櫻坂46 藤吉夏鈴&山﨑天、ボーカリストとしての魅力 「THE FIRST TAKE」での歌声に反響
昨年末の藤吉夏鈴に続き、1月10日に山﨑天がYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に出演し、櫻坂46メンバーの歌唱力が大きな反響を呼んでいる。
坂道シリーズからはこれまで同チャンネルで乃木坂46の遠藤さくらが「きっかけ」、生田絵梨花・久保史緒里・賀喜遥香が「やさしいだけなら」、日向坂46では齊藤京子が「僕なんか」、セサミストリートとのコラボレーションで加藤史帆・上村ひなの・髙橋未来虹が「上を向いて歩こう」(坂本九のカバー)、加藤・佐々木久美・佐々木美玲・富田鈴花が「ドレミソラシド」を歌唱し、その度に歌声に注目が集まった。坂道ファンの間ではこれまで出演がなかった櫻坂46の登場を望む声も多く寄せられており、今回の出演は満を持してと言えそうだ。
冒頭で触れた通り、櫻坂46が「THE FIRST TAKE」に出演した初めての動画が、藤吉による「Start over!」だった。12月29日に公開された動画はすでに180万回再生を超えており(1月16日現在)、それだけでも大きな反響が寄せられていることがわかるが、何よりも強調したいのは、これだけ難易度の高い楽曲をソロで歌いきった藤吉への称賛の声が多いということだ。「Start over!」は昨年の『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)でも披露されていたように、櫻坂46を代表するダンスナンバーであり、複数人でのパフォーマンスが前提で作られた楽曲である。さらに目まぐるしく入れ替わるリズム、大きな転調など一筋縄ではいかないサウンドがソロで歌唱することの難易度をより高めている。
同曲でセンターを務める藤吉が同曲を歌唱するのは自然なことだと言えるが、そもそも藤吉自身が歌声を披露する機会は多くはなかった。「Plastic regret」や「Microscope」では藤吉のソロパートを聴くことができるが、じっくりと聴く機会はほとんどなかったと言っていい。むしろ藤吉と言えば、表情やダンスに目を奪われがちなメンバーである。未知数なぶんだけ今回の動画では彼女の歌声に注目が集まったわけだが、実際に一聴してみると、想像を裏切られたというか、想像を超えてきた。歌が上手いとか声が綺麗だとか、歌に関する評価の基準は様々あるが、筆者が藤吉の歌声に感じたのは儚さと繊細さだ。繊細だがとても力強い。その相反した歌声を持ち合わせているのが藤吉の魅力である。「Start over!」は、大サビからは転調が入ることでグッと勢いが増していくが、藤吉の歌声は音に埋もれることなく、むしろいい感じに調和していたのが印象的だった。そもそも、大人数でも高難度な楽曲を一人で歌いこなせるだけでも、藤吉の歌のセンスを物語っている。