陰陽座、アルバム『龍凰童子』の世界を完成させた全国ツアー『鬼神に横道なきものを』 バンドの再始動を鳴らす一夜に
本編で特に印象的だったのは、“どうしても聴いてもらいたい曲”としてアルバム『龍凰童子』から披露された「白峯」だ。11分を超える長い楽曲だが、途中で曲調やリズムが次々に変化していくのでまったく飽きさせない。さらに、ライブでは照明も、曲の世界観を表すのに一役買っていた。キーボードの音色で静かに始まる冒頭は、青と緑のライトが灯る幻想的な雰囲気。楽器が加わり、ゴリゴリのロックサウンドが姿を現す中盤は赤い照明が激しく点滅する。迫力のあるステージに、大きな拍手が沸き起こっていた。
『龍凰童子』から14曲を披露し終えた後は、「青天の三日月」「吹けよ風、轟けよ雷」の旧譜でさらに会場の熱気を高める。本編ラストはもちろん、アルバムから残すところ1曲となっていた「心悸」。黒猫がステージをくるくると回りながら歌声を届けた。
アンコールでは「焔之鳥」が流れるなか、ツアーグッズのTシャツに着替えたメンバーがステージに再び登場。そこから「鳳翼天翔」が投下され、フロアは「オイ!」の掛け声でヒートアップ。「甲賀忍法帖」では大きな歓声が起き、「無礼講」では無数の扇子がフロア中で舞った。さらにWアンコールで「悪路王」を披露し、ファンとの再会を果たしたライブは終幕。『龍凰童子』の世界を堪能すると共に、バンドの本格的な再始動を感じさせるライブだった。
瞬火はアンコールで、「今後も着実に一歩一歩進んでいきたいと思います」「上ではなく、前に向かって進む陰陽座とこれからも一緒に歩んでください!」とフロアに強く語りかけた。再び歩み始めた陰陽座は、これからも着実な一歩を重ね、唯一無二の音楽を届けてくれることだろう。
陰陽座が貫いてきた覚悟と信念 瞬火、20年以上に渡り追求するヘヴィメタルの可能性
陰陽座が、1月18日にアルバム『龍凰童子』をリリースした。今作は2018年にリリースした前作『覇道明王』から4年半ぶりの作品とな…