7 MEN 侍、初対バンライブでヤバTと激突 コラボパフォーマンスも披露した『Battle of Rock』初日

7 MEN 侍、ヤバTとの初の対バンレポ

 ヤバイTシャツ屋さんのステージによって、会場の空気は熱気を帯びたまま。しばらくするとステージ奥からゆっくりとせり上がって7 MEN 侍の面々が登場し、その場は絶叫の渦に包まれた。舞台『Act ONE』でも見せた中村デザインの衣装に身を包み、姿を見せたその瞬間から会場を完全に掌握する。

 1曲目披露したのは、オリジナル曲でメンバーの本髙克樹と菅田琳寧が制作に携わった「Chaos Killer」。全編英語の歌詞であるこの曲は、重低音が響きまくるダークなサウンドが持ち味。序盤はバチバチにダンスをキメていたが、中盤からそれぞれが楽器を手にし、ギターやドラム、ベース、キーボードとあらゆる音が交差していく。歌もダンスも、バンドもバシッと決める。彼らにしかできない芸当を、初っ端からこれでもかと畳みかけていく。

 続いて披露したのは、「SAMURAI」(タッキー&翼)。中村が「熱い夜にしようぜ!!」とさらに焚き付けていく。菅田は、楽器をギターからサックスに持ち替え、彼らの多彩な演奏スキルが早速滲んでいた。

 会場が一つになってコールアンドレスポンスを奏で、ステージ上の彼らへの視線がさらに熱を帯びていくのがわかる。曲中では「みんなもっと声聞かせてくれ!!」の言葉で天井をぶち破るほどの歓声が上がり、サムライコールで会場が一体となっていく。頭をブンブン振り回す矢花や観客に向かって手をかざす中村とは対照的に、音と歓声に聴き入り陶酔する今野大輝や菅田、時折客席に視線をやり楽しさが表情からも滲み出ている本髙と、折り重なるさまざまな音色を土台でしっかり支えつつ、自分自身も全力でライブを堪能している佐々木大光。本格的なバンドサウンドに会場が飲まれていった。

 「どうした、そんなもん? もっと本気でかかってこいよ!!!」中村の誘いに乗るように、歓声がまた上がる。次に披露されたのは、彼らにとって初めてのオリジナル曲である「サムダマ」。音程よりも感情を優先した、枠に囚われない良い意味でお行儀の悪いライブ。本来の彼らのキャラクターも相まってそのギャップに心も身体も支配されていく。「おいおいどうした? ぴあアリーナそんなもんかよ? 死ぬ気でかかってこいよ!」そう矢花が叫び、盛り上がりはさらなる勢いを増す。観客も一緒に歌っている、大合唱だ。その場にいた全員が、心のままに踊り狂う、圧巻の光景が広がっていた。

7 MEN 侍

 ここでまた一気に空気が変わる。今野の〈切り取ったメロディ 繰り返した 忘れないように〉という透き通った歌声で、悲鳴にも近い歓声がまた上がる。「言葉よりも大切なもの」(嵐)だ。メンバー一人ひとりが想いを込めて一節ずつ歌い上げていく。心からこの場を楽しんでいて、その想いが溢れ出している。この熱狂が愛おしい、ずっとこの空間にいたい、その場にいた誰もがそう感じたはずだ。

 ジャズテイストのインスト演奏では、それぞれがソロパートを披露。ここでは菅田によるサックスの艶やかなサウンドと、本髙によるキーボードの繊細な音色がオシャレさを際立たせていた。

 続けてすぐに、矢花のベースソロがずっしりと、かつ軽快なリズムで響きわたり、ここでもワッと歓声が上がる。他の5人はそのまま楽器を置き、ダンスチューンの「Beating Hearts」(King & Prince)が披露される。原曲のベースラインをそのまま矢花が受け持ち、5人の歌声と折り重なる。先日音楽大学の卒業を発表した高い演奏スキルを持った矢花の持ち味が存分に生かされていて、そのステージに顧客(ヤバイTシャツ屋さんファンの呼称)も心を奪われたに違いない。

 MCタイムに入り、「ぴあアリーナ盛り上がってるか!」本髙の声に、客席全員が必死に声を上げて応える。メンバー一人ひとりの個性が光る自己紹介を行っていた。彼らが普段行っているようなコンサートと異なり、通常よりも短い時間だが、会場と言葉で心を通わせているのがしっかりと伝わってきた。

 会場全体で手拍子をして迎えた次の曲はオリジナル曲「Hot Night」。赤と紫のライティングが会場を染め上げ、より一層温度を高めていく。続いては、彼らの敬愛するグループの一つでもあるSixTONESの「Outrageous」。さらに激しいダンスで、限界まで動きまくる激しいステージとなっていた。バンド演奏で魅了した後は、彼らの持ち味である歌とダンスで盛り上げる。バンドとしての盛り上げ方も、アイドルとしての盛り上げ方も熟知する、彼らにしかできないステージに魅せられた。

