なにわ男子「初心LOVE」1億回再生突破なるか 新鮮なデビュー曲がもたらした幅広い世代からの支持

 初めてMVを見たとき、爽やかさとキャッチーさ、彼らの持つ幸福感に引き込まれた。2021年11月のデビュー以来、ドラマや映画、バラエティなどメンバー全員が幅広く活躍を見せている、なにわ男子のデビュー曲「初心LOVE」のMVが、発売から2年を経てYouTubeで9200万再生を突破。1億回再生が目前となっている。

なにわ男子 - 初心LOVE(うぶらぶ)[Music Video Dance ver.

 なにわ男子は、西畑大吾、大西流星、道枝駿佑、高橋恭平、長尾謙杜、藤原丈一郎、大橋和也の7人からなる。2018年の結成から関西を中心に活動しており、バラエティやドラマ、ラジオなどで頭角を現し、デビュー前から多くのファンを獲得していた。

 「初心LOVE」には、独特のキャッチーさや中毒性がある。まず、彼らが持つ世界観、培ってきたキャラクター性が歌声やパフォーマンスに浸透しているのだ。なにわ男子は、10代でデビューしたメンバーから10年以上の下積みを経て加入したメンバーまで、多様なバックグラウンドを持つグループだ。それぞれ切磋琢磨して培ってきた、歌唱力やダンスパフォーマンス力ももちろんある。

 しかし、そのパフォーマンス力を全面に見せるのではなく、あえてみんなで踊りやすい、歌いやすい、キャッチーでかわいらしい曲をデビュー曲に据えた。グループアイドルには、グループとしての個性や持ち味を見ている人に伝えることが重要だろう。彼らが多くの人に愛される第一歩としてデビュー曲に「初心LOVE」が選ばれたのは、大きなことだった。

 昨今のボーイズグループ界では、Snow Man、SixTONESをはじめ、BE:FIRSTやINIなど大人っぽくスタイリッシュな雰囲気のグループが多い。

 イントロはなく、いきなりサビから始まるのも、TikTokや配信が主流の現代において、受け入れられやすい要素の一つだろう。TikTokで「初心LOVE」のフォトモーションエフェクトを登場させ、ハッシュタグチャレンジ「#うぶらぶダンス」も拡散。当時国内アーティスト最速となる、配信後37日間での5億回再生を達成したことも大きなニュースとなった。

 そんな流れの中、ピンク色の衣装を違和感なく着こなし、笑顔で歌い上げる彼らのデビュー曲は、とても新鮮に映ったように思う。一定以上の年齢層にとっては少し懐かしさもあり、他のボーイズグループファンには新鮮に映る。さらに、筆者の周囲にいる小学生を見ていると、TikTokやYouTubeを通して「可愛くてごめん」(HoneyWorks)といったショート動画から火がついた楽曲や、基本的には顔を出さずに二次元の姿で活動するすとぷりなどのグループに親しんでいることが多い。その小学生たちが「なにわ男子好き」「みっちー(道枝)かっこいい」「プリンの人(大橋)が大好き」と言うことに驚き、受け入れられている層の厚さを実感した。

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