平野紫耀&神宮寺勇太&岸優太、Number_i「GOAT」ダンスMVの凄み 拡張する楽曲の世界観

Number_i「GOAT」ダンスMVの凄み

 そして、平野紫耀。平野は手首や腰の振り方など、動きがとてもしなやかだ。それに、どんなに激しく動いても体の軸がほとんどブレない。どのシーンで切り取ってもきれいだし、立ち振る舞いから、手足や首の角度まで、細かく気を配っているのがわかる。彼のダンスを観ていて伝わってくるのが、“踊ることの楽しさ”だ。満面の笑みを浮かべたり、時にアレンジを加えてきたりと、「ダンスが好き」という素直な気持ちがパフォーマンスにも表れているように思う。

#Number_i 'GOAT'
#Number_i_GOAT

 こうした三者三様の魅力があるが、3人で踊った時にはピタリと息が揃う。これは個々のスキルの高さに加えて、3人のコンビネーションのよさもあるのかもしれない。特にそう感じるのが楽曲の後半、ダンスMVでいうと1分19秒あたりからのパートだ。

 約20秒間、3人は立ち位置を変えながら激しく踊るわけだが、その動作には無駄がなく、強い一体感が生まれている。見た目としても、おそらくは3人の心持ちとしても、常に結ばれ続ける正三角形。もし誰かが自分だけに精一杯になってしまったら成り立たない。それぞれが意識し合いながら、自分が出るべきところは出て、引くべきところは引く。そんな信頼のもとで成り立っているパフォーマンスのように思えた。

 今回はダンスパフォーマンス“MV”というひとつの作品だからこそ、シーンの切り替わりや和傘などの小物の使用といった、随所に遊び心を感じられるのもポイントだ。とはいえ、たとえば冒頭の平野と神宮寺が廊下を進みながら踊るシーンなど、ダンス面においてMVならではのアレンジが加えられている箇所もあるだろう。個人的には、今後どこかで「GOAT」のダンスパフォーマンスの全貌が見られる日を楽しみにしている。

 楽曲だけではない、ダンスにおいても完成度の高さを見せたNumber_iの「GOAT」。彼らの決して妥協を許さない、常に高みを目指す姿勢が表れていると言っても過言ではない。まさに、すべてにおいて“GOAT”(史上最高)な作品なのである。

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