ExWHYZ、音楽支える面々と相見えた2マンシリーズ yahyel迎えた白熱のファイナル公演
今年7月から9月にかけて『ExWHYZ TOUR 2023 ‘eLATION’ part.1:Live House Series』と題した全国ツアーを繰り広げてきたExWHYZ。『part.1』はワンマンツアーだったが、その続編となる『ExWHYZ TOUR 2023 ‘eLATION’ part.2:with Special Guest Series』はその名の通り、ゲストを迎えた2マンシリーズ。東名阪のZeppを舞台に、彼女たちは対バンならではの熱いライブを繰り広げてきた。そのファイナル、10月19日 Zepp Haneda(Tokyo)公演の模様をレポートする。
今回のツアーでゲストとして招かれたのは、初日の名古屋がSeiho、大阪が大沢伸一、そしてファイナルである東京がyahyelというラインナップ。単純に「対バン」として考えるとかなり異質なメンツだが、3組のいずれも、これまでExWHYZの楽曲にクリエイターとして関わってきたアーティストやバンドたちである。ExWHYZの魅力はその楽曲のクオリティと切っても切り離せないが、音楽的な面で彼女たちの進化を支えてきた面々と、ついにExWHYZが相見えるのである。おもしろくならないわけがない。
さて、東京公演のゲスト、yahyel。まずベースとサンプラーを操る篠田ミル、ドラムの大井一彌、ギターの山田健人がステージに登場し、続けてボーカル・池貝峻が現れて、重いピアノリフを弾き出す。1曲目は『Loves&Cults』から「Mine」だ。力強いビートとベース音は問答無用に体を踊らせるが、同時に池貝のファルセットボイスが意識を体から引き剥がす。そんな分裂的な体験が、のっけから展開していく。2曲目の「Sheep」からは背後のスクリーンに映像も映し出され、ビジュアルとサウンドが彼らの世界観をより強調していく。「Once」までの5曲をかけてじっくりと観衆を自分たちのフィールドに連れ込むと、続く「The Flare」ではそれまでピアノの前で歌っていた池貝が立ち上がりステージセンターのスタンドマイクで歌唱。ここから暴力的なまでのyahyelワールドが繰り広げられていく。
シングル曲でもある「Highway」の軽快なブレイクビーツからアッパーなハウスチューン「ID」への流れでテンションを高めると、「Mex」へ。池貝がフロアに飛び降り、オーディエンスの中を歩いていく。呆気に取られるマスター(ExWHYZファンの呼称)たちの表情を見たのか、ステージに戻ってきた池貝はマイクに向かって叫んだ。「寝ぼけてんじゃねえぞ!」。それは彼らが音楽を通して伝えようとしているメッセージでもあるようだったし、このあと始まるExWHYZのステージに向けてフロアを鼓舞する言葉でもあるようだった。そして最後にオリエンタルなムードに激情を詰め込んだような「TAO」を届けると、yahyelの4人は颯爽とステージを降りていった。