TRACK15、Hakubi迎えた『bouquet』ツアーファイナル 会場の隅々まで届けた歌声と楽曲への自信
ライブはいよいよ終盤。蓮は「TRACK15に出会ってくれてありがとう。どれだけいい曲を書いても聴く人がいなかったらないのと同じだから」と観客に語りかけ、1年前には新曲としてアンコールで披露した楽曲「話したいこと」を演奏。キラキラとしたギターフレーズが牽引するイントロがスタートすると会場からは自然と手拍子が溢れ、蓮の「OSAKA MUSE歌って」の掛け声で、観客からは合唱が起こる。
「話したいこと」が配信リリースされたのは2023年11月。まだ半年たらずではあるが、それでも合唱が起こるのはこの曲がTRACK15のファンから愛されていることの証明だ。加えて、彼らもファンを信頼している。そもそも合唱を煽るというのは「観客が合唱をする」という確信のもとでしか行えない。1年前は誰も知らなかった曲でも、今ならみんなで歌える。そういう判断があったからこそ、この日のライブを最高の1日であると印象付ける場面が生まれた。
演奏後ステージを去ったTRACK15だが、会場からは鳴りやまない拍手が続き、再度ステージに登場。アンコールで披露されたのは「夜と僕の話」。そして今年8月には自主企画イベント『TRACK15 pre. YORU FES』の開催も発表された。今回対バンしたHakubiにも言えることだが、両バンドとも仲間たちと音楽シーンを盛り上げたいという思いが強いように感じる。Hakubiは毎年『京都藝劇』というイベントを開催。このフェスでは自分たちの先輩や仲間たちを呼び、京都の音楽シーンを盛り上げている。
個人的には『YORU FES』もその流れに当てはまるような気がする。ライブ中に「将来的に大きくしていきたい」と蓮も語っていたが、確固たる自信を持ってライブをした今日のTRACK15を見ると、このフェスが関西の音楽シーンをまた一つ色づけるイベントになるのではと感じた。ツアーファイナルという意味では、このライブは終着地点である。だが同時に、今後大きく飛躍するであろうTRACK15が新たなる一歩を踏み出すという意味ではスタートラインだとも言える。今後、彼らが関西、いや全国でどのような活動をするのか楽しみだ。
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