Number_i「INZM」がかっこいい理由 “自分たち3人の物語”が描かれた楽曲&MV徹底考察
リリース当日にはMVも公開されたので、あわせて見ていきたい。冒頭、雨の降るなかで傘を差す平野と岸。その前に、荷物を手にした神宮寺が駆け寄る。続いて「3PLAYERS」「PRESS START」といった選択画面が表示され、ここがゲームの世界であることが示唆される。敵に追われながら、3人は3つのラウンドをこなすが、4つ目のステージでゲームオーバーになってしまう。
1分30秒、曲のビート感が変わるあたりからMVで描かれるのは現実世界でのシーンと思われるが、岸が首元のタトゥー(先述のインスタライブで神宮寺は「ライフポイント」と呼んでいた)が残っていることに気づいたのをきっかけに、3人は再びゲームの世界へ。光る石のようなものを見つけ、何やら攻略法を編み出した様子の3人は最終的にバイクに乗って走り抜けていき、冒頭のシーンに登場した荷物を送り届けることに成功する。
荷物を受け取ったのは現実世界の神宮寺で、中に入っていたのはゲーム機だ。そこから3人はゲームを始め、テレビ画面にはMV冒頭のシーンが映し出される。そして、また最初に戻る――というのが、筆者が解釈しているMVのストーリーである。
「INZM」のMVでは、ゲームと現実の世界が交差している。とは言っても、現実の世界もいわばゲームのようなものだ。新しいことに挑戦する時には何かと壁が立ちふさがるし、進むのを阻止しようとする人も現れる。夢が大きければ大きいほど試練も増えるはずだ。それらを繰り返し乗り越えてこそ、理想とする場所に近づける。ゲームと現実の二軸、最後から最初へ戻るように展開されるMVからは、そんなことを考えさせられる。
ゲームオーバーに見えたって、終わりではない。彼らが「GOAT」で〈何回だって立ち上がって〉と歌ったように、何度でも挑むことはできるのだ。MVで描かれているのは、そうやって今まさに挑戦を重ねているNumber_iの姿のように思う。
MVには盆栽(=「BON」)のオブジェや、「GOAT」と同じくスピーカーのボリュームを上げるシーンも見受けられる。また、歌詞にも〈ナンバリングは0から〉(=『No.O -ring-』)、〈繰り上がって123 To Goat〉など、過去のリリース作品との繋がりが感じられる箇所がある。
「INZM」は、「GOAT」「BON」に続くNumber_i自身の物語なのだ。今の自分たちが表現されているから、彼らの作品はかっこいい。
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