清 竜人25は“今”求められるアイドル? 現代のヒットの条件とも合致するグループの持ち味

 清 竜人率いる一夫多妻制アイドルユニット・清 竜人25が、新体制となってこの夏再始動を果たす。2014年に結成され、2017年に活動終了したいわゆる“第一期”は今思えば決して長い期間ではないのだが、その活動は非常に濃密で、15年にわたる彼のキャリアの中でもとりわけエポックメイキングな出来事だったと言えよう。

清 竜人 - ニューアルバム「MUSIC」予告編

 2009年、19歳でデビューを果たした清 竜人。初期は「痛いよ」などに代表されるどこか内省的な作風の一方、初の楽曲提供となった堀江由衣「インモラリスト」は組曲のような壮大な構成で、キャリアを重ねるごとにイメージを更新するような印象があった。転機と言えるのが2012年、さいたまスーパーアリーナで行われたイベント『EMI ROCKS 2012』に出演した時のこと。いきなり学ランに黒縁メガネで登場すると、演劇パートと未発表の新曲からなるミュージカルのような演目を多数のキャストとともに届け、当時のパブリックイメージを大きく覆した。この路線を踏襲したアルバム『MUSIC』では多彩なゲストとともに新たなポップミュージック像を提示。当時のミュージカルテイストの楽曲やパフォーマンスは、後の清 竜人25ともリンクするものがある。

清 竜人25「Will♡You♡Marry♡Me?」Music Video

 その2年後の2014年、25歳の頃に始動させたのが清 竜人25だ。デビューシングル「Will♡You♡Marry♡Me?」のMVで夫人(=女性メンバー)たちと歌い踊る姿は一見イロモノのようにも思えるが、あくまでもソウルフレーバーを漂わせた楽曲の力でファンを獲得していった印象がある。カップリングの「ラブ♡ボクシング」でファンクチューンを抜群のキレで歌い踊る姿も相まって、初期は岡村靖幸とよく比較され、2014年の早稲田大学の学園祭企画『4限に君とまちあわせ』ではツーマンライブも実現した。

清 竜人25「アバンチュールしようよ♡」

 活動後期になるとトリッキーな外郭の楽曲だけでなく、より洗練されたポップソングも増えていく。特に80年代AOR風の「アバンチュールしようよ♡」は近年のシティポップブームにも連なりそうな佳曲だ。しかし2016年11月、Zepp Tokyoで行われたワンマンライブで初披露した新曲の歌唱中、突如として解散を宣言する。筆者もこのライブを目撃した一人だが、まさかのタイミングでの発表に清家(ファンの呼称)は騒然とした空気となった。翌2017年6月、幕張メッセイベントホールで行われた『清 竜人25 “ラスト♡コンサート”』をもってグループは約3年の活動に幕を下ろした。

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