三代目 J SOUL BROTHERS、7人の化学反応が新たな原動力に 挑戦の喜びに満ちたツアーを振り返る

三代目JSB、挑戦のツアー振り返り

 三代目 J SOUL BROTHERSが、3月27日にニューアルバム『Land of Promise』をリリースした。彼らは昨年、アリーナツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2023 “STARS” 〜Land of Promise〜』とドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS PRESENTS “JSB LAND”』という2本のツアーを行っており、今作収録のDVD/Blu-rayには、『JSB LAND』というテーマパークに7人の異なる個性を散りばめた、新感覚のドームツアーとなった後者のライブ映像を収録。CDには、昨年2月にシングル『STARS』としてリリースされ、アリーナツアーを彩った「この宇宙の片隅で」「STARS」「VII CROWNS」「REPLAY」と、5月に配信された「Hand in Hand」、11月に配信されたドームツアーのオープニング曲「Awakening Light」が収録されている。また、三代目JSBは今年11月にもドームツアーを開催を発表。メンバーを代表して、ボーカルの今市隆二とØMIに、アルバム『Land of Promise』を通して2本のツアーを振り返ってもらった。(斉藤碧)

NEW ALBUM "Land of Promise" SPOT / 三代目 J SOUL BROTHERS

MATEと共に作り上げた「STARS」のパフォーマンス

――ニューアルバム『Land of Promise』は、アリーナツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2023 “STARS” 〜Land of Promise〜』とドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS PRESENTS “JSB LAND”』を中心とした、2023年の三代目 J SOUL BROTHERSの活動を音源(CD)と映像(DVD/Blu-ray)で振り返る作品となっています。2023年2月にシングル『STARS』としてリリースされた楽曲(「この宇宙の片隅で」「STARS」「VII CROWNS」「REPLAY」)の制作については、アリーナツアー前のインタビューで伺いましたが(※1)、実際にライブで披露した手応えはいかがですか?

ØMI:まず、「この宇宙の片隅で」(作詞:ØMI、UTA、SUNNY BOY/作曲:UTA/プロデュース:UTA、ØMI)はアリーナツアーの1曲目に披露しましたが、今までの三代目JSBのライブ1曲目って、力強いサウンドで一気に会場の熱を上昇させるような楽曲が定番だったんですよ。でも、9年ぶりのアリーナツアーを開催するにあたって、客席との距離感が近いことやツアータイトルに“Land of Promise”とつけた意味を考えた時に、コンセプチュアルなバラードでスタートするのが一番いいんじゃないかなと思って。自分たちも今までトライしたことのない構成ですし、あえてこの曲でいくことにしました。そしてドームツアーは、ドームに先駆けてリリースした「Awakening Light」で1曲目から熱く上げていくっていう。どちらも同じ1年の中で行ったツアーですけど、この対照的な2曲があったことで、これだけ振り幅のあるライブができたんじゃないかなと思います。

今市隆二(以下、今市):「この宇宙の片隅で」に関しては、僕はピアノも弾いていたので、自分の演奏でライブが始まるというのは緊張感がありましたね。でもやっぱり、自分たちは常日頃から「新しい表現にトライしたい」と話しているので、挑戦あるのみだなと。エンタテインメント性の高いオープニングにするために、自ら「ピアノを弾く」と伝えて臨みました。ファンの方も、まさかアリーナツアーがバラードから、しかもピアノの弾き語りから始まるとは思っていなかったんでしょうね。良い反応をもらえて嬉しかったですし、やってよかったなと思いました。

今市隆二

――1曲目に限らず、セットリストや構成を決める際には“対照的なツアーにする”というのが、念頭にあったんでしょうか。

ØMI:そうですね。アリーナツアーはアットホームなものにしたかったので、MCを多めに入れて僕らのキャラクターを楽しんでもらったり、曲もアレンジを加えることでアリーナならではの距離感で三代目JSBの音楽を楽しんでもらえたらと思っていたんですが、ドームは良い意味で僕らとMATE(三代目JSBのファンネーム)の距離をグーンと引き離すというか。『JSB LAND』というテーマパークを作り、三代目JSBだからこそできるスケールの大きなライブをお届けしたいなと思っていました。

――三代目JSBの代表曲「R.Y.U.S.E.I.」の続編として書き下ろされた「STARS」(作詞:sty/作曲:Dirty Orange、sty)も、アリーナツアーでは「この宇宙の片隅で」に次ぐ2曲目、ドームツアーでは本編後半に披露されていて、それぞれ違った印象を受けました。

ØMI:アリーナツアーでいうと、「この宇宙の片隅で」がエピソード0で、「STARS」が本当の1曲目みたいな感覚だったんですよね。久しぶりに7人が揃ってパフォーマンスする1曲目という位置づけだったんです。でも、アリーナ32本を回る中で“7人でパフォーマンスする「STARS」”が定着していくと、今度はドームという広い空間でMATEと「STARS」で1つになりたいと思うようになって。この曲は2023年の三代目JSBの活動をアナウンスした曲でもあったので、それをみんなで体感する立ち位置の曲へと、自然と変わっていきました。「だったら、後半のほうがいいよね」ってことで、曲の配置も変わりましたね。

'STARS' Official Music Video / 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE

――今市さんは、どんな想いを込めて「STARS」を歌いましたか?

