Rockon Social Club『Don't Worry Baby』ツアー完走 多彩なバンドの芯にある揺るぎないもの

 12月12日、フォルクローレを大胆に取り入れた「LIFE」でライブは幕を開けた。11月17日にリリースされた、Rockon Social Club(以下、RSC)の2ndアルバム『Don't Worry Baby』のリリースツアーだ。ステージには大きさの違う6枚のLEDパネルが、まるで完成前のパズルのようにランダムに並んでいる。ぴったりと揃いそうで揃わない――その感じをそのままRSCのメンバーに当てはめると、この一筋縄ではいかないメンバーが揃ったバンドを表しているようで、シンプルではあるが、これ以上ない演出に思えた。

 改めて、RSCのメンバーに触れておきたい。中心となっているのは今年8月に日本武道館でのライブをもって解散した男闘呼組のメンバー、成田昭次(Gt)、前田耕陽(Key)、高橋和也(Ba)、岡本健一(Gt)の4人だ。そこに、プロデューサー兼プレイヤーとして寺岡呼人(Gt/Ba)と青山英樹(Dr)を加えた6人。すでに、相当なキャリアのある面々だけに、繰り出されるサウンドは実に多彩だ。

「半年ぶりに帰ってきたぜー!」

 曲終わり、つなぎのビートに乗せて高橋がオーディエンスに第一声を放つ。続けて「We are」「Rockon!」のコール&レスポンスが会場に響く。

 ここ、東京ガーデンシアターはRSCの初ワンマンライブを行った場所だ。それが半年前の5月6日。1stアルバム『1988』をリリースしたのが3月1日だった。だからこの半年で2枚のオリジナルアルバムを世に放ったことになる。しかも男闘呼組としても最後の活動をしながら、である。

 忙しさは容易に想像がつく。けれど、というかだからこそ、ステージ上のメンバーはひたすら楽しそうに見えた。「ザ・ファイター」「ゲームチェンジャー」など、最新アルバム収録のゴリゴリのロックナンバーを中心にした前半、バンドの音がこれまで以上に太く感じられた。特にこの半年間での音楽漬けの彼らのライフがバンドの音として具現化されたのは言うまでもない。裏を返せば、これだけキャリアのある面々が集まっても、バンドの音をゼロから模索しないといけなかったということだ。つくづくバンドというのは不思議なものだと思った。そしてもちろん、だからこそカッコいいのだと。『1988』に収録されている、すでにライブでは欠かせないナンバーとなっている「Foxy Lady」では、成田のギターソロがワウを駆使したものになっているなど、楽曲の進化も格段に進んでいることが随所に感じられた。

 最初のMCを挟んで岡本が呼び込んだのは、Little Black DressのRyo。彼女がセンターに立って、その艶やかな声を響かせると一気に音が華やぐ。男闘呼組の「PARTY」、そしてなんと、クリスマスも近いということでスペシャルなカバーが披露された。松任谷由実の「恋人がサンタクロース」だ。名曲にハードなサウンドをまとわせ、らしいアレンジだった。さらに、Ryoがゲストボーカルで参加していた最新アルバム収録の「Sweet Devil Woman」を初コラボ。スタンドマイクで歌唱する高橋がオーディエンスを煽りまくる姿が印象的だった。

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