ザ・リーサルウェポンズ、理想全開にした新たな試み “陰キャ界の陽キャ”な実体験と連動させた仕掛けも
「陽キャにも伝わってしまうけど、我々は陰キャ界の陽キャ。そこは大事」
――「ボウズ」は釣りの歌ですね。釣りといえばアイキッドさんの大得意分野。
アイキッド:釣りながら作曲してて、もともと〈横須賀にアジはいねぇ〉っていう歌詞だったんですよ。でも家に帰って来て、それだと横須賀市民にしかわかんねぇなと思って、もっと広く捉えられるようにと思って、〈この海にサカナいねぇ〉にしました。一番言いやすいように、子音と母音を続けたり分けたりしたので、〈この海にサカナいねぇ〉ってめちゃくちゃ言いやすいんです。作詞の妙味と言いますか、我ながらよく作ったなと思います。
――この曲にも、ちゃんと時事問題が入ってるんですね。マナーを守らない奴は〈釣りする資格ねぇ〉と、しかもそこだけアイキッドさんが歌ってるという。
アイキッド:これには訳があって。私がするのは川釣り、中流釣りなんですね。荒川の中流域でナマズを釣ったり、そっち系だったんですけど、基本的にそういった渓流釣りって、ある程度小金持ちの趣味なんで、ゴミを捨てたりしないんですよ。全部自分で持って帰る。でもこの1年ぐらい、堤防によく行ってるんですけど、まぁガラが悪いですね。魚の餌を撒いたら流さないで帰るとか、渓流ではありえなかったんですけど。それをどこかで言おうと思ってました。聴くとわかるんですけど、2番のAメロから最後まで、ジョーくんの休みが一個もない。しかも今回シンセ推しなので、ギターソロを入れるのもどうか? と思った結果、「自分のパートを作ろう」ということになったわけです、消去法で。ジョーくんにレスト(休憩)してもらうために。
サイボーグジョー:レストじゃないけどね。マイク持ってるから。
アイキッド:そうね(笑)。結果的に、ライブの時に彼は休めないんですよ。私が歌うんで、マイクを差し込んでもらわなきゃいけない。このシステム、どうにかしないとね。これ(フェイスガード)を引っ込めるとかしないと、歌えないんで。
――さっき言い忘れましたけど、そういえば「ウェザーリポート」もアイキッドさんがしっかり歌ってますよね。デュエットソング。
アイキッド:あれもコラボレーションで誰かに歌わせようと思って探したんですけど、諸事情あって見つからず、またしても消去法で私が歌うことになって。「ウェザーリポート」も、ライブでどうしようと思ってます。手持ちで歌うかどうか。
――ジョーさん、先生の歌声はどうですか。
サイボーグジョー:ベリーナイス歌声。好きですよ。
アイキッド:そうかね。YOU TOO!
サイボーグジョー:サンキュー。デュエットソング、いいな。
――まとめて言いますと、今回のアルバムは、リーサルウェポンズのシンセポップな側面と、歌詞ではインテリオタクと言いますか、そういった面が強く出たアルバムなんじゃないかなという気がします。
アイキッド:言うても我々は、文科系にうけてると言いますか、体育会系のふりをした文科系なので。陰キャ界の陽キャですから。たとえば競艇で、A1、A2、B1、B2という階級分けがあるんですけど、うちはB1の上ですから。
――すみません。よく知りません(笑)。
サイボーグジョー:(アイキッドは)ボートレース、大好きなんで。
アイキッド:世間に出ようとすると、どうしてもパリピで陽キャにも伝わってしまうんですけど、我々は陰キャ界の陽キャですので、そこは大事ですね。本当に陽キャの人たちが私の歌詞に共感するとは思えないし、どっちかというと、チーズ牛丼食ってるような人のほうが共感してくれるんじゃないかなと思ってますけどね。
――そんな、リーサルウェポンズを愛する同志が集うイベント。11月11日、国技館のライブ『地獄の国技館バトルロイヤル』はどうなるんでしょう?
アイキッド:完全なる演劇で、私が座長をやります。格闘オペラです。発表されているゲストは、上坂すみれさん、眉村ちあきさん、スーパー・ササダンゴ・マシンさん、ハリウッドザコシショウさん。さらに隠し玉として、ミスターXがいます。きっとみんな、大喜びするんじゃないかと思います。これから演出を煮詰めようと思ってます。
サイボーグジョー:レッスルマニアみたいね。ロイヤルランブルかな。
アイキッド:そう、WWE(World Wrestling Entertainment)のロイヤルランブルの音楽版として捉えていただければ。前回(2021年11月13日『新宿バトルロイヤル』)は失敗……じゃなくて、ものすごく大変だったので。今回はイベントの前に3週間、脚本を書くためだけの時間を用意してもらいました。緻密に、乱闘の経路まで全部書こうと思います。
サイボーグジョー:今回、セリフ多いですか?
アイキッド:いや、そんなでもないよ。わりとコンパクト。ただ、私がギターを持ちながらプロレスするのは無理だから、そこは君がやるしかない。
――一応、音楽ライブと言っていいんですよね。
アイキッド:リングの上でやる音楽ライブで、プロレスごっこがついてくるぐらいの感じですかね。そして、必ず盛り上がります。それは演出の妙味ですね。そもそもポンズの曲は、無条件で盛り上がるんですよ。それプラス盛り上がる演出を、しかも大きい会場でやるから、大興奮のるつぼかなと思います。
サイボーグジョー:エンタテインメントだよね。めっちゃ楽しみ。ちょっと怖いけど。
アイキッド:人生の集大成なので。私のライフ、いろんなホビー、いろんな考え方をぎゅーっと凝縮して出てきたひとしずくがこのバンドなので。今回の『地獄の国技館バトルロイヤル』もそうですけど、いろんな要素があって、まだ全然アイデアは尽きないですね。
■リリース情報
ザ・リーサルウェポンズ『OKシンセサイザー』
①完全生産限定盤:¥4,800(tax in)
1CD / 劇場版パンフレット仕様(A4サイズ)楽曲解説付き
②初回生産限定盤:¥4,500(tax in)
※2CD / LIVE CD付(Concert at Zepp Shinjuku on July 6, 2023より14曲)
③通常盤:¥3,300(tax in)※1CD
Disc1 ※各形態共通
01.オーバーチュア
02.ボウズ
03.シューティングスターレディオ feat.宇多丸,スーパー・ササダンゴ・マシン
04.ねこねこヘヴン feat.上坂すみれ
05.スシダンス
06.ミッションインポッシブル
07.キングオブポップ
08.サムライディスコ feat.眉村ちあき
09.夏の日のメガドライブ
10.仮想通貨サンバ
11.ウェザーリポート
12.チクタク
13.サイボーグメカニンジャ-Scandroid Remix
14.マハラジャナイト-CMJK Remix
15.夏の日のメガドライブ feat.セガ社員-Bellemaison Remix
16.シェイキン月給日-Bellemaison Remix
Disc2 ※初回限定盤のみ
『The Lethal Weapons concert at Zepp Shinjuku on July 6, 2023』
01.80年代アクションスター
02.ポンズのテーマ
03.東海道中膝栗毛
04.押すだけDJ
05.半額タイムセール
06.マハラジャナイト
07.Super Cub is No. 1
08.熱血ティーチャー
09.シェイキン月給日
10.サイボーグメカニンジャ
11.ホッピーでハッピー
12.さよならロックスター
13.雨あがる
14.都立家政のブックマート
■ライブ情報
『ザ・リーサルウェポンズ 地獄の国技館バトルロイヤル』
日時:2023年11月11日(土)
時間:開場16:00 / 開演17:00
会場:東京・両国国技館
出演:ザ・リーサルウェポンズ
ゲスト出演:上坂すみれ、眉村ちあき、スーパー・ササダンゴ・マシン、ハリウッドザコシショウ、BANBANBAN 鮫島、都立家政商店街の皆様、and more
チケット:
スペシャルリングサイド(SRS)指定席 (ピクチャーチケット付き / Tシャツ付き)¥18,000税込
リングサイド(RS)指定席 ¥9,800税込(ピクチャーチケット付き)
マス席(ひとマスに2名までご入場可、履物を脱いで着席)¥18,000税込
【一般】2階イス指定席 ¥5,500税込
【学割】2階イス指定席 ¥3,500税込
チケット発売中:https://eplus.jp/tlw/