日向坂46、一期生の相次ぐ卒業で世代交代を明確に打ち出す選抜制 2024年は正念場に?
そこで日向坂46の運営が手を打って出たのが、今作における選抜制の導入である。このことについては様々な意見が出ているところだが、グループに厚みをもたらすという意味で選抜制が非常に優位に働くのは間違いない。今回センターを務めるのは四期生の正源司。グループ加入から約1年半でのセンター抜擢である。その横にはグループの創設時から絶対的な中心を担ってきた小坂菜緒、佐々木美玲、金村美玖、加藤史帆といったメンバーが順当にフロントに抜擢される一方で、大きく変化したのが2列目と3列目。ここには藤嶌果歩、宮地すみれ、平尾帆夏、山下葉留花というフレッシュなメンバーが入り、これまでとは大きく様変わりした。日向坂46が結成時から選抜制を取り入れてこなかったことで、先述したメンバーの固定化という負の側面と、それに付随する正の面として安定した基盤が作られてきたことがあった。一期生〜三期生がしっかりと基盤を固めてきたことによって、四期生にバトンを上手くつなぐことができた。さらに今回、正源司がセンターに抜擢されたことによって、選抜メンバーのさらなる流動化も予感させる。
選抜制に踏み切ったその背景にあるのは、やはり四期生の存在も大きいだろう。2022年9月に加入した四期生は「ブルーベリー&ラズベリー」(8thシングル『月と星が踊るMidnight』収録曲)や「シーラカンス」(9thシングル『One choice』収録曲)、「見たことない魔物」(10thシングル『Am I ready?』収録曲)、「ロッククライミング」(2ndアルバム『脈打つ感情』収録曲)といった四期生楽曲でパフォーマンスを磨きつつ、その集大成となる乃木坂46の五期生、日向坂46の四期生、櫻坂46の三期生による合同イベント『新参者 LIVE at THEATER MILANO-Za』も成功させている。四期生加入以降、彼女らが次世代の核となる準備を着実に整えてきた。いずれにせよ、四期生の成長により次世代への移行を巡る動きが加速したことは間違いない。
グループの展望を見据えた時に、草創期を知るメンバーが卒業していくことは免れない事実であるだろうし、世代交代を明確に打ち出すタイミングとしては時宜にかなっていると言える。ひとまず、この1年は日向坂46にとって正念場であると同時に、大きなチャンスとなるはずだ。
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