関ジャニ∞、現名義最後のシングルで首位獲得年数歴代3位へ 「アンスロポス」は今こそ聴くべき人間賛歌

 タイトルの「アンスロポス」は、ギリシア語で「見上げる人=人間」を表す言葉だという。『め組の大吾 救国のオレンジ』は、消防組織の中の精鋭部隊「特別救助隊」を目指す若き消防官を主人公にした青春と成長の物語だが、同時に人間の崇高さや命をかけて大切なものを守ろうとする覚悟を描いたドラマでもある。そんな壮大なテーマを背負った作品にふさわしく、楽曲全体からは懸命に日々を戦う人を鼓舞するような、高みを目指す人を祝福するような“熱”が放出されているのを感じることができるだろう。本作のリリースに向け、関ジャニ∞は、主人公・大吾の持つ情熱に感銘を受けたことに触れつつ、「僕ら関ジャニ∞のパフォーマンスもまた、彼らと同様にあたたかな光となり、傷ついた誰かの「顔を上げる」一助になればという思いで歌わせていただきます」とコメント(※2)。物語と楽曲、そして表現者である関ジャニ∞、三者の共鳴が、この時代にこそ聴かれるべき人間賛歌を生んだのだ。

 楽曲を提供したキタニは「この曲がライブで演奏される日、沢山の声が重なる光景を心待ちにしています」とコメントを寄せているが(※3)、まさに本作はライブでこそ映える1曲だと感じる。ステージに向かうすべての人が、メンバーと共に拳を突き上げながら咆哮する様を想像するだけで、身震いしてしまうのは筆者だけではないはずだ。一方で彼らは、2024年2月4日に新たなグループ名への変更を予定。「関ジャニ∞」名義としてシングルをリリースするのは本作が最後となる。長年共に歩んだグループ名と決別し、新たな道を歩く決意にも思いを馳せながら聴くと、また違った感慨が湧いてくる。〈昨日を捨て、明日を征け〉。歌詞に綴られた潔い言葉をお守り代わりに、5人には信じる道を進んでいってほしい。

※1:https://www.oricon.co.jp/news/2312434/full/
※2、3:https://tatsuyakitani.com/news/1359/

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