櫻坂46、一期生の卒業で加速する“世代交代” 成熟期迎えたグループは壁を乗り越えられるか
11月25日、26日にZOZOマリンスタジアムにて開催された『櫻坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』の初日公演で一期生の土生瑞穂がグループを卒業。それに引き続き11月29日には同じく一期生から小林由依の卒業も発表された。2024年1月31日、2月1日には国立代々木競技場 第一体育館にて小林の卒業コンサートが開催される。ここ数年の櫻坂46はキャプテンを務めた菅井友香をはじめ、多くの一期生が卒業していった。その都度、櫻坂46における“世代交代”が強調されてきたが、土生と小林の卒業、二期生の成長、そして三期生の加入を考えると、今がまさに本当の世代交代を迎えていると言えるのではないだろうか。
今年は坂道研修生の6人が二期生として加入してから約3年ぶりの新メンバーとして、三期生11人が加入という大きなトピックがあり、春には大規模な全国ツアー『櫻坂46 3rd TOUR 2023』を開催、さらには7月にフランス・パリにて開催された『Japan Expo Paris 2023』や8月のマレーシア・クアラルンプールでの『Japan Expo Malaysia 2023』をはじめとした海外イベントにも精力的に出演し、櫻坂46の海外での広がりを知るきっかけとなった。加えて衣装、MV、ダンス、CDジャケットなどのクリエイティブな側面が見られる『櫻坂46展「新せ界」』も開催し、グループとしての確固たるブランドを誇示。これまでのモーニング娘。やAKB48などがそうであったように、グループの隆盛は10年が一つのボーダーラインと言われることが多い。櫻坂46も欅坂46時代から数えると約2年後に“10年”のタイミングを迎えることとなるが、ここまで順調に世代交代のバトンを繋いでいるように感じる。
まずは一期生について見てみると、平手友梨奈の脱退、そして織田奈那や鈴本美愉といったメンバーが相次いで卒業した2020年は、グループの存亡について悲観的な見方をするファンも多かったが、渡邉理佐や菅井友香らが卒業した2022年にはそのような声は少なくなった。それはやはり、グループに残ってきた上村莉菜、小池美波、小林、齋藤冬優花、土生の存在、そして後述する二期生の活躍が大きいと言えるだろう。
グループを支えてきた一期生の存在
2023年までグループに在籍していた上村、小池、小林、齋藤、土生の5人に共通するのは欅坂46から櫻坂46への改名、体制変更という大きな局面に直面しながらも、グループのため、そしてメンバーのために活動を続けてきたということ。齋藤は『EX大衆』2023年7月号(双葉社)のインタビューの中で「3、4年前の自分に『この5人が残っている』と言っても信じないはず。ただ、それぞれ芯が強いので、意味があって残っている5人だと思います」と話していた。しかし、紛れもなく、この5人がいたから今の櫻坂46があると言っていいだろうし、実際に一期生の存在があったからこそ、二期生、三期生へバトンが繋がれているのだ。そんな一期生の「たくさん刺激を受けてます」(齋藤)、「欅坂46のときの経験があったから、二期生は櫻坂46でのびのびと楽しくパフォーマンスできているんだろうなと思うんです」(上村)といった言葉からも、二期生への信頼がうかがえるし、何よりも良い関係性が築けていることが伝わってくる。こうした空気感の醸成も一期生が担ってきたところがある。今回卒業を発表した際の「改名時は胸を張ってグループの名を言えないこともありましたが、今は胸を張って、誇れるグループになれた実感があります」(※1)という小林のブログでの言葉を読んで、筆者は胸が熱くなった。間違いなく、そんなグループにしてきたのは小林をはじめとした一期生の存在が大きい。