宮本浩次から吉井和哉、Ado、優里まで……カバーで味わう歌声と原曲の奇跡的な調和

 Adoは11月15日よりTK from 凛として時雨「unravel」のカバーを配信リリースし、その卓越した歌唱スキルで強烈なインパクトを与えている。アニメ『東京喰種トーキョーグール』オープニングテーマとして世界的にも知られる楽曲を新たな解釈で歌いこなす。ウィスパーボイス、ファルセットを次々と切り替えながら、イノセントなシャウトを織り交ぜ、その世界観を切実に演出している。原曲を歌うTKも強い記名性を持つボーカリストだからこそ、全く異なる歌唱で原曲に挑んでいるように聴こえる。

【Ado】unravel 歌いました

 Adoは「unravel」を含むカバーアルバム『Adoの歌ってみたアルバム』を12月13日にリリース予定。「歌ってみた動画」から歌い手として活動を始めたAdoがメジャーフィールドで鍛えた歌声と共にカバー曲へと回帰するのは彼女のストーリーとしても劇的である。本作の収録曲はファンからのリクエストを踏まえた選曲であり、HoneyWorks「可愛くてごめん」など意外な楽曲も収録される。彼女のさらなる表現への挑戦が期待できるはずだ。

【Ado】歌ってみた【ボカロver. CM】

 優里は10月4日にCD限定で初のカバーアルバム『詩-80's』をリリース。1980年代の邦楽から選曲した本作はフォーキーな楽曲を得意としている優里だからこそ、高い親和性を持ったカバーばかり。その力強く逞しい歌声によってどの楽曲も強い迫力を持って届けられる。

優里カバーアルバム『詩-80's』トレーラー

 尾崎豊「15の夜」のカバーは原曲の空気感を含みつつ、より泥臭くエモーショナルな質感を帯びている。とりわけそのハスキーなシャウトは楽曲の持つ焦燥感を体現しており、時代の名曲を歌い継ぐに相応しい仕上がりと言えるだろう。

優里『15の夜』Official Music Video

 今支持されているカバーはどれもシンガーの持ち味と原曲との相性が奇跡的な調和を果たしているものばかりだ。これからも驚きと感動を呼ぶ名カバーの誕生を心待ちにしたい。

※1:https://thetv.jp/news/detail/1010885/p2/
※2:https://www.yoshiikazuya.com/news/detail/12088

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