King & Prince、激動の5年の道のりが“宝物”になった瞬間 1万3000発の花火に刻んだ過去と未来

 キラキラしたポップスに合わせてカラフルな光が空いっぱいに展開されたかと思えば、ダンスミュージックのシックな雰囲気に寄り添った星の瞬きのような火花が舞い、交差する。HIPHOPサウンドのディープなベース音と花火の音がシンクロする感覚も、刺激的で新しい。「Super Duper Crazy」の〈1!2!3!〉に合わせ、数字をかたどった花火がぴったりのタイミングで打ち上げられた場面では、スタジアム全体から大きな歓声が沸き起こるなど、King & Princeがこれまで作り出してきた多彩な音楽を全身で体感できる、まさしく“ダイナミックエンターテインメントショー”だ。

 4番目のブロックまでグループの歴史を作ってきた代表曲を時系列で展開し、5番目のブロックでは、髙橋のソロ曲「ワレワレハコイビトドウシダ」、永瀬のソロ曲「きみいろ」も含めた最新アルバム『ピース』の楽曲で構成。最終ブロックでは「ichiban」、「ツキヨミ」、「Lovin' you」と異なるテイストの人気曲に続き、最新シングル「愛し生きること」、そしてふたりバージョンの「シンデレラガール」で締めくくられる。このセットリストも秀逸である。

 最後の「シンデレラガール」では、「King & Prince」の文字に続いて、空が明るく染まるほど煌びやかな花火が絶え間なく打ち上げられた。彼らの歴史を愛し、そして前進し続けるという彼らの強い意志とファンの優しい祈りが交わったような、今のKing & Princeを象徴する印象深いワンシーンだったと思う。

 幕間映像でも披露した甚兵衛姿に衣装チェンジしたふたりが、ステージに再登場。音楽と花火のコラボレーションに自身らも感激しきった様子で「またひとつ新しいことができた」と語る。

 花火を背負いながらこの日最後に歌われたのは「ゴールデンアワー」だ。〈『ありがとう』〉〈『「これからもよろしく』〉、そして〈全てが僕たちの宝物…〉と、ふたりが発するメッセージは最後までシンプルである。左右に大きく揺れるペンライトの光と、夜空に咲く花火の光が重なり、「みんなも歌って!」という呼びかけでスタジアムがひとつとなって歌声を響かせる。フィナーレを飾る花火を見つめる永瀬と髙橋の後ろ姿からは、ファンと5年という月日とこの日をともに過ごしたことへの愛と喜びがあふれているように見えた。

 メンバーだけでなく、スタッフやファン、彼らが出会ってきたすべてがKing & Princeという光を生み出しているのだとあらためて示すような、煌めきに満ちたあたたかな時間だった。

 その中心には、過去から現在、未来に至るまでKing & Princeにしか成し得ないことを探求し、常に新しいことを追い求める彼らの姿がある。5周年という区切りの一年を終えた彼らが、どのような煌めきを放っていくのか。King & Princeの未来には、この日の花火のような美しい光が満ちていてほしい――そんなふうに思わされたイベントだった。

※1:https://www.kingandprince5th.jp/fireworks2024/#Goods

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