道重さゆみ・稲場愛香らM-line Music、太陽とシスコムーン……サブスク解禁の今聴きたい楽曲

 高橋愛や道重さゆみ、鈴木愛理などのハロー!プロジェクトのグループを卒業したOGなどが所属するM-line Musicの楽曲と1999年にデビューした4人組グループの太陽とシスコムーンの楽曲が6月7日にサブスク解禁された。これまでハロー!プロジェクトの楽曲はサブスク解禁されておらず、ファンの間ではサブスク解禁を熱望する声が大きかっただけに、今回の発表には喜びの声が相次いでいる。そこで今回はサブスク解禁されたM-line Music、太陽とシスコムーンの楽曲から今聴きたい楽曲を紹介したい。

道重さゆみ「OK!生きまくっちゃえ」

道重さゆみ「OK!生きまくっちゃえ」

 モーニング娘。リーダーとしてグループに貢献し、現在も芸能界に多くのファンを持つ道重さゆみ。彼女の熱狂的なファンとして知られるシンガーソングライターの大森靖子が作詞を担当した「OK!生きまくっちゃえ」は、道重のファンである大森ならではの目線で描かれた道重への想いが反映されている。〈君の心 どこにいても みつけてギュってできる〉、〈わかんないけど私が許すから許されてね〉といった“道重さゆみに言ってほしい言葉”をそのままぶつけて、それを見事に歌い上げることができるのはモーニング娘。としてファンの期待に応え続けてきた道重だからこそ。また、今回のサブスク解禁ではモーニング娘。の楽曲をソロカバーしたものも含まれている。特に「Fantasyが始まる (Michishige Ver.)」や「彼と一緒にお店がしたい! (Michishige Ver.)」などはもともと道重がメインと言ってもいい扱いの楽曲だったこともあり、より楽曲の世界観が色濃く映り、また違った良さがある。

稲場愛香「圧倒的LØVE」

稲場愛香「圧倒的LØVE」

 ソロならではの存在感を発揮しているメンバーも多い。カントリーガールズ、Juice=Juiceのメンバーとして活躍した稲場愛香はグループ在籍中から“あざといキャラ”で、ラブリーな魅力を持った人気のメンバーだった。グループ卒業後はソロでのパフォーマンスになるからこそ、作品には稲場がとことん突き詰めてきたラブリーな世界観が濃縮。それでも“あざと可愛い”だけにならないのは、デビュー前から評判の高かったダンススキルに加え、グループ加入後に急激に成長した歌唱力といった稲場のスキルの高さによるものだろう。「圧倒的LØVE」はそんな稲場の魅力が詰まった一曲。いわゆる“ハロプロ歌唱”と呼ばれるようなリズム感を重視した歌唱と、ダイナミックなダンスを包み込むキュートな表情もポイントで、ソロアイドルとしての稲場のキュートさを堪能できる一曲だ。

小片リサ「映画の趣味が合うだけ」

小片リサ「映画の趣味が合うだけ」

 “ソロならでは”という意味で忘れられないのは小片リサの存在だ。つばきファクトリーのメンバーとして活躍した後にはソロで活動している。グループ時代の楽曲「低温火傷」のカバー動画に象徴されるように、悲しみすら感じさせるどこか切ない歌声がソロでの歌唱で存分に発揮している。2ndシングル収録の「映画の趣味が合うだけ」の作詞を担当したのは、「低温火傷」、「今夜だけ浮かれたかった」、「三回目のデート神話」などつばきファクトリーの楽曲の作詞を手がけてきた児玉雨子。タイトル通り“映画の趣味が合うだけ”と自分に言い聞かせながらも、〈みんなと違うって言ってよ〉と思う主人公の物語を描写した歌詞を、小片はどこか冷たさを感じる歌声で表現している。小片の持ち味がこれでもかというほど発揮されている一曲だ。

高橋愛・田中れいな・夏焼雅「誤爆〜We Can't Go Back〜」

高橋愛・田中れいな・夏焼雅『誤爆~We Can't Go Back~』Promotion Edit

 ここまでメンバーの表現力が光る楽曲を紹介してきたが、そのスキルの高さを思わぬ方向に発揮した楽曲も。モーニング娘。を代表する歌姫として愛されてきた高橋愛・田中れいなとBerryz工房などでも活躍してきた夏焼雅という、現役のハロー!プロジェクトメンバーからも憧れの存在として今もなおよく名前の挙がる3人が歌うのは「誤爆〜We Can't Go Back〜」。元々は3人にとって後輩にあたる一岡伶奈、段原瑠々、川村文乃、高瀬くるみ、清野桃々姫が配信シングルとしてリリースした楽曲になる。一岡らが配信リリースした際、オリジナルメンバーは全員10代で、歌詞もそれらしくお父さんや部活の先輩にLINEを“誤爆”したことをコミカルに歌っているが、高橋、田中、夏焼の3人が制服を着て、それも現役時代から全く劣らない歌唱を聴かせているのが逆に笑えてくる。最近はハロー!プロジェクトでもこういった曲はあまり出なくなっている印象を受けるが、これを機にハロー!プロジェクトの“トンチキ曲”にも触れてみてはいかがだろうか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる