがすごく好きなんです。今回はそれをやっていいよという許可をいただいたようなものなので、「じゃ行きます!」みたいな感じでしたね(笑)。

 聴き手の予想を裏切る展開を持つ楽曲ながらも、そこに難解さはない。あくまでもポップミュージックとして響かせているのは、Miyataによるアレンジの妙に加え、志帆自身が持っている天性のポピュラリティによる部分が大きいのだろう。

志帆:期待を裏切りつつ、迷路に入ったような脱線をしていきたかったんですけど、同時に複雑すぎる曲にしたくはないという思いもあって。だから自分の頭の中で流れているメロディをしっかり聴いて、「これで合ってるかな?」という作業を丁寧にしていった感じでしたね。イメージとしては抽象的でふわっとした雰囲気が、サビでピタッとタイトでクリアになる感じ。それをアレンジでより際立たせてもらえました。

 ラブソングをモチーフとした歌詞では、人間の本質を見定めることの大事さが紡がれている。そのテーマはドラマの内容とリンクするものだが、図らずも自身が経験した体験も大きく影響を及ぼしているのだという。

志帆:着飾るみたいな意味では、洋服が人間の側(がわ)だと私はずっと思っていたんですけど、去年、身近な人を亡くしてしまったときに、カラダそのものが人間の側であり、魂のような奥底に潜んでいるものこそが人間の本質だということに気づかされたんですよね。そんな発見をした後に、本質というテーマを持った今回のドラマの話をいただいたのでちょっとビックリしてしまって。「私が気づいたことを書いちゃっていいのかな?」っていう気持ちになった。例えば怒りっぽいことを否定してしまっているような人がいたとしたら、怒るっていうのは単なるカラダの反射であり、あなたの本質は怒りっぽくないかもしれないよっていうことに気づいてもらいたいんです。「Charade」は、そういう人に向けた応援歌として書いたつもりです。

 ボーカルに関しても聞こう。平メロでの柔らかな表情と、サビでの力強いボーカルの対比はサウンドと見事なマッチングを見せているし、その豊かな表現力は越智志帆というボーカリストの魅力を最大限に伝えてくれるものだ。だが、「声を張らずに」というドラマサイドからのオーダーは、ある種、Superflyとしての大きな武器を封印されてしまった状況でもあり。それを彼女はどう打破したのか。

志帆:「今回は声を張らないで」って言われてしまいましたから(笑)。とりあえず、キー設定はそんなに高いところへ行かないことをキープしつつ。とは言え、歌唱に関してそこまで気をつけた感じではなかったかもしれないですね。Aメロ、Bメロ、サビの表情が全然違っているので、そのイメージから浮かんでくる声の響きをナチュラルに乗せていった感じです。A、Bは抽象的でふわっとした雰囲気なので、声も少し広いイメージというか。空気が入ったような、空間が広がるような声色を意識して。サビはタイトでロウがしっかりと出るような声色を、サウンドに合わせて出しました。ほんとはね、まず自分が出したい声で歌を録音して、それに合わせてサウンドを作ってもらうやり方にしたいんですよね。今回、それを実践しようと思ったんだけど、風邪を引いてしまってできなかったんです。声も含めたすべてがアンサンブルになっていることが自分の理想なので、そこはこれから挑戦してみたいことですね。

 デビューから丸17年が経ったSuperflyは、20周年が視野に入ってきた今もなお、自身の理想を更新していくための新たなトライをし続けている。だからこそ今回、彼女は圧倒的な革新さを持ち、アーティストとしての可能性を押し広げる楽曲を生み出すことができたのだろう。Superflyの未来が俄然楽しみになってくる、「Charade」はそんな1曲だ。

志帆:木﨑さんやMiyataさんをはじめ、今、一緒にやってくれている方々はものすごくポジティブで、本当に素晴らしい人ばかり。だからこそ私は伸び伸びとやれているんですよね。今後はね、「作るぞ!」って気合いを入れたような曲ではなく、自分の中にあるものを大事にしながら、そこで湧き上がってくるものを作品にしていきたいですね。伸び伸びとやりつつ、でも鋭い楽曲を今後はもっともっと作っていけたらいいなと思います。

■リリース情報
「Charade」(毎週土曜22時放送 日テレ系ドラマ『マル秘の密子さん』主題歌)
配信中
https://superfly.lnk.to/Charade

『Ride the Wave ~Live & Documentary~』
2024年11月27日(水)リリース
¥13,980(税込)※BD/DVD共通
Blu-ray:UMXK-1118/DVD:UMBK-1330
予約:https://superfly.lnk.to/RideTheWave

【Blu-ray】3枚組
DISC-1:Superfly Arena Tour 2024 “Heat Wave”
DISC-2:Documentary of “Ride the Wave”
DISC-3:Superfly Live at Studio “Sing Together” / Superfly Online Live “うぶ声” / Music Video Collection(「Voice」「ダイナマイト」「Presence」「Farewell」「Farewell(Gospel Ver.)」「春はグラデーション」「Ashes」「Charade」)
Photo Book

【DVD】4枚組
DISC-1:Superfly Arena Tour 2024 “Heat Wave” ①
DISC-2:Superfly Arena Tour 2024 “Heat Wave” ②
DISC-3:Documentary of “Ride the Wave”
DISC-4:Superfly Live at Studio “Sing Together” / Superfly Online Live “うぶ声” / Music Video Collection(「Voice」「ダイナマイト」「Presence」「Farewell」「Farewell(Gospel Ver.)」「春はグラデーション」「Ashes」「Charade」)
Photo Book

<各CDショップ特典>
・Superfly Official Fanclub “Superconnection”
・Amazon.co.jp
・HMV:ポストカード
・セブンネットショッピング
・タワーレコード
・TSUTAYA RECORDS
・UNIVERSAL MUSIC STORE
・楽天ブックス
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※ファンクラブ特典/各CDショップ特典の詳細は後日発表。
※チェーン毎に特典絵柄が異なる。
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