ZILLION、勝負の2ndシングル『ナイトメア』で届ける想い メンバー間で深まる信頼関係も明かす

 男女8人組ダンスボーカルグループ・ZILLIONが、10月4日に2ndシングル『ナイトメア』をリリースした。表題曲は☆Taku Takahashi (m-flo)がプロデュースを担当しており、一度聴いたら忘れられない中毒性のあるビートが特徴。今までの“元気なZILLION”とはひと味違ったメンバーたちの表情が見えてくる1曲だ。そんな2ndシングルについて、本人たちにじっくり話を聞いた。(高橋梓)※取材は9月下旬。RIONは体調不良により欠席。

言いたいことをそれぞれ伝えられるように 勝負の2ndシングルへの想い

――デビューシングル『EMO』に続き、2ndシングルをリリースする今の心境を教えてください。

TYRA

TYRA:「ナイトメア」はすでにリリースイベントでも披露させてもらっていて、どんな楽曲で、どんな思いが詰まっていて、どれだけ力を入れているかということをファンの皆さんにも伝えてきました。私たちの現状を知ってもらっている状態でリリースできるのは、すごく嬉しいです。今までで一番練習をしましたし、いろんな思いが詰まっているので、1人でも多くの人に届くといいな、と。デビューシングル以上の結果を出したいと思っているので、緊張も感じています。

――緊張、というと?

TYRA:『EMO』のリベンジをしたいという緊張感ですね。正直、『EMO』はもう少し多くの方に聴いてもらいたかったなと思っていて。なので『ナイトメア』はもっと広がってほしいですし、いろんな場面で使っていただいたり、私たちに興味を持ってくれる方が増えたりしたらいいなと思っています。

MOKA:10月6日には、サンシャインシティ・噴水広場でリリースイベントをやらせていただくので、そこでも多くの人に『ナイトメア』を手にとっていただけたらと思っています。サンシャインシティ・噴水広場は登竜門のようなイメージがあるので、全力でパフォーマンスをして、より多くの人に『ナイトメア』とZILLIONの存在を知っていただけたら嬉しいです。

――8月からリリースイベントで全国を回っていると思いますが、お客さんの反応はどうでしたか?

WATARU

WATARU:地域によって全然違いましたね。一緒に参加できる曲で盛り上がる地域もあれば、「冗談じゃないわ」や「Hide n Seek」といったかっこいい系の曲で盛り上がる地域もあって。だから僕たちも行ってみるまでお客さんがどういうものを求めているかがわからないんです。そこが面白いポイントですよね。

TYRA:「これは絶対盛り上がるでしょ!」という曲を入れたセットリストを組んでいっても、「え、こっちの曲の方が盛り上がるの!?」みたいな(笑)。

WATARU:そうそう(笑)。リリースイベントは1部、2部と2回やることが多いので、1部でのリアクションを受けて、2部で急遽変更をすることもあります。

MOKA:『EMO』の時も全国でリリースイベントをやらせてもらったので、ちょっとわかった気になっていたのですが、今回改めてお客さんの反応は人それぞれ、地域それぞれだなと感じています。

――急遽変更して対応できるのはすごいですね。

CASHIN:もう慣れたよね。当日ステージのサイズが変わってしまうということもあるので、臨機応変にできるようになりました。

TYRA:そんな中でも「ナイトメア」はお客さんの反応がいいというか。私たちの届けたい思いを話すMC込みで聴いてもらえるので、一緒になって楽しんでもらえていると思います。

――その「届けたい思い」とは、具体的にどんなことなのでしょうか。

TYRA:サビの〈愛されたいから 仮面の後ろに隠れる そんなのゴメンだ〉や、〈ありのまま 私らしく 生きたいだけ だけ だけだ〉という歌詞が特に表しているのですが、日々生活する中で自分を押し殺してやらないといけない場面もありますよね。でも、私たちがこの曲をパフォーマンスしている瞬間は、お互いに気持ちをぶつけ合っていい時間だと思っていて。私たちも全力でパフォーマンスをするので、お客さんは歌詞に共感しながら、普段溜め込んでいるものを一緒に爆発させてもらえたら嬉しいです、と伝えています。

CASHIN

CASHIN:「ナイトメア」は全体的に僕らの強い思いが込められています。ZILLIONは男女混合グループだし、年齢差もあるし、時にはケンカすることもあるんですよね。お互い言いたいことが言えなかったりしたこともあるのですが、僕らはアーティストとして上に上がっていきたいという思いがあるので、「ナイトメア」の歌詞にあるように言いたいことをそれぞれしっかり伝えられるようになってきました。勝負のタイミングでもある2ndシングルで自分たちとリンクした曲をパフォーマンスできることで、今の僕らの気持ちがしっかり届けられていると思います。

MOKA:それにこの曲はいろんな受け取り方ができると思っていて。ZILLIONとして活動していく上でお互いに言いたいことが言えないという状況もそうですし、女子目線からすると恋愛にも重ねられるのかなと思って。相手のために着飾って本当の自分の思いを伝えられない、みたいな。私が担当している〈愛を探しているクセに 何故憎しみにしがみつくの?〉という部分なんかは、刺さる女の子が多いんじゃないかな。他にも仕事や友情にも例えられますし、人によっていろんな解釈ができる曲になっています。

KEIJI:あとは、ZILLIONの良さがわかりやすく表れています。プリフック、メインフックで男子と女子が交互に出てくるなど、男女混合グループだからこその形が確立されているんですよね。それに、これまでの楽曲は希望や願いがテーマになっていましたが、「ナイトメア」は“これが私だ!”と訴えかけるような楽曲。一番パンチの効いた楽曲になっていると思います。

――LUNAさん、KAORAさんは、注目してほしいポイントなどありますか?

LUNA

LUNA:お互いのパートで好きなところ言おう! 私はKAORAの〈魔法掛けちゃった☆〉がすごく好きです。ファンの皆さんも魔法をかけられた人続出中で、「KAORAに魔法をかけられてから先に聴き進められない」っていう人が多いんです。中毒性があって何回も聴き返したくなってしまうパートですし、こんなにかわいい女の子に魔法をかけられたら、そりゃ進まなくなるよねって(笑)。

KAORA:ここ、難しくて! 単純に魔法をかけるのではなくて、ちょっと“ニヤッ”みたいな。小悪魔的な表現をするのが難しくて、デモを聴いたときからめちゃくちゃ悩んだのでいろんな方に褒めていただけるのは嬉しいです。逆に私はLUNAの〈Hey これ以上 後悔はしたくないからさ〉の部分が好き。囁くように歌うパートなんですけど、イヤホンで聴いたり、集中して聴いたりしていると、LUNAの声を体で感じられるんです。その後に続くサビも、LUNAのこのパートがあるから映えていると思いますし、みんなにもイヤホンで聴いてほしいです。

LUNA:ありがとうございます(照)。

――そんなKAORAさんは、「EMO」に引き続きWATARUさんと一緒に歌うパートがありますね。元気印のお2人ですが、また違った一面を見せられているのでは?

KAORA

KAORA:ライブなどのパフォーマンスでも2人で表情や、どんな感情を乗せるかを合わせました。

MOKA:この2人は8人の中でも元気でパワフルなメンバーで、ライブでもニコニコしているんですよ。でも「ナイトメア」の世界観に入り込もうとちょっとクールで強気な表現をするのを頑張っていました。レコーディングもいつもと違う歌い方をしている気がしましたよ?

WATARU:それは間違いない。レコーディングの時から表情を変えて歌いましたし、パフォーマンスでもかっこいい僕らを見せられていると思います。

TYRA:〈自然体の自分が良いって あなた 簡単に言うけれど〉という歌詞がWATARUにピッタリだよね。WATARUは明るくて誰よりもポジティブっていうのが皆さんには自然体に見えると思うんですが、真面目な瞬間もあるし、悩む時もあるし、泣いているところも見ているので……。WATARUもいろんな感情があるので、良いパートを歌っているなと思っています。

CASHIN:歌割りをしてくださる方が、僕たちに合うようにパートを決めてくれているので、思いを乗せやすいんです。

――歌っているメンバーのパーソナリティも踏まえて聴き込んでみるのも面白そうですね。そして、9月27日にはYouTubeでMVも公開されました。

ZILLION / ナイトメア Prod. ☆Taku Takahashi(m-flo) (Official MV)

TYRA:メンバー全員がゾンビ化しているのがポイントです(笑)。

WATARU:ダンスにもすごく力を入れました。僕たちは身長がバラバラな分揃えて見せるには実は全員同じ振付ではなくて、少しずつ手を上げる高さとかも変えなきゃいけなくて。全員で高さを揃えて踊るために何回も動画を撮ってスローモーションにして、「ここは◯◯がちょっと高いね」とか「ここは逆に低いね」とお互いに言い合いながら今までにないくらい時間をかけて練習しました。ぜひ注目してほしいです。

――たしかに拝見した時、今まで以上に揃っていると感じました。動きや角度だけでなく、例えばヒットを打つ強さまで揃っていると思ったので、どれだけ練習したのだろう、と。

MOKA

WATARU:今までもたくさん練習していましたが、今回は揃えるという意識が高かったですね。コンマ何秒までスローモーションで確認していたので。

MOKA:今回もSota(Kawashima)さんに振付していただきました。それをもとに、個性豊かなメンバー同士で「ここは◯◯の踊り方が良くない?」、「ヒットの打ち方は◯◯が上手だよね」と話し合って、それぞれを尊重したいい作品ができたと思います。お互いへのリスペクトを感じられましたし、ひとつになれました。

――時間的にはどれくらい練習されたのですか?

TYRA:2週間で30時間くらいかな? 時間に換算するとそこまで多くはないのですが、かなり濃い練習ができたと思います。

KAORA:振りだけじゃなくてどんな表情をするのかも話し合いました。「怖い表情をしようね」だけじゃなくて、「この歌詞はこういう意味だから、心の底から“やってやるぞ”と思っている感じを出そう」みたいに詳しく詰めていって。

MOKA:表情が変わると踊りも変わるんです。表情の話し合いをした後に踊ってみたら、気持ちの伝わり方も全然違いました。

KEIJI

CASHIN:この曲は自信が溢れている曲なんですよね。今までの曲は「僕らのパフォーマンスをぜひ見てください」というイメージでしたが、今回は「お前ら、俺らを見ろ!」というイメージでやってみようという話が出て。そのイメージのすり合わせをしたら、より引き込まれるパフォーマンスに変わったので気持ちとダンスは関係しているんだという発見がありました。

KEIJI:それはリリースイベントでお客さんにも伝わっているよね。ポップでキャッチーな明るい楽曲でお客さんとコール&レスポンスをやったりするんですけど、「ナイトメア」だけはイントロが流れた瞬間、メンバーのスイッチが切り替わるんですよ。するとお客さんの反応もちょっと変わる。スイッチの切り替えになる勝負曲になっていると思います。

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