LE SSERAFIM、IVE、ENHYPENら映像手掛けるユ・グァングェンの才能 ミン・ヒジンに続く注目の裏方に?

ENHYPEN (엔하이픈) 'DARK BLOOD' Concept Trailer

 こうした手腕を買われて今回のトレーラームービーの制作依頼があったに違いない。昨年はENHYPENの4作目となるミニアルバム『DARK BLOOD』のコンセプトトレーラームービーを担当しているが、予告編とは思えないほど濃厚だ。最新の技術を駆使したリリカルな映像の数々は、これだけで完結した作品として高く評価できる仕上がりである。

 ちなみにこのトレーラーについてENHYPENのリーダー・JUNGWONは、配信アプリ Weverseにて「ユ監督は、僕たちのようなアイドルと仕事をしたのは初めてらしく、コンセプトトレーラームービーを制作したのも今回が初めてだそうです。だから僕たちよりもっと楽しんで何かをしようとしていましたし、僕たちもすごく楽しかった」と振り返っている。

IVE 아이브 'Either Way’ MV

 登場人物の動き、全体の構図、光の当たり方、色の配置。これらの要素でいかにスタイリッシュに見せるかという点に全神経を集中させるユ・グァングェン。その良さがストレートに伝わってくるのが、IVE「Either Way」(2023年)のMVだろうか。

 この作品では楽しそうな場所や集まりと、メンバーの孤独な姿を対比させていくが、アイドルとして生きるIVE自身の悩みや本音にしっかりと向き合っているように見える。だからと言って深刻にはならず、軽くもない。この絶妙なさじ加減は、たくさんのCMをはじめとした映像を制作してきたからこそできるのだろう。

 ポピュラーミュージックと映像の蜜月は、アメリカのケーブルチャンネル・MTVが注目を集めた1980年代から本格的に始まった。こうした流れを早い時期に意識したアジアの国はどこかと言えば、韓国である。YouTubeが登場すると迷わずにK-POPアーティストのMVや関連映像を無料で公開。その効果もあり、自国の大衆音楽の魅力を短期間で世界の隅々まで広めることに成功した。

 K-POPは今や世界規模の人気ジャンルとなったが、できるだけ多くの人を引きつけることを目的とするCMのフィールドで才能を磨いてきたユ・グァングェンは、MVの理想的な作り手だと言えよう。彼が監督・演出する映像作品はこれから間違いなく増えるはずだ。NewJeansを発掘・育成したミン・ヒジンと同様に、彼も注目すべきK-POP界の裏方である。

※1:https://m.blog.naver.com/kjobworld/221387128768

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