風男塾現メンバー&15周年PR大使 青明寺浦正座談会 アニバーサリーライブを経て深まった絆
2007年の始動以降、“人を元気にする”をモットーに活動を続け、2022年9月24日にデビュー15周年イヤーに突入した男装ユニット、風男塾。そんな彼らが、昨年9月3日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて、アニバーサリーイヤーの集大成ともいえるワンマンライブを開催し、その模様を収めたLive Blu-ray『風男塾 LIVE 15th ANNIVERSARY FINAL~歌鳥風月~』を1月24日にリリースした。本公演には柚希関汰、英城凛空、葉崎アラン、胡桃沢鼓太郎、赤星良宗、天堂太陽、凰紫丈源という現在のメンバーのほか、“風男塾15周年PR大使”としてアニバーサリーイヤーを盛り上げた卒業メンバーの武器屋桃太郎、青明寺浦正、赤園虎次郎、瀬斗光黄、愛刃健水も出演している。
そこでリアルサウンドでは、1年以上にわたって後輩達をサポートしてきた卒業メンバーの青明寺浦正と、現メンバー7人によるスペシャル座談会を決行。ライブ映像のお気に入りポイントや爆笑必至の裏話、15周年で得たものについて、賑やかに語ってもらった。(斉藤碧)【記事最後にプレゼント情報あり】
先輩たちとの活動を通じて、風男塾がさらに好きになれた
――まずは、Live Blu-ray『風男塾 LIVE 15th ANNIVERSARY FINAL~歌鳥風月~』のリリースを控える今の心境を教えてください。
英城凛空:素直に嬉しいですね!
青明寺浦正:嬉しいよね~。そもそも、みんなは映像作品を出したことあるんだっけ?
英城凛空:僕とアランと関汰は、(愛刃)健水くんが卒業した時に『風男塾LIVE 2021〜Together.Forever...〜』(DVD/期間限定販売)をリリースしたことがあるんですけど、他の4人が加入して、今の体制になってからは初です。個人的には約3年ぶりの映像作品ということで、加入したばかりで不安も多かった前作と比べると、今のほうが絶対成長してるし、絶対カッコいいライブができていると思うんですよ。なおかつ、現メンバー7人とOB(“風男塾15周年PR大使”を務めた卒業メンバー)のみなさんとの共演も収録されているので、「これが15周年を迎えた今の風男塾です!」と、自信を持って見せられる作品が完成したなと思っています。
――OBの浦正さんは、どのような想いで15周年PR大使を務めていましたか?
青明寺浦正:正直な話をすると、卒業した当時は、もしこの先OBとして出演を頼まれたとしても出ないつもりだったんですよね。風王(ファン)のみなさんは、今のメンバーが作っている風男塾を見たいだろうなと思っていたので、あくまで自分は一ファンとして見守っていこうと思っていたんです。でも、柚希関汰、英城凛空、葉崎アランの3人が加入した時に初めて会って話をして、今の7人になった時に彼らの生のパフォーマンスを観たら、すごく応援したくなって! 自分は9周年(2017年3月)のタイミングでグループを卒業したんですが、そのあたりで風男塾のライブから少し離れてしまった方がいるのも知っていたので、そういう方達に「今の風男塾、すごいんだよ!」というのを伝えたいなと思いました。
――幅広い人に風男塾を知ってもらう以前に、まずは当時熱心に応援してくれていた方に伝えようと思っていたと?
青明寺浦正:そうです。俺達が活動していた頃の風男塾を好きだった風王は、今の風男塾を見たら絶対好きになってくれる! っていう確信があったので、俺達が出てでも注目してもらわなきゃいけないなと。PR大使として15周年を盛り上げていこうと思いました。
――さらに、16年目もこうしてPRに出てきていただいているわけですが(笑)、15周年ライブを終えた後も、風王の方からのメッセージや現メンバーの活動などは細かくチェックされているのでしょうか。
青明寺浦正:もちろん! SNSですごい勢いで“浦まサーチ”(エゴサーチ)してますし、メンバーが個人配信してるSHOWROOMも全部観てます(笑)。
英城凛空:なんなら、僕らの活動を全部把握してくださっていて、「この日、なんのスケジュール入ってたっけ?」って言うと、すかさず「〇〇だよ」って教えてくれますからね。
柚希関汰:もう、マネージャーですよ(笑)。
青明寺浦正:メンバーよりオタクのほうがスケジュールを把握してるっていうのが、アイドル界隈の常識なので(笑)。15周年は、先輩として関わる一方で、風男塾のオタクとしても楽しませてもらえる1年でしたね。そして今も、引き続き楽しませてもらってます!
