B'zは「太陽のKomachi Angel」でトレンド入り、THE ALFEEやAIRも定番に? 高校野球「夏の甲子園」のドラマを彩る応援曲

B'zは高校野球の新たな定番応援曲に?

 今大会では明桜高校がB'zの「太陽のKomachi Angel」(1990年)を応援に使用し、X(旧Twitter)のトレンド入りを果たした。これは明桜高校が秋田代表で、秋田県の名産であるブランド米「あきたこまち」に掛けたものだと思われる。

 ちなみにB'zといえば、かつて強豪・報徳学園の応援で「ultra soul」(2001年)が披露され(しかも氣志團「One Night Carnival」(2001年)とのメドレー)、脚光を浴びた。今大会でも宮崎学園が同曲を演奏して球場を沸かせた。聴くと誰もがついつい〈ウルトラソウル〉と叫んでしまうことから生まれる一体感、そしてなにより〈胸をはりましょう〉〈暴れてやりましょう〉〈羽ばたく〉などテンションがあがるワードがふんだんに出てくるところも応援曲としてぴったりである。

 千葉大会決勝戦で、前述した専大松戸に敗れて夏の甲子園を逃した習志野は、大音量でありながら美しい音色を誇ることから「美爆音」と称される吹奏楽部の応援で有名だ。なかでもTHE ALFEEのヒット曲「星空のディスタンス」(1984年)の演奏はさまざまなメディアにも取り上げられた。今年は上田西の応援で同曲が披露されていたが、こちらも〈突き抜けろ!〉〈願いはひとつさ〉と歌われる同曲の世界観が、高校野球との親和性を感じさせる。

 2022年の「夏の甲子園」を制し、今大会でも優勝候補の仙台育英の吹奏楽部は、車谷浩司(AIR)の「Kids are alright」(1997年)を選曲して以前からロックファンの興味を誘っていた。同曲は千葉ロッテマリーンズ時代の井口資仁選手の応援歌としても知られており、サビの歌詞にある〈いま飛ばせ〉などの部分を〈井口打て〉と替えて歌われていた。オリジナルの歌詞も「ボールを打ってスタンドまで飛ばせ」とホームランのイメージを沸き立たせることから、高校野球の応援にもバッチリといえるだろう。

 選手たちの熱いプレーはもちろんのこと、スタンドの応援曲にも注目が集まる高校野球。なぜその曲が演奏されているのか、歌詞などから自分なりに考えながら観戦するのも楽しいのではないだろうか。

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