BE:FIRST、東京ドーム公演配信から伝わる“ライブの強さ” グループ入門編にも最適?

 例えば、冒頭からメンバーのキャラクターを掴みやすい。まず、学生に扮したメンバーたちが一人ずつ登場するオープニングムービーからスタートするのだが、それぞれのキャラクターがイメージとしてわかりやすく表現されている。MANATOは時間ギリギリに起床して遅刻気味で家を出発している一方、JUNONはお金持ち設定なのか車で送迎してもらっている。LEOは目に見えないほど俊敏に廊下を駆け抜けて爽やかにクラスに入り、RYUHEIは朝から教室で居眠りをしており、夢を見ていたのか寝ぼけている様子。RYOKIは豪快にバスケットをしており、『SLAM DUNK』の桜木花道にそっくり。SOTAはいろいろな競技のトロフィーやメダルを持って飄々としている。SHUNTOはロリポップを舐めながらやんちゃな感じでRYOKIとSOTAを引っ張っていく……という設定だ。

 そこから場面が変わってBE:FIRSTの活動を収めたVTRが流れ、「Gifted.」からライブ本編へとつながっていく。そこからは、彼らのパフォーマンスがたっぷりと楽しめる。クオリティの高い歌とラップ、ダンスはファンはもちろん、「BE:FIRSTが気になる」人が見ても楽しめるはずだ。例えばオープニングパートでは、たっぷり間を取って惹きつけてから一気にぶちかましていく場面が度々あり、否が応でもステージに釘付けになってしまう。ドローンを使ったカメラワークも素晴らしく、見ているだけでも高揚感があるのではないだろうか。またMANATO、RYUHEI、JUNON、LEOのユニット曲「Softly」ではスタンドマイクでのパフォーマンス。歌だけでも会場を魅了できることを証明している。かと思えばSOTA、SHUNTO、RYOKIのユニット曲「Spin!」ではこの3人以外のメンバーがバギーを運転し、7人全員で会場を駆け巡るという賑やかなパフォーマンスを披露。その他にもムービングステージを用いたり、カメラに歌いかけてみたり。クオリティはもちろん、見せ方のバリエーションも多く、あっという間に時間が過ぎ去っていくはずだ。

 そのテンポ感を損なわないよう、MCが最低限の分量で構成されているのも見やすさにつながっているはずだ。その代わりにVCRが所々で挟まっており、7人のワチャワチャする姿も見ることができる。さらにVCRからライブ再開までの流れも完璧。この流れのスムースさ、美しさからも彼らの真骨頂はライブにあることがわかる。

 ファンにとっても、初見のリスナーにとっても、このライブは間違いなく傑作だ。しかしそれで終わりではなく、その先の景色があることも容易に想像できる内容になっている。SKY-HIが語った「『ドームに立ててよかったね(泣)』という『ドームが最高到達点』に見えることは絶対に避けなくてはいけませんでした」という言葉がまさに具現化されていた公演であったことは間違いない。まだ視聴していない方は、一見の価値あり。J-POPシーンに新しい風を吹かせている7人の大切な“通過点”に刮目してみてほしい。

※1:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00592/00114/

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