――アニバーサリーイヤーに突入するあたりから、浦正さんがダンス指導などをされていたそうですが、現メンバーは先輩達との活動を通して、どんな学びを得ましたか?
胡桃沢鼓太郎:僕が加入した当初(2022年5月)は、過去のライブ映像など、OBのみなさんが踊っているビデオを観ながら振り起こしをして、ダンスの先生と一緒にフォーメーションを作って……という形でパフォーマンスを作っていたので、映像だけを頼りに踊っていたんですよ。でも、浦正くんは当時の振りを現役で踊っていた方なので、一つひとつの動きの意味を教えてくださって。例えば、「ここは剣で切るんだよ!」とか……。
青明寺浦正:何の話だ(笑)!?
胡桃沢鼓太郎:あははは。そういう具体的なアドバイスをたくさんいただけたので、楽曲について深く知れたし、風男塾がさらに好きになれたなって思います。
青明寺浦正:当時、加入したばかりの新メンバーに直接振りを教えていた身からすると、少ない映像資料だけを頼りに、あれだけ振りを覚えられるのがすごいなって思うんですよね。最近も太陽が「ここの振りの映像資料が見つからないんですけど、浦正くん、わかりますか?」って質問してきて、「あの頃、映像を全然撮ってなくてごめん! 全部残しておけばよかったね!」って思いました(笑)。で、OBのLINEグループに「ここの振り、覚えてる?」って送ったら、「覚えてないよ!」「浦正くんが覚えてないなら、覚えてるわけないじゃん!」って返ってきて。
天堂太陽:「こんな感じだった気がする~」っていうグループLINEのスクショだけ届きました(笑)。
赤星良宗:ダンス以外の学びで言うと、MCのテンポ感はさすがだなぁって思いましたね。先輩方のMCのラリーを見ていると、一人ひとりの役割分担が出来上がっていて、すごくスムーズに会話が進んでいくんですよ。とはいえ、一緒に過ごさせていただく中で、みなさんも長い年月をかけてチームワークを築いていったんだろうなと感じました。俺達はまだ各々の個性や役割分担を探っている段階なんですけど、先輩達のようなチームワークを目指して、グループを育てていけたらいいなと思います。
――それこそ15周年は、メンバーと一緒に過ごす時間が長かったでしょうし、絆を深める良い機会になったのでは?
葉崎アラン:そうですね。昨年は『15th ANNIVERSARY 風男塾 PR project〜Hello47〜』という47都道府県を回る企画をやらせていただいて、初めてみんなで全国各地を回りました。その間はほぼほぼ毎日一緒にいましたし、「この人はきっと、こういうことを考えて、この行動をしたんだろうな」とか「今、こういうことを考えてるんだろうな」っていうのが、以前よりもわかってきた気がしています。ライブ中も、誰かが困っていたら、他のメンバーがすぐに察してフォローできるようになってきて。チームワークが良くなった1年だったなって思いますね。
風男塾には「ガンバーレ!」のように泥臭い青春ソングが似合う
――では、15周年の集大成として開催された『風男塾 LIVE 15th ANNIVERSARY FINAL~歌鳥風月~』について、おひとりずつ印象的な楽曲や演出を教えてください。
葉崎アラン:LINE CUBEに向けて、たくさんリハーサルを重ねてきたので、全曲思い入れが強いんですが、強いて挙げるなら、4曲目の「ピースサインミーティング」ですね。この曲はライブやイベントでの定番曲なんですが、今回は客席に降りて、風王のみなさんに囲まれて歌ったんです。今まではご時世的に、お客さんの傍で歌ったり、パフォーマンスをすることができなかったので、あの時は距離の近さに感動しましたし、みんなと一緒にライブを作り上げている感じがして嬉しかったです。
――ちなみに、「Making Movie リハーサル編」によると、アランさんは階段恐怖症だそうですが、今回は大丈夫でしたか?
葉崎アラン:前回、健水くんの卒業公演を行ったのもLINE CUBEで、その時も「怖いなぁ……怖いなぁ……」って話をしていましたし、スタッフさん達には階段恐怖症だと大々的にお知らせしていたつもりだったんですけど……今回も結構、階段ありましたね! 震えながら上っておりました!(笑顔)でも、風王のみなさんは気づかなかったみたいなので、よかったです。
――他のメンバーは気づきました?
柚希関汰:俺は間近で見てたので、気づいちゃいましたね。12曲目に披露した「Fighting Man」で、カッコよくダンスで締めた後に2人で階段を上ったんですけど、アランくん、ちょっと“こう”なってて。(と言いつつ、前屈みで震えながら上るアランを再現)
葉崎アラン:しかも、上るのが遅いんだよね(笑)。
柚希関汰:後ろがつまるから、実は小声で「早く! 早く! 行け! 行け!」って急かしてました(笑)。
――丈源さんはいかがですか?
凰紫丈源:俺はやっぱり、先輩方と一緒に披露した「ガンバーレ!」が良かったなって思いますね。7人でのステージを見せてきた先に、本編後半で先輩方が合流して、紗幕越しに12人が揃って登場するという演出だったんですけど、いざ映像で観た時に、紗幕の向こうでワクワクしている風王のみなさんの気持ちを感じると共に、あの時の感動が蘇ってきて! 俺自身、風男塾に加入する以前は、先輩方を1人の風王として応援していたので、憧れのみなさんと一緒に、同じステージで同じ曲を歌っているということがすごく嬉しかったですし、またひとつ大切な思い出が増えたなと思いました。
――OBのみなさんにとって「ガンバーレ!」は、最短で3年、最長で10年の時を経ての新曲でしたね。
青明寺浦正:そうですね。「ガンバーレ!」は、昨年10月にリリースされた最新アルバム『ONE FU ALL, ALL FU ONE』にも現メンバーだけの歌が収録されているんですが、6月にリリースしたシングル『君日和』のカップリング曲(現メンバー+OBバージョン)が初出しで、もともと12人で歌う曲として、はなわさん(結成時から2019年まで風男塾のプロデュースを担当)が作ってくださったんですよ。このライブにも来てくださって、終演後、「ライブ中ほとんど泣いてた」って言ってました(笑)。そうやって長年お父さんのように風男塾を見守ってくださっていた、はなわさんの楽曲を、15周年というタイミングでパフォーマンスできて嬉しかったです。もちろん、今の風男塾らしいオシャレな楽曲も必要ですけど、やっぱり、風男塾には「ガンバーレ!」のように泥臭い青春ソングが似合うなって感じました。
凰紫丈源:「ガンバーレ!」は俺らにとっても新曲だったんですけど、先輩方と一緒にライブに向けて作り上げて、あの場で風王のみなさんに初披露できたので、その一体感も含めて、15周年ならではの特別な1曲になったなと思います。
青明寺浦正:……ただ、「ダンスは簡単にしてください」って頼んでおいたんですけど、出来上がってみたら、振付師さんに「ごめん、フォーメーション多くなっちゃった!」って謝られまして(笑)。「次、どっちに移動するんだっけ?」って考えながら歌わないといけなかったので、ライブは結構大変でしたね。
柚希関汰:先輩方、めちゃめちゃ完璧でしたよ。
青明寺浦正:いやいやいや。リハーサル映像に収録されてると思うんですけど、桃くん(武器屋桃太郎)、丈源くんに介護されてましたからね。「先輩、こちらです!」って(笑)。
凰紫丈源:頼っていただけて光栄でした!
――では続いて、太陽さん。
天堂太陽:(作品資料を見つめながら)俺、好きな曲が多くて選べないので、2曲言っちゃっていいですかね……?
青明寺浦正:言っちゃいな(笑)。
天堂太陽:9曲目の「チェンメン天国」と、その後のユニットブロックで披露した「BOY'S LOVE~拳のハーモニー編~」(青明寺浦正・流原蓮次から成るユニット“URAREN”の楽曲を天堂太陽・凰紫丈源が歌唱)なんですけど、実は両方とも浦正くんのパートを俺が歌わせていただいていまして。浦正くんが直々に「BOY'S LOVE~拳のハーモニー編~」を教えてくださったことも心強かったですし、俺達が「チェンメン天国」のリハをやっている横で、PR大使のみなさんがMVを再現している様子もすごく微笑ましかったです。
――幕間に流れた『事情通が激白!風男塾15年目の真実!!』(天堂太陽が情報通のU氏に風男塾の過去についてインタビューする企画VTR)によると、(浦正扮する)Uさん曰く「BOY'S LOVE~拳のハーモニー編~」は風男塾の代表曲の1つだそうですね。
天堂太陽:そうなんですよ。だから、これは全力で推していかないと! と思って、気合いを入れてパフォーマンスさせていただきました。
――「BOY'S LOVE~拳のハーモニー編~」では丈源さんの沖縄弁が炸裂していましたけど、なぜそういう演出に?
凰紫丈源:オリジナルバージョンでは、京都出身の蓮次くんが関西弁でセリフを言っているので、最初はその通りにやろうと思っていたんです。でも、プロデューサーさん達が「オリジナルでやってみなよ」って言ってくださって。じゃあ、丈源も地元・沖縄の方言で言ってみたらいいんじゃない? ってことで、あの仕上がりになりました。
天堂太陽:で、俺のセリフも「何言ってるか、わかんねぇーよ!」でいいんじゃない? って(笑)。
――現場で見ている時も何を言ってるかわからなかったし、改めて映像を観てもわからなかったです(笑)。
青明寺浦正:ですよね!? 蓮次はまだわかるけど、沖縄弁は難しすぎる!
凰紫丈源:えへへ(照)。
天堂太陽:でも、そのワチャワチャしてる感じが楽しかったですし、今の風男塾らしいオリジナリティが出せたんじゃないかなって思います。
柚希関汰:俺もユニットのブロックで、W♠︎PRINCE(瀬斗光黄・愛刃健水のユニット)の「もう君以外...」を凛空くんと歌わせていただいたことが印象的ですね。ご本人が見守ってくださっている中で披露するのは、すごく緊張したんですけど、黄色と水色(青)というメンバーカラーも先輩方と一緒ですし、15周年というタイミングで、あんなに大きな会場でこの曲を歌えたこともすごく光栄で……。ダイジェスト映像にチラッと映ってるのを観ただけで泣きました(笑)。
青明寺浦正:10秒くらいだったけど!?
柚希関汰:それでも泣けちゃうくらい、思い出深い1曲ですね。
英城凛空:しかも、健水くんの卒業ライブでは、健水くんがこの曲を歌ってて。それを僕らは傍で見てたから、なおさら2人で歌えたことが嬉しかったよね?
柚希関汰:うん。卒業ライブの時は健水くんが1人で、光黄くんがいるはずのスペースを空けて歌っていたんですが、今回は2人で歌えましたし、その様子を見てくれていた光黄くんにもMCで感想をいただけたので、いろんな意味で感慨深かったです。
――良宗さんの印象的な楽曲は?
赤星良宗:PR大使の方々と披露した楽曲はどれも思い入れが強いんですけど、それ以外だと、本編ラストに7人で披露した「いい男」が印象深いですね。あんなに広い会場で自由に走り回っていいなんて状況、人生でほぼほぼないことなので、何してもいいんだぜ!? みたいな気持ちでパフォーマンスしてたんですよ。
天堂太陽:何してもよくないよ(笑)!?
赤星良宗:(笑)。ラストが近づいている寂しさを感じながらも、高揚感がありましたし、たくさんのペンライトが輝く客席に、特効で金のテープがパーンと舞い落ちる光景が、ずっと忘れられなくて! 2024年も、こんな素敵な景色を7人でたくさん見られたらいいなって思いました。
――この日久しぶりに風男塾のライブに足を運んだ方や、配信でご覧になった方の中には、良宗さんの“顔良宗”っぷりを見てハマった方も多いと思うのですが、手ごたえはいかがですか?
良宗以外のメンバー:出た、顔良宗(笑)。
赤星良宗:(メンバーのいじりを華麗にスルーして)SNSでの反響だけでなく、リリイベなどで直接「9月3日のライブで観て好きになりました」って声をかけてくださる方もいて嬉しいですね。この出会いを機に、今の風男塾のことや俺のことをどんどん好きになってもらえたらいいなと思います。