今市:2014年にリリースした「R.Y.U.S.E.I.」は、〈人生一度きり〉と自分に言い聞かせながら、まだ夢を追っている立場として歌っていたんですが、「STARS」の〈人生一度きりじゃない〉は、たくさん夢を叶えて、年齢も重ねて、いろんな経験をしたからこそ言える言葉だなって思うんですよ。もちろん人生は一度きりだけど、やり直しは効くよ、と。今回のツアーでも、そう自信を持って歌っていました。ただ、ドームツアーの「STARS」はトロッコで移動しながら披露したので、僕らがパフォーマンスやメッセージを届けるというよりは、「一緒に歌える人は歌って!」みたいな感じで。各会場のMATEのみんなと一緒に歌ったり、手を振り合ったりして一体感を楽しみました。

――コロナ禍に入ってからは、近い距離感でMATEのみなさんと接したり、一緒に歌う機会が減っていたと思うので、再び一気に距離を縮める良い機会になったのかなと。

今市:そうですね。「STARS」はコロナ禍が明けて、やっと本格的にライブができるようになったタイミングで発表した“スタートの曲”でもあるので、そんな曲をMATEのみんなとコミュニケーションをとりながら歌えたことに意味を感じますし、今後もこの曲を聴くことで、コロナ禍が明けた時の喜びを思い出してもらえたらいいなと思います。

ØMI

7人で貞子に扮装した演出は“良いスパイス”に?

――「VII CROWNS」(作詞:ZERO (YVES&ADAMS)/作曲:RICO GREENE、CHRIS HOPE)と「REPLAY」(作詞:ZERO (YVES&ADAMS)/作曲:Matt Ermine)は、アリーナツアーでのみ披露されました。それぞれ、パフォーマンスした感想を教えてください。

今市:まず「VII CROWNS」は三代目JSBらしいストリートな曲調なので、スイッチが入りやすかったですね。7人で合わせて踊る部分もあったりして、個人的にはパフォーマンスしていて楽しかったです。

――ボーカルにとってはハードそうな曲だと思ったのですが、楽しむ余裕はあったんですね。ツアー前のインタビュー(※2)でNAOTOさんが「ウチは年々ボーカルが踊る分量が増えるっていう、謎の傾向があるんですよ(笑)」とおっしゃっていたんですが、年々求められることが増えているという実感はありますか?

今市:(食い気味に)それはあります!

ØMI:あははは。「STARS」みたいに最初から最後まで7人で踊っているわけじゃないけど、「VII CROWNS」も当たり前にボーカルが踊っていますからね。とはいえ、もともと「VII CROWNS」はライブ映えする曲として制作した曲なので。ライブでは、音源よりパワーアップしたバンドサウンドとパフォーマンスで届けることを意識していました。

――「VII CROWNS」は“王の帰還”をテーマに制作された楽曲ですが、ØMIさんはアリーナツアーでこの曲を披露しながら「帰ってきた」と感じたのでしょうか。

ØMI:自分たちを“王”と呼ぶのは恥ずかしいので、なんとも言いづらいんですけど……そうですね(笑)。アリーナツアーが始まった頃には、まだドームツアーを発表していなかったんですが、自分たちが作った2023年の道筋の先には、ドームツアーが見えていたので。逆算して考えると、今なら“王の帰還”というコンセプトを打ち出してもいいんじゃないかなと思いましたし、三代目JSBの一員としてMATEと再会できた喜びを感じながら歌っていました。

――堂々たるパフォーマンスを見せつけた「VII CROWNS」に対して、「REPLAY」では、メンバー扮する7人の貞子が登場しましたね。岩田(剛典)さんは「7人の貞子が踊っているMVのイメージしかないと思うんですけど、そのイメージとはまた違う、三代目JSBとしてのパフォーマンスをお見せできたらと思っています」(※3)と予告していたんですけど……?

ØMI:確かに言っていましたね。「ライブでは貞子はやらない」って(笑)。

今市:岩ちゃん。思いっきり貞子やっちゃってんじゃん(笑)。

ØMI:でも「7人で貞子になろう」って言ったのは、確かNAOTOさんなんですよ。

――そうだったんですね。貞子に変身した感想はいかがですか?

ØMI:(今市に向かって)どうだったの(笑)?

今市:貞子になった感想? ……結構、視界が悪いんだなぁって。

一同:あははははは!

今市:貞子の大変さを身を以て知りました。

――最年長のNAOTOさんが遊び心の効いた演出を提案して、全員で全力で乗っかっていくところに、今の三代目JSBの中に流れている良い空気を感じますね。13年以上一緒にいても、変わらずふざけられる関係性って貴重だと思うので。

今市:そうかもしれないですね。

ØMI:むしろ、昔よりも恥ずかしがらずにやっているよね(笑)?

今市:うん。なおかつ、「REPLAY」は振付が難しいんですけど、ライブではMATEのみんなとの一体感を楽しめるように、あえて踊りやすい簡単な動きを取り入れたりしていて。そういう意味では、岩ちゃんの言う通り、ライブならではの「REPLAY」になったと思いますし、貞子がその良いスパイスになっていたんじゃないかなと思います。

‘REPLAY’ DANCE PERFORMANCE(貞子DX)/ SONG BY 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE

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