筒井あやめ&池田瑛紗、“先輩”として未来を形作る意識 乃木坂46の入り口になるべく重ねた成長

 乃木坂46が36枚目となるシングル『チートデイ』を8月21日にリリースした。表題曲は夏にぴったりな疾走感溢れる1曲でありながら、ラップ調の歌唱やセンター・井上和によるセリフ調な歌詞も散りばめられるなど新しい要素も満載。フロントメンバーには5期生が3人並び、本作で久々に選抜復帰を果たすメンバーもいるなど、フォーメーションも話題になっている。カップリングにはアニメ『ATRI -My Dear Moments-』(TOKYO MXほか)オープニングテーマ「あの光」、アンダー曲「落とし物」、5期生曲「熱狂の捌け口」に加えて、『乃木坂工事中』(テレビ東京系)の企画「新軍団ドラフトバトル」から生まれた3つの軍団メンバーが歌唱する「君にDitto」「懐かない仔猫」「Keep in touch」が収録。充実のシングルについてや、14年目に突入したグループのこれからに至るまで、4期生・筒井あやめ、5期生・池田瑛紗に話を聞いた。(編集部)

【オリジナル動画】筒井あやめ&池田瑛紗、お互いの眩しすぎた瞬間

【ポンって飛び出してきて…!】乃木坂46 筒井あやめ&池田瑛紗、お互いの眩しすぎた瞬間

セラミュ、アンダーセンター……2人が重ねた大きな経験

──まずはおふたりの近況についてお話を聞かせてください。池田さんはこの春、初めての舞台となる『乃木坂46“5期生”版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2024』(以下、『セラミュ』)に出演しました。

池田瑛紗(以下、池田):今年前半の中でも、特に5期生全員で集中して取り組んだ活動で、最近の5期生を語る上では欠かせないトピックかなと思います。稽古が始まってから舞台の千秋楽まで約2カ月ありましたが、アイドルのお仕事を始めてからここまでひとつのことに集中して取り組むことができたのはすごく貴重でしたし、そうした期間を通じて私やほかのメンバーそれぞれ成長を感じることもできました。

 特に5期生にとってこれが初めての舞台だったので、最初は稽古のテンポに慣れるまですごく苦労したんですけど、共演者の方やスタッフさんとしっかりコミュニケーションが取れるようになってからはすごく楽しくなって。徐々に「もう稽古が終わる、次から本番だよ! この時間が終わらないでほしい!」っていう気持ちになっていました。

──池田さんはセーラーヴィーナス役でしたが、すごく似合っていましたし、舞台での佇まい含め板についていると思いました。

池田:嬉しい! ありがとうございます。私はTeam MOON(出演メンバーは井上和、小川彩、岡本姫奈、五百城茉央、池田)だったんですが、Team STAR(出演メンバーは菅原咲月、中西アルノ、一ノ瀬美空、冨里奈央、川﨑桜)とそれぞれ12公演ずつありましたが、千秋楽のときは本当に終わらないでほしいと思いながら、名残惜しい気持ちで取り組んでいました。それくらい、この経験を通じて舞台のお仕事の楽しさを知れたので、もしまた次の機会があったらさらに前向きに取り組みたいなと思っています。

──5期生は加入からすでに2年半近く経ちましたが、まだまだ新しいことにチャレンジできるんだっていう、いいきっかけになりましたよね。

池田:そうですね。私の知らない世界がまだこんなにもあるんだと気づかされましたし、だからこそもっといろいろ知りたいって思いました。

──筒井さんはやはり、前作『チャンスは平等』でアンダーライブを経験したことが大きかったのかなと思います。

筒井あやめ(以下、筒井):そうですね、初めてのアンダーライブ参加でしたし。

──アンダーライブのMCでは「この期間で大きく変わることができた」とおっしゃっていましたが。

筒井:だいぶ変わったと思います。個人的にも自分を変えたい、変わりたいと思っていた時期で、そんなタイミングにアンダーセンターというポジションをいただけたのですが、それをどうしたら自分にとってプラスの経験にできるのかなって、始まる前はすごくドキドキしていたんです。だけど、アンダーライブ自体はずっと観ていたからあの熱いステージに立てることへのワクワク感もあって、いざ始まるととにかく楽しくて。このライブでは私ひとりで喋るパートがあって、そこで自分の気持ちを素直に伝えることになるんですが、特に私は今まで自分の思いとか気持ちを積極的に発信してこなかったので、そこでようやく言えたっていうのが、自分の中で一番大きく成長できたポイントだと思います。

──ブログなど文字で伝えるのと実際に声に出して伝えるのとでは、全然違いますものね。客席から観ていたときと比べて、実際にステージに立ってみるとどんな違いを感じましたか?

筒井:客席から観て感じ取った熱量と、自分がステージに立って感じた熱は同じだなと思いました。ただ、私たちの熱が大きくなればなるほど、ファンの方にもそれがどんどん伝わるっていうのは今回改めて知ることができたので、その気持ちを忘れずにこれからのライブにも臨んでいきたいです。

筒井あやめ

──それぞれ大きな出来事を経て、7月20日からは毎年夏恒例となった『真夏の全国ツアー2024』が始まりました。この取材時点では大阪公演が終了していますが、この2公演の手応えはいかがでしたか?

池田:私にとってドームツアーはこれが初めてなので、まず最初にステージから観たその景色にすごく鳥肌が立ちましたし、1曲目からお客さんが盛大に盛り上がってくださったので「ああ、私たちのことを待っていてくださったんだな」って感動しました。

筒井:初日ってどうしても緊張してしまいがちなんですけど、今年は最初からみんな楽しもうとしているなと感じて。もちろん、それぞれ不安なことはあったと思うんですけど、それ以上に楽しさが勝ってライブをしていることが伝わりました。3期生さんから5期生までで臨むツアーはこれが2回目ですけど、去年以上に仲が深まっていることも感じますし、期を超えて楽しむことができています。

──今おっしゃったように昨年の『真夏の全国ツアー2023』は現体制で初めて行ったツアーで、1期生や2期生がいなくなったことに対する不安もあったと思います。

筒井:私たち4期生にとっても今までとは全く違う感覚で、去年はすごい不安だった記憶があります。と同時に、先輩に甘えてばかりじゃダメだっていう気持ちとか、5期生は5期生なりにいろんなプレッシャーや不安もあったと思うんです。そこを乗り越えたからこその今年なので、より楽しもうという気持ちが強くなったのかもしれません。

池田:5期生も先輩方がそれぞれ抱えていらっしゃるそういう不安を、背中を見てすごく感じていたので、私たち一番下がしっかりしたらそれだけ先輩方も楽になるかなって思いながら、それぞれ自分にできることをやっていたのが去年の印象。今年は「もっと5期生が乃木坂46の力になりたい」っていう気持ちが強まっています。このあとには6期生も入ってくるので、そういう意味でも乃木坂の未来につながるライブを作っていきたいです。

池田瑛紗

「“今年の夏は一味違うぞ”みたいな気合いを感じてほしい」(池田)

──このツアーの最中に36枚目シングル『チートデイ』が発売され、表題曲で筒井さんは選抜復帰を果たし、池田さんは初めてフロントに立ちます。

筒井:私は前作の35枚目シングルの期間で大きく成長できたと感じていたけど、今回はこのポジションでどうグループの力になればいいんだろうってことをまず考えました。でも、最初はその答えがなかなか見つからなくて……。ただ制作が進んでいくうちに、フロントに立ってくれている5期生を支えられる立場になりたいなと思うようになって。そこを固めていくことで、以前とはまた違った輝き方ができるんじゃないかと思っています。

──初めてこの曲を聴いたときは、どういう印象を持ちましたか?

池田:まず最初に目に飛び込んでくるのが「チートデイ」っていうタイトルなのかなと思います。実際に聴く前は「どんな曲なんだろう?」って気になりましたし、そこはファンの方や乃木坂46のことを知ってくださっている方なら一緒かなと思うんです。実際に聴いてみるとすごく爽やかで乃木坂46のいい部分が凝縮された、「これぞ王道の夏曲だ!」と瞬時に思いました。

筒井:私は最初に聴いたとき、〈「ごめんなさい」〉(井上によるセリフ)の印象が強すぎて。途中でしたけど最初まで戻って、もう1回〈「ごめんなさい」〉を聴いて(笑)。それくらいインパクトがあって、しかもラップ調で始まったりと、王道な夏曲の中にも新たな乃木坂46らしさが見える新しいタイプの曲だなと思いました。

乃木坂46『チートデイ』

──では、そういった楽曲を実際にパフォーマンスする際に意識していることは?

池田:振り付けもすごくキャッチーだし、リズムに合わせて体を動かすことで得られる開放感が強いので、そういう部分を楽しみながらパフォーマンスしています。

筒井:すごく可愛らしい振り付けなので、私も好きです。パフォーマンス中、メンバーと目を合わせるパートもたくさんあるので、そういうところでより楽しもうと思いながら踊っています。

──7月末に、大阪公演のライブ映像がYouTubeで期間限定公開されていましたが、あの映像からも「これぞ乃木坂46の夏」という華やかさと楽しさが伝わってきました。おふたりの思う、この曲の注目ポイントはどういったところですか?

池田:やっぱりラップパートから始まるのが、乃木坂46では珍しいなと思います。「今年の夏は一味違うぞ」みたいな気合いを、そういう曲の冒頭から感じてほしいです。

筒井:やっぱりフロントの5期生が本当に可愛いので、落ちサビで3人(井上、池田、小川)の歌割りがあるところは見どころだと思いますし、そこから和ちゃんの〈「ごめんなさい」〉へと続いていく流れが本当に大好きです。

池田:あのセリフのパートはライブでもすごく盛り上がりましたものね。

筒井:そうなんです。(取材時点では)まだ大阪公演でしか披露していませんけど、今後披露する機会を重ねていくことでさらに盛り上がるんじゃないかなと思いますし、ファンの皆さんもそこで一気に弾けてほしいです(笑)。

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