フォーリミ、バニラズ、SHISHAMO……リアレンジで過去曲を再解釈 新たなアプローチによる可能性
SHISHAMOは11月8日にCDデビュー10周年イヤーを記念したアコースティックアルバム『10th Anniversary Acoustic Album「ACOUSTIC SHISHAMO」』をリリースする。ライブで披露してきたアコースティック編成のSHISHAMOを、音源でも届けたいという思いから制作された記念盤であり、これまでの経験値を集約した1作と言える。
SHISHAMOのメンバーはアコースティック編成になると吉川美冴貴(Dr)はカホンを叩き、宮崎朝子(Vo/Gt)も松岡彩(Ba)も鍵盤やタンバリンなど様々な楽器を演奏する。自由度の高いリアレンジによって過去曲に違った角度で光を当てるのだ。ライブでは「BYE BYE」はより艶めかしく、「明日も」はその歌をより切実なものに、と、宮崎のボーカルもアレンジによって異なる表現が引き出されている。
また先行配信されている「夏の恋人 ACOUSTIC ver.」は宮崎1人によるピアノの弾き語りである。デビュー初期から3ピースバンドとしてのステージングや3ピースサウンドを中心としたアンサンブルにこだわっている印象のSHISHAMOだが、アコースティックという枠組みを設けることで今までにないほど削ぎ落としたアプローチを呼び起こしている。『ACOUSTIC SHISHAMO』はその歌の魅力とともに、新たな表情を与える1作だろう。今後、SHISHAMOがさらに豊かなバンドになる予感に満ちたアルバムになるはずだ。
エネルギッシュかつソリッドなバンドサウンドが魅力のバンドたちも、キャリアの中でライブを重ねることで別のアウトプットや楽曲にとってのもう1つの正解を見出していくものだ。これらのリアレンジアルバムはそんなバンドの可能性を押し広げており、年月を経た時にここで広がった可能性が結実しているかもしれない。長くバンドを追う一つの楽しみになるだろう。
※1:https://natalie.mu/music/pp/04limitedsazabys12
※2:https://natalie.mu/music/pp/gogovanillas07
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