Swagcky、ヒット曲「ありがとう」は近くで支えてくれる人たちに向けた感謝の言葉 「忘れがちなことを口に出すことが大切」

今の自分の一番の課題は人に好かれること

ーーちなみに、Swagckyさんが懐かしさを感じる曲というと?

Swagcky:世代的に、例えばGReeeeNさんやコブクロさん、スキマスイッチさんの曲とかですね。やっぱり自分の青春時代……2000年代前半の頃に出会った曲は、いつ聴いても刺さりますね。

ーー人はなぜ、ノスタルジックなものに心を惹かれるのでしょう。

Swagcky:最近は物事が便利すぎて、逆につまらなくなっているのではないかと。情報過多な昨今、いい音楽へのアクセスもものすごく容易になったし。でも、ひと昔前は時間や手間をかけなければいい音楽に出会うこともなくて。だからこそ、いい音楽への記憶も今より価値を感じるんじゃないでしょうか。

ーー辛い現実からの逃避先として、美化された過去の記憶を求めるところもあるのかなと思いました。

Swagcky:なるほど、それもきっとありますね。

Swagcky | 愛夢 (Official Visualiser)

ーー「愛夢」はどのようにして生まれた曲ですか?

Swagcky:この曲は、何かに挑戦しようと頑張っている人たちに向けて書いた曲です。今って、何か新しいことや、誰もやらなかったようなことに挑戦しようとする人を、すぐに批判する世の中じゃないですか。それって本当にふざけたことだなと思っているんです。僕自身、音楽を始めたばかりの頃はよくそういう批判に晒されました。「下手なギター弾きながら歌ってるわ」「もっと真っ当に生きろよ」みたいなことを、知り合いにもよく言われたんですよね。「いやいや、俺は自分がやりたいことを真っ当に追求しているわ!」と、そのたびに心の中で思っていたし「すぐに人を批判するような人間にはなりたくない」と思っていました。

ーーそれがこの曲の、〈悪魔の囁きになんて 耳をかさないでいいから いばらの道だからこそ 助け合っていく 僕ら〉という歌詞に込めた思いだったのですね。

Swagcky:そうなんです。一番近くにいる人たちが、一生懸命頑張っている人の背中をそっと押すような、そんな愛に溢れた世界の方が幸せなのに……って。何より今の僕自身が「頑張っている仲間」の一人ですし、同じ思いで頑張っている人たちと応援し合えるような、そんな優しい世界に想いを馳せて作ったのが「愛夢」です。めちゃくちゃいい曲が書けたなと自分では思っているんですよ。できるだけ多くの人に聞いてもらえたら嬉しいですね。

ーー「Smiley」は、当たり前の日々にこそ幸せが存在しているという、「ありがとう」にも通じるテーマの楽曲ですよね。

Swagcky:TikTokでライブ配信中、本当に2、3時間で作りました。これまでのSwagckyには、全員でシンガロングできる曲がなかったんです。例えばサム・ヘンショウの「Church」みたいな、好きな洋楽にインスパイアされたサウンドにしようと。洋楽って今、若い人たちの間であまり聴かれていない印象が個人的にはあるんです。洋楽のエッセンスをどうやってJ-popに落とし込めばみんなに聴いてもらえるか、いろいろ考えながらアレンジを組み立てていきました。先日、大阪でHiplinさんとツーマンをやった時も、この曲のサビでシンガロングして盛り上がったので、11月のライブでもぜひみんなと歌えたらいいなと思っています。

ーー「Moonlight」は、夢を持つ人たちの心に寄り添うSwagcky流のエールソングです。

Swagcky:この曲は自分に対してのエールソングというか、自分自身を鼓舞するために作った曲です。「MASAZAYN」から「Swagcky」に名義変更し、誰も味方がいなかったところから音楽活動を始め、徐々に仲間を増やしてここまで来たのですが、最初のうちは踏ん張るために自分を鼓舞していたところがあったんです。「俺はきっとできる、今のこの苦しさから抜け出せば、絶対に光が見えてくる」って。その頃を思い出しながら作った楽曲ですね。

ーー孤独を感じながら、自分自身を鼓舞していた時に支えになっていたものはありますか?

Swagcky:うちのじいちゃんがよく、「いい時もあれば悪い時もある」と言っていたんです。その言葉は大きな支えになっていましたね。たとえどんなに辛い時があっても、それが一生続くことはない。今は耐え忍ぶ時だと自分に言い聞かせながら頑張ることができたのも、その言葉のおかげだと思っています。僕は一人っ子だったのもあり、振り返ってみれば小さい頃からほとんど一人で行動していたし、一人で状況を打開していくことが多かったなと。誰かに頼るのは得意じゃなかったし、誰かに頼るくらいなら自分でやってしまったほうが早いって考えていました。

 それに比べると、今はもう少し周りの力に頼る場面も増えて来ました。が、やはり「この人と何か一緒に作りたい」と誰かに思ってもらうためには、人に頼ってばかりじゃダメなんですよね。一人で苦しむ時期も必要というか。苦労しなきゃいけない時が必ず訪れるんです。

ーーEP『Cherish』が完成した今、どんな心境ですか?

Swagcky:僕は自分の思いを伝えるのがあまり得意ではなく、Swagckyとして活動を始めてからも人に誤解を与えてしまうことが多くて。担当ディレクターにもよく言われることですが、今の自分の一番の課題は人に好かれることかなと。

ーー本当ですか? こうやって話を聞いていると、みんなから愛される人柄に感じますが。

Swagcky:そうですかね。まあ、この2年で僕もだいぶ変わったとは思います。でも、あまりにもうまくいかないことが続くのは、やっぱり自分のせいだと思うんですよね。いつも自分のことが中心になり過ぎてしまうというか……。これから一つ上のフェーズへ行くためには、周りのことをもっと考えられるようにならないとダメだなと。

 何よりもまず人間として成長し、自分の周りの人たちや自分の音楽を「いい」と思ってくれる人たち、そしてまだ出会えていないけどきっと「いい」と思ってくれる人たちに、できるだけ多く出会いたいです。

ーー来たる11月12日のワンマンライブ『Nostalgia』への意気込みを、改めてお聞かせください。

Swagcky:今まででいちばん大きい規模なので、すごくワクワクしています。実を言うと、昔はライブに対して苦手意識があったんですよ。ここ最近は、ようやく楽しめるようになってきましたが。歌が技術的にめちゃめちゃ上手いとか、そういうことももちろん大事かもしれないけど、やはりライブはエンターテインメントだなと改めて感じます。その日その場にいて「最高に楽しかった」と思って帰ってもらえる、そういうパフォーマンスができたらいいなと思っていますね。

︎■リリース情報
Swagcky(スワッキー)
2nd EP『Cherish』
2023年10月18日(水)
配信URL:https://swagcky.lnk.to/Cherish

1. ありがとう
2. Once upon a time
3. 愛夢
4. Smiley
5. Moonlight
6. ふりだし

■ライブ情報
Swagcky One man Live『nostalgia』
日時:2023年11月12日(日) open 17:00  start 18:00
場所:東京・渋谷WWW
チケット:ADV/ ¥4,500 DOOR/¥5,000
(税込/All standing/1D代別)
チケット発売中:https://eplus.jp/swagcky/

■関連リンク
Youtube : https://www.youtube.com/@Swagcky
TikTok:https://www.tiktok.com/@swagcky
Instagram : https://www.instagram.com/swagcky/
X : https://twitter.com/swagcky_amar_

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