 次に待ち構えていたのは、オリジナル曲ではないものの、ライブの定番曲になりつつある「CALL」。イントロが始まった時点から、観客からは半端ない歓声が上がっていたが、「ぴあアリーナ、まだ行けんだろ?」とけし掛ける今野の言葉でテンションは最高潮に。この曲では、今野・本髙・佐々木・矢花が楽器を手に取り、冒頭と間奏には菅田と本髙によるアクロバットのパフォーマンスが。持っているスキルを自由に組み合わせてさまざまな表情を見せる、新たなライブのスタイルを目の当たりにした。

7 MEN 侍

 「Battle of Rock楽しんでる? 7 MEN 侍感じてる?」そう客席に中村が語りかける。グループ初の対バンライブを経験させてもらったことへの感謝を述べ、「ここで得られた素敵な経験、刺激を、今後の俺たちに活かして、僕たちが尊敬している先輩にいつか追いつきたい。いつか背中を超えられるように。そんな想いを込めてこれからみんなの知ってる有名な曲をたくさん歌いたいと思います!」と“先輩メドレー”に続けた。ここのパートでは「仮面舞踏会」(少年隊)から始まり、「Happiness」(嵐)、「シンデレラガール」(King & Prince)、「無責任ヒーロー」(SUPER EIGHT)など、誰もが一度は聴いたことのあるようなアップチューン。続く「SHAKE」(SMAP)、「weeeek」(NEWS)でもステージをいっぱいに使って駆け回り、演奏しながら踊り、観客とコミュニケーションを取りながら、誰も取り残さずに最高の興奮で揺さぶっていく。観客も、彼らの熱さに負けじと手を掲げ、歌い、体を揺らす。集った約1万人全員が、一つになっていく。最高だ。この景色は、誰か一人でも欠けていたらなし得られていない。一人残さず熱狂しているからこそ、あの空間は創り上げられていたのだ。

 先輩メドレーを「勇気100%」で締めくくり、ラストの楽曲に彼らが選んだのは、代表曲の一つ、「シャウト」。明るい曲調から一転、ずっしりとヘヴィーで音楽がこだましていく。圧巻なパフォーマンスの連続で忘れかけていたが、彼らはまだデビュー前。夢に向かい、全員が己を磨いて今日、この舞台にたどり着いた。蒼く沸き立つエネルギーを全力で振り絞り、〈暗闇を突き進め〉〈自由を掴み取れ〉と叫ぶ。もう、一瞬たりとも彼らから目を背けられない。突き刺さってくる熱い想いに、眩暈がするほど。割れんばかりの喝采を浴びながら、スモークが立ちこめるステージ奥に去っていく彼らの背中は、さながら侍のようだった。

 「あれあれあれ? みんなもうお腹いっぱい?」こだまする拍手の中、そう尋ねながら再び現れた6人。そして6人が呼びかけるやいなや、早々にヤバイTシャツ屋さんの3人も再登場。全員でその日のライブを振り返る最後のMCが始まった。この日最後の曲として「さよなら またね もうちょっと」を全員で披露。爽やかなメロディに乗り、2組が肩を組み、声を合わせて、今この瞬間にしか出会えない瞬間を創り上げていく。練習した振り付けも、会場全体で一体となって大成功。あたたかな空気に包まれながら、『Battle of Rock』の初日は幕を閉じた。

7 MEN 侍

 デビュー前の7 MEN 侍にとって、バンドとして先を突き進むヤバイTシャツ屋さんとの対バンも、自分たちのことを全く知らないであろう人たちの前でのパフォーマンスも、初めてのことばかりだったはず。しかし、そんなことはまったく感じさせないほど、ぴあアリーナMMの温度は限界値を突破するほどの盛り上がりに達していた。出演した2組の、それぞれのバンドやファンに対するリスペクトも随所に感じられ、本当にあたたかな闘いの夜だった。

 当公演では、彼らのコンサートで恒例のうちわやペンライトの持ち込みは禁止だった。それゆえ観客の意思表示は、その身から生み出す拍手と声とでしか生み出せない。渇望するように響き渡る拍手とひっきりなしに上がる歓声、そして歌声で、終始揺さぶられる会場。あの日の熱狂は、いつまでも忘れられない余韻を残し続けるだろう。

長尾謙杜、ラウール、末澤誠也、中村嶺亜……メンバープロデュース衣装はなぜ魅力的?

2024年2月14日になにわ男子のアリーナツアー『なにわ男子 LIVE TOUR 2023 'POPMALL'』DVD&ブルーレ…

飯田栞月、小林萌花、矢花黎、佐野晶哉……専門的な音楽スキルを活かすアイドルたち

サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』が12月16日に生放送されたファイナルで華…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる