BTS SUGAがステージに懸ける情熱 ライブは自らの生き様を見せられる場所に
BTSのSUGAが3月13日、グループの公式YouTubeチャンネルにて映画『SUGA | Agust D TOUR 'D-DAY' THE MOVIE』(4月26日公開)のトレーラームービーをアップした。
『SUGA | Agust D TOUR 'D-DAY' THE MOVIE』は、SUGA初のソロワールドツアー最終公演を記録したもので、シネマティック専用カメラで撮影した臨場感溢れる映像とサウンドを映画館で楽しめるという。ライブ本編に加えて、メンバーのRM、JIMIN、JUNG KOOKを迎えたスペシャルコラボステージも堪能できるとあって、彼らの完全体での活動を待ち望むARMY(BTSファンの呼称)にとっては嬉しいプレゼントと言えそうだ。
「アーティストにとって公演は欠かせないものです。公演をして初めてアーティストという職業が完成すると思っています」とは、トレーラームービーで語られたSUGAの言葉だ。BTSのリアリティバラエティを振り返れば、いつもSUGAが時間を見つけては楽器や機材に触れて作曲作業をしていることが確認できる。彼の人生は常に音楽と共にあり、そしてライブ公演はSUGAが生き様を見せられる唯一無二の場所だということが理解できるはずだ。
そんな彼がステージにかける思いを映画公開よりも早く感じ取れるのが、3月10日に更新された動画『SUGA | Agust D TOUR 'D-DAY' in the USA - BTS』だ。ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、オークランド……と巡ったアメリカツアーのビハインド映像で、バックステージの様子がおよそ30分、たっぷり収録されている。
公演の前日に行なわれた通しリハーサルでは、火柱などの特効の確認から、サウンドのバランス、公演構成、そして視線の向け方に至るまで入念にチェックを欠かさない姿が収められている。細かなところまで気を配るそのスタンスは、まさに職人芸といったところ。
「いつもの公演より2倍は準備しましたし、通しリハーサルもたくさんしたので緊張は全くしていません」と万全に準備をして臨む姿のなんと頼もしいことか。共にステージを作り上げるバンドメンバーたちと円陣を組むときに、少し視線を逸らすシャイな表情もまたSUGAらしさを感じさせる一コマだ。
しかし、丁寧に準備を重ねてもライブにハプニングはつきもので、公演中にオーディオのモニタリングができなくなるという事態が発生してしまう。舞台裏では「自分の声が全く聞こえてない」と言いながらも、ステージ上ではそんな不安を微塵も感じさせない様子も映し出される。
また、ギターの弦が切れてしまうアクシデントに見舞われたときも、すぐに新しいギターで完璧な演奏を披露してファンを魅了する落ち着きっぷり。そういった突発的な出来事がなければこのSUGAのハニカミ笑顔も見られなかったのではないかと思うと、むしろ得をした気持ちにさえなるほどだ。
会場ごとに異なる音の聴こえ方に気を配り、微調整を繰り返す繊細な作業をしながらも、本番では激しいヘドバンで盛り上げる。裏方的な動きも見せながら、表に立つオーラを兼ね備えたSUGAの才能に触れることができる瞬間だ。
観客席に掲げられたメッセージ一つひとつを見て「かわいいな」と笑ったり、ときにはARMYの誕生日を一緒に祝ったり……。さらには、MAXやHalseyなど豪華ゲストをもてなしながらコラボステージを作り上げるなど、エンターテインメントのプロとして器用に立ち回る姿には脱帽してしまった。