Argonavis、JAXX/JAXX、ギヴン……リアルライブにも定評、コンテンツ発ボーイズバンドは実力派が勢揃い

 『FUJI ROCK FESTIVAL』、『SUMMER SONIC』、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』といった三大フェスを終えてもなお、今年も日本全国の夏フェスが9月に入っても開催されている。バンドのみならずシンガーソングライターやダンスボーカルグループ、アイドル、海外のアーティストまで様々なタイプの“音楽”をその場で浴び、普段は触れないアーティストにも出会うことのできる機会。『SUMMER SONIC』の東京会場と同じ敷地内にある幕張メッセ イベントホールでは、フェスとは無関係ではあったがスマートフォン向けゲームアプリ『Tokyo 7th シスターズ』の大型ライブ『Tokyo 7th Sisters LIVE DIVE TO YOUR SKY!!』が開催され、『SUMMER SONIC』に来ていた観客も「なんだろう?」とエントランス前で様子を窺っていた姿が印象的だった。

 昨今、アニメコンテンツの音楽フェスも好調でもあるが、オタクの筆者としては二次元コンテンツのバンドも夏フェスに登場したら面白いのになあ、と思ってしまう。最近では『numan(ヌーマン)』の読者が選ぶ「夏フェスに出場してほしいキャラTOP10」(※1)が発表され、1位に『UniteUp!』のバンド・JAXX/JAXX、2位には『from ARGONAVIS』のArgonavisが選出されるなど、二次元コンテンツの男性バンドの人気が高いという結果に。今回は、二次元コンテンツではありながら、三次元=リアルでのライブも観たいバンドを紹介したい。

JAXX/JAXX(『UniteUp!』)

 去る8月28日、コンテンツ内の3ユニットそれぞれの単独ライブの開催が発表になった多次元アイドルプロジェクト『UniteUp!』。単独ライブ開催の先陣を切るのが、先ほどの「夏フェスに出場してほしいキャラ」ランキングの1位を獲得したJAXX/JAXXだ。『UniteUp!』では唯一のバンドである彼ら。音楽をやるために上京してきた春賀楽翔(CV:masa)を中心に、もともとはPopping Zooというアイドルグループとして活動をしてきた桂ほまれ(CV:下前祐貴)、香椎一澄(CV:馬越琢己)、若桜潤(CV:坪倉康晴)、森ノ宮奏太(CV:高本学)でバンドを結成。sMiLeaプロダクション所属のバンドアイドルとして全国ツアーを開催するなど物語の中で精力的に活動している彼らだが、その楽曲のプロデュースは楽翔を演じるシンガーソングライターのmasa、そして『ハイキュー!!』のOP「ヒカリアレ」などでも知られるBURNOUT SYNDROMESの熊谷和海が手掛けている。劇中のライブでもリアルライブでも実際にバンドの演奏でもオーディエンスを盛り上げる、まさに二次元と三次元を繋ぐバンドだ。

JAXX/JAXX - STORM's EYE

 配信リリースされたばかりの最新曲「どうにでもなれ!」は疾走感あるギターロックが光る一曲。、アニメの挿入歌でJAXX/JAXXの存在を知らしめた名曲「STORM's EYE」など、彼らの生み出す音楽はとてもライブユースだ。11月2日に開催される初単独ライブへの期待も高まる今、ぜひ注目してもらいたいバンドアイドルである。

ギヴン/syh(『ギヴン』)

 続いて紹介するのは、今年アニメ放送開始5周年を迎え、9月20日から2部作の後編となる劇場版が公開となるアニメ『ギヴン』に登場するバンドから、ギヴン、そしてsyhだ。2013年から連載が開始されたキヅナツキによるコミック『ギヴン』は、ロックバンドのメンバーたちを中心とした青春群像劇。高校生にして優れたギターの腕前を持つ上ノ山立夏(CV:内田雄馬)が高校で佐藤真冬(CV:矢野奨吾)と出会ったことから物語は幕を開ける。音楽とともに駆け抜けていくそのストーリーのように疾走するエモーショナルで琴線に触れるメロディを持つロックンロールが印象的なギヴン。バンドの楽曲の作詞、作曲、編曲を含めたサウンドディレクションをセンチミリメンタルが担当し、彼のプロデュースでギヴンのボーカリスト・真冬を演じる矢野が歌う。「夜が明ける」はスクリーンから流れ出した瞬間に鳥肌が立つような初期衝動を感じたが、聴く者の心を動かす真冬のボーカルはもしフェスのステージに立ったとしても、やはり多くの観客との“出会い”の瞬間となることだろう。

「映画 ギヴン 」大ヒット上映中PVー「夜が明ける」ー

 同じく『ギヴン』に登場するバンド・syh。劇場版『ギヴン』は2部作であり、前編の『柊mix』、後編の『海へ』の2作で構成されているが、その『柊mix』で本格的に登場するギヴンのライバルバンドであり、真冬の幼馴染・鹿島柊(CV:今井文也)と八木玄純(CV:坂泰斗)、そして立夏がサポートギターを務めるバンドがsyhだ。ギヴンよりも先にデビューを掴んだ彼らのサウンドは、エッジの効いたストレートなロックンロールを持ち味としている。劇中歌である「パレイド」は、突き抜けるサウンドが夏の青空へと広がっていく様が想像できる一曲だ。同じく「ストレイト」も、高校生バンドの瑞々しさが怒涛のように押し寄せるアッパーロック。ライブハウスに立つ姿から野外ステージのライブまでも想像させ、物語の中でこの2バンドが切磋琢磨する日常に自分も立っていたい、と思わせられる。この2バンドも必聴だ。

syh『パレイド』- Music Video-(Short ver.)

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