稲垣吾郎、草彅剛&香取慎吾……新しい地図から久しぶりに届いた新曲2曲は“未来”への歌に

“しんつよ”と上野樹里&和田唱夫妻が誘う、再び手を繋げる「眩しい未来」

 なかなか人に会うことが叶わなかったコロナ禍を思い返すと、当時はよく「また会えるようになったら、ぜひ」といったやりとりが多く交わされていた。だが、徐々に動き出した世界のなかでその「いつか」がなかなかこないということも少なくない。そうした緩やかな約束を実現できるのも、縁という不思議な引き合わせがあってこそなのだろう。稲垣とTENDREの関係性に続いて、SingTuyoの新曲「眩しい未来」もそうした縁を感じさせる一曲だ。

 「眩しい未来」の作詞を手掛けたのは上野樹里、作編曲は和田唱(TRICERATOPS)だ。上野は香取と2016年に日曜劇場『家族ノカタチ』(TBS系)で共演。2016年といえば、SMAPの解散で日本中に激震が走った年だった。連日、報道陣に追われ、さまざまな憶測が飛び交い、香取も「さすがの“慎吾ちゃん”もね、ちょっとぐったりはしてたと思う」(※1)と振り返って語るほど。そんなときに、明るい上野の存在に助けられたと、香取が2023年秋にゲスト出演した上野のラジオ番組『Juri’s Favorite Note』で話していたことを思い出す。

 同番組で「またこうやってテレビに出て共演できるのはいつかなって思って、待ってるんですけどね」と、香取との共演を待ち望んでいた上野。さらに「私もいつか歌を歌えるようになったら、一緒に歌いたい」と音楽面でのコラボも熱望していたことから、今回の楽曲提供は、まさに満を持してといったところだ。

 一方、作編曲を手掛けた和田は、草彅にとって「ギターの師匠」と呼べる存在。草彅が2022年夏に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催した『草彅剛のはっぴょう会 2~Neo Vintage~』にも駆けつけ、ステージを盛り上げたことも記憶に新しい。また、上野が稲垣のラジオ『THE TRAD』に出演した際には、草彅が和田に「ギターがほしいんだけど、どこに行けばいいかな」と電話をしてきたエピソードも披露している。和田が電話口でお店を紹介したところ、草彅から「今からいっしょに来てくれませんか」とお願いをしたというやりとりがあったそう。そして、和田がオススメしたギターを即決したのだという。

 草彅も香取もよく知る上野だからこそ、「眩しい未来」の歌詞にも彼らにちなんだフレーズがいくつも見受けられる。服好きでありアーティストでもある“慎吾ちゃん”が歌うパートには、〈新しい服でキメて〉〈カラフルに彩りたい、今日も。〉と香取の自己紹介かと思うような言葉が並ぶ。続く草彅のパートにも、〈古いギター抱えてさ/ジーンズはこれでいいかな?〉とギターとデニムを愛する草彅らしさがにじみ出る。そして、草彅がアコースティックギターをかき鳴らし、香取がアイドルスマイル全開で〈Hey!! Hey!!〉とコール&レスポンスを促すパフォーマンスもまたSingTuyoならでは。

 2人が歌う「眩しい未来」を聴いた瞬間、パッと視界が明るくなったかのように感じられた。それは、爽やかなサウンドが夏の熱い太陽の日差しを想像させるだけでなく、彼らがずっと浴び続けてきたステージ上のスポットライトのことでもあり、そして人々の願いを集めてどんなときも日本を照らしてきた彼らの力を感じさせるからかもしれない。コロナ禍が明けても暗いニュースは尽きないし、もはやそんな〈非常事態の毎日〉がこれからのデフォルトなのかもしれない。それでも〈手を繋いで 唄おう〉と呼びかけ、〈僕には見えるんだ/君の眩しい未来が〉と、お互いに励まし合って進んでいく。そんな優しい世界を諦めない、そんな未来への希望の光が見えるような曲だ。

※1:https://realsound.jp/2023/09/post-1428319_2.html

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