奥田民生、宮本浩次、吉川晃司……バンドやユニット活動と並行したソロ活動の充実

 奥田民生がソロ活動30周年記念ライブの開催を発表した。このニュースは、彼の長い音楽キャリアを祝う重要な節目として多くのファンが待ち望んでいたものだ。2024年は、奥田民生のソロ活動30周年の他にも宮本浩次がソロ活動5周年、そして吉川晃司が歌手活動40周年を迎え、それぞれが記念ライブやツアーを開催。この3人のアーティストたちは、バンド活動やユニットでの活動を経ながら、長年にわたって一人のアーティストとして音楽業界を牽引してきた実力派。そんな彼らのアニバーサリーイヤーは、長いキャリアを総括しながら今後の新たな活動の幕開けを宣言する特別なものになるはずだ。

 奥田民生は、今年10月26日と27日に東京・両国国技館で『ソロ30周年記念ライブ「59-60」』を開催することが決まっている。1986年に結成されたユニコーンのフロントマンとして、翌年1987年にバンドとしてメジャーデビューした奥田。1993年に7年間のユニコーンとしての活動に一度終止符を打つと、1994年10月にシングル『愛のために』をリリースしてソロ活動を本格始動。それから30年、ユニコーンの再結成も経ながらソロ活動を続け、気づけばユニコーンの活動期間をはるかに凌ぐ長さのソロキャリアとなった。今回のソロ活動30周年記念ライブが開催される両国国技館公演では、この会場ならではの特別な演出が予定されているという。そして、このライブタイトル『59-60』は、奥田が30年前にリリースしたアルバム『29』『30』にちなんでおり、2024年10月時点の59歳から2025年に迎える60歳へのアニバーサリーを意味し、なんとも奥田らしい粋なタイトルである。

 ライブ1日目は『ひとり股旅スペシャル@両国国技館』として奥田が一人でギターと歌を披露する予定。シンプルながらも奥田の音楽の本質を楽しめる贅沢な構成となっている。一方、2日目は30年前のバンドメンバーである古田たかし(Dr)、根岸孝旨(Ba)、長田進(Gt)、斎藤有太(Key)らからなるバンド・GOZによる『GOZ LIVE AT RYOGOKU KOKUGIKAN』と題され、初日とは異なる内容のライブが展開される。この30周年記念ライブでは、これまでのヒット曲を網羅しつつ、新しい楽曲も披露される集大成的な内容も期待されている。これまで応援し続けてきたファンだけでなく、最近奥田の楽曲に触れた新たなファンにとっても忘れられない一夜となるだろう。

 エレファントカシマシのフロントマンである宮本浩次は、ソロアーティストとして2024年6月12日に神奈川・ぴあアリーナMMで『宮本浩次 五周年記念 birthday concert GO!』を開催した。2019年にソロプロジェクトを開始した宮本。これまで2枚のソロアルバムに加えて多くのカバー楽曲のリリースやソロツアーの開催など、この5年間をとてつもない熱量で駆け抜けてきた。

宮本浩次-冬の花

 今回の記念ライブでは、キャリアを総括するようなセットリストが組まれ、ソロ活動開始からの瞬く間に過ぎていったこの5年間だけでなく、宮本の揺るぎないバックグラウンドでもあるエレファントカシマシでの長いバンド活動さえもフィードバックするようなステージに。ソロオリジナル楽曲「冬の花」「sha・la・la・la」や積極的に歌謡曲のカバーを続けてきた宮本らしい「Woman “Wの悲劇”より」「異邦人」といった楽曲、そしてエレファントカシマシから「今宵の月のように」「悲しみの果て」などの名曲も惜しげもなく披露されたのだ。サービス精神旺盛なセットリストとエネルギッシュなパフォーマンスでファンとともに大きな節目を祝った宮本。まだまだ彼の情熱は冷めることがなさそうだ。

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