TikTokの影響力、アーティストの訃報……“共有”と“共感”から振り返る2023年のバイラルチャート

Merry Christmas Mr. Lawrence / Ryuichi Sakamoto - From Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022

 2023年、音楽シーンで大きな共感を生んだ出来事といえば、立て続いたミュージシャンの訃報だろう。Spotifyバイラルチャートでも、ミュージシャンの訃報を受けて過去の名曲が次々とランクインした。1月にはジェフ・ベックと高橋幸宏の逝去をうけてジェフ・ベックの代表曲「Cause We've Ended as Lovers」や「RYDEEN」をはじめとしたYMO関連楽曲がチャート上位にランクイン。2月に入ると鮎川誠と恒岡章の逝去にあわせてシーナ&ロケッツや、Hi-STANDARDの楽曲がランクインした。4月になると闘病中だった坂本龍一も高橋を追いかけるように息を引き取り、またしてもYMO関連楽曲やソロ楽曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」「energy flow」などが多くのリスナーに聴かれることとなった。そして、秋になるとライブ中に緊急搬送され、そのまま帰らぬ人となった櫻井敦司の早すぎる旅立ちを飾るようにBUCK-TICKの楽曲がチャートを席巻した。11月には闘病を続けていたKANの逝去、12月には病気療養中だったチバユウスケの急逝によって、KANの代表曲「愛は勝つ」「まゆみ」やThe Birthday、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの楽曲がチャートを急上昇した。このように一年を通して訃報が届いたなか、哀悼の意を捧げるようにチャートを賑わす名曲たちに接すると、音楽は永遠に残り続けるのだという、せめてもの慰めを感じる。

 目まぐるしく移り変わる音楽シーンのなかで、その変化を映すSpotifyバイラルチャート。今年も音楽シーンの風見鶏のような役割を果たしてくれることは間違いなさそうだ。

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