渡辺翔太と向井康二、恋愛ドラマで残した爪痕 並走するようにステップアップするSnow Manの“双子”コンビ
Snow Manのメンバーが同時に5名も地上波ドラマで活躍するという夢のような期間がいよいよ今週で終わりを迎える。恋愛、サスペンス、アクション、コメディとさまざまな要素がまざりあった『恋する警護24時』(テレビ朝日系)にて堂々連続ドラマ初単独主演を務め上げた岩本照、豪華俳優陣が集結したホームドラマ『春になったら』(カンテレ・フジテレビ系)の中での自然体な演技が好評を博した深澤辰哉、時代劇の名作『大奥』(フジテレビ系)にて物語後半から悪役として大きな存在感を放った宮舘涼太。そして今回、グループからストレートな恋愛ドラマに挑戦したのが渡辺翔太と向井康二だ。
2023年1月から12月までの期間、雑誌の表紙を多く飾った人を選出した『トップカバーアワード』において、3位の目黒蓮に続きSnow ManのメンバーでTOP10入りを果たしたのも渡辺(5位)と向井(10位)(※1)。個人出演の作品があったことはもちろん、女性ターゲットの雑誌の表紙を飾ることも多く、このタイミングで2人が恋愛ドラマに出演することになったのも納得である。
2023年9月期ドラマ『ウソ婚』(カンテレ・フジテレビ系)も話題を呼んだ渡辺は、『先生さようなら』(日本テレビ系)にて連続ドラマ単独初主演を飾った。国語教師に想いを寄せた学生時代の過去と学生から想いを寄せられる美術教師の現在を行き来しながら、渡辺演じる田邑の心の動きが描かれていった本作。高校、大学、社会人、とそれぞれの時代の田邑の喜怒哀楽を見事に演じ分け、最愛の人・由美子(北香那)との幸せあふれる日々や別れを覚悟するシーンで見せた涙など、映像的にも美しい見どころがあり、毎話SNSを賑わせた。
向井は、中島健人主演『リビングの松永さん』(カンテレ・フジテレビ系)で中島演じる松永と同じシェアハウスで暮らす友人・健太郎を演じた。関西弁や笑いを封印し、粋も甘いも噛み分ける長髪バーテンダー役は、向井にとっての新境地。物語終盤では密かに想いを寄せていた同じシェアハウスに暮らす年上のネイリスト・朝子(黒川智花)と急接近。大人の2人が探り合いながら距離を縮めていく様子をリアリティをもって演じた。
渡辺はミュージカル『DREAM BOYS』、向井は朗読劇『ハロルドとモード』と、昨年秋にそれぞれ単独での舞台出演を経験した共通点を持つ2人。グループではボーカルをリードするポジションでありながらも、自ら進んで前に出たり、発信するタイプではなかった渡辺が、『DREAM BOYS』以降、活動のギアを一段階上げたような印象を受ける。オファーを一度断り、腹をくくって挑んだ舞台の成功を経て、自分自身の可能性を楽しむような、そんな意気込みと余裕を感じるようになった。向井も『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)はじめバラエティ方面での活躍は多くの人が知るところとなった今、『ハロルドとモード』以降、演じること、チームで作品を作ることへの興味が高まっているように映る。4月期からは前シーズンにも出演していた『特捜9 season7』(テレビ朝日系)への続投も決定。演技仕事への本格進出で新たなファン層の獲得にも期待がかかる。