山下美月が乃木坂46に残したものとは? 「正直私には向いていない」卒業前に向き合ったアイドル像から考える

山下美月の卒業コンサートとその後

 『乃木坂工事中』(テレビ東京系)では、同期、後輩メンバーとの絆を確かめる卒業企画「山下といっしょ」がオンエア。バナナマンとのスリーショットトークでは、賀喜遥香や一ノ瀬美空といったメンバーからの愛を受け取った「バレンタイン大作戦」「お歳暮グランプリ」をきっかけにして、後輩とさらに仲を深められるようになったと明かしていた。そこで設楽統が話していたように、卒業生の齋藤飛鳥の存在は山下と切り離せない関係性にあり、『CanCam』2024年5月号では、「卒業を意識し始めたのは、齋藤飛鳥さんが卒業されたときでした」と語っている。かつての齋藤の役割を山下が担うようになったのと同じく、それを今後は賀喜や一ノ瀬といったこれからの世代が務めていくのだろう。

【公式】「乃木坂工事中」# 461「山下といっしょ」2024.05.05 OA

 そのことが示されるのが、東京ドームでの卒業コンサートである。先述した『オールナイトニッポン』でのパーソナリティでは、セットリストを自ら考案し、演出打ち合わせにも参加。思い入れのある楽曲、先輩メンバーをリスペクトした楽曲、まだ歌ったことのない楽曲などを織り交ぜたオリジナリティ溢れる、それぞれセットリストの異なる2日間のコンサートになることを山下は明かしていた。

 『チャンスは平等』に収録されている山下のソロ曲「夏桜」は、山下自身が作詞を担当した楽曲。1番の歌詞はファンを、2番の歌詞はメンバーを思い書かれている。各期への思いが感じられる〈全て包み込みたかった/風も 光も 絶望も〉、山下が去ったあとの乃木坂46をイメージさせる〈花の香り 残さないで/時々思い出すくらいでいい〉のリリックが印象的だが、ラストの〈夏が来る前に 君に見せよう 愛の花を〉はこの初夏に開催される卒業コンサートを指しているようにも捉えられる。

乃木坂46『夏桜』

 乃木坂46卒業後は、少しの休止期間を挟みながら、『CanCam』モデルは継続し、これからもファンと会える機会は作っていくことを約束している山下。今年11月22日には山下が出演する映画『六人の嘘つきな大学生』の公開も控えており、筆者としては変わらず役者としての姿も見ていきたい思いがある。そして、自由を楽しめる余裕を持った山下は、桜の花びらが空へと舞いあがっていくように、さらなる高みへと再び咲き誇ることができるはずだ。

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