aespa、「Supernova」で新記録樹立なるか? 世間の注目が集まる中、新しいコンセプトで勝負

 しかし、先ほども少し触れたように、「Supernova」は最近のK-POPシーンのトレンドからは一線を画した作品であり、テーマも少し難解な要素を含んだ楽曲である。それにもかかわらずこれだけ多くのリスナーから支持されているのは、やはり企画力とaespaのコンセプト消化力の高さの賜物だろう。今作では「多元宇宙」というイメージを通じて、これまでaespaが表現してきた世界観を壊すことなく、aespaらしさを突き詰めた独自の新しい世界観を拡張することに成功している。その企画力はさすがで、SM ENTERTAINMENTの公式YouTubeで公開された「Supernova」のMVに寄せられたコメントでも、独自性の高いテーマや楽曲の世界観に多くの賞賛の声が寄せられていた。

 そして、aespaのコンセプト消化力の高さもやはり圧巻である。「Supernova」は構成がシンプルだからこそ、楽曲のコンセプトをしっかりと落とし込んで表現に昇華させることが必須であり、高いパフォーマンス力が要求される。彼女たちはすでに『Music Bank』などに出演し、音楽番組でも「Supernova」を披露しているが、4人の凛とした、細部までキレのあるステージを見るにつけ、これぞ「SMP(SM Music Performance)」だと大きくうなずきながら、思わず画面に見入ってしまう引力を持っている。

 耳で聴いて、目で見てもおもしろい今作。一見シンプルだけれど、実は曲もダンスも丁寧に作り込まれた非常に深い楽曲だからこそ、「Supernova」は海外も含めて多くの人を惹きつけているのだと言えよう。

 思わぬ形で、リリース前から大きな注目が集まっているaespaの今回のアルバム。彼女たちには今、少なからず好奇の眼差しが向けられているはずだが、aespaは3rdミニアルバム『MY WORLD』でHANTEOチャートのK-POPガールズグループのCD初動売上記録を塗り替え、現在も1位を維持し続けている確かな実力を持つグループである。独自路線を追求し、楽曲のコンセプトとサウンド、パフォーマンスでアーティスティックな魅力を発揮するaespaは、今作で自身の保有する記録にどれだけ迫れるのか、あるいは塗り替えることができるのか。大きな期待が寄せられている。

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