SixTONES 松村北斗と田中樹ならではの自然な空気 ラジオのテンポ感がユニット曲にも反映

 会話といえば、SixTONESのラジオ番組『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)でも度々田中と松村のトークを聞いてきた。松村のトークは時系列、情景描写がはっきりとしており、周囲の人との会話など、心の機微を細かく語るのが特徴。ラジオリスナーとしても、松村が立つその場の風景が思い浮かび、音まで聞こえてきそうなほどに臨場感溢れるトークを繰り広げているように感じる。一方メインパーソナリティとして毎週番組に登場している田中は、メンバー5人のトークを受けるのだが、自由に語るメンバーに相槌を打ったりツッコミを入れたり。時には熱いトークを田中が両手を広げるようにして受け止めたことも。自身のエピソードも豊富で、起承転結や骨子がしっかりとあり、それを尺を踏まえながら語る。直近でも、ドラマの撮影現場に差し入れしたエピソードでは、リスナーとのやりとりを盛り込むなど、リスナーやスタッフ、マネージャーなど周囲を巻き込んだトークを聞かせてくれる。

 2人で出演する際には田中のトークやリスナーのメールに松村がツッコミを入れたり、田中が松村の心情を汲み取ったり。松村がKing Gnuのコンサートチケットを自分で取得して参加したことを語った6月10日放送回では、興奮した様子で語る松村に、田中は「珍しくお前が、そんな人目を気にせず……」と彼をよく知るからこその相槌でエピソードを盛り上げるなど、滑らかな会話のラリーが楽しめるのも特徴だ。

 “ユニット曲digeST”で公開されている映像は2人がときどき集まってはこんな風に語りあって朝を迎えているという設定だろうか。一方で、アルバム特設サイトはクラブのHPのような仕様になっている。それを重ねてみると、クラブで過ごして始発を待つ、なんとも言い難いあの気だるい時間帯のようにも思えてきた。2人はどんな経緯でこの場にたどり着いたのだろうか。そんなことを考えるのもまた一興。

 ダイジェスト映像で公開された「スーパーボーイ」はわずか2分ほどではあるが、わずかな言葉に抑揚をつけ、それがエッセンスとなり耳に残る一節が早くも聞こえてきた。「なんでこの組み合わせでいままで歌ってこなかったんだ?」と思うほどに、違和感など1ミリも感じさせないのがお見事。フルサイズで聴ける日がただただ待ち遠しい